真の目的
パーティーでコーテッドとリサが歩いていたときに『そう言われてみれば確かに自分達は似ているかもしれない』とラブラは眺めていた。
そして会場にいた人たちも2人を眺めていたではないか。
ラブラは変だなと感じていた違和感にようやく気がついた。
『絶対的美』を持つコーテッドのことは余程の耐性持ちではない限り、あまり直視できないのだ。
あの時と今に共通すること…
それはリサに触れると特性が消えるのではないか?と考えられた。
だから、みんなはコーテッドを眺めることができたのだ。
だからリサと握手をしたパグ様も、元来の姿に戻ったのだろう!!
コーテッドもその説明を聞いて、やっと現実を受け止めたようだ。
だがパグ様のことよりも「私の従順が〜」と嘆いている。
「私の従順を返せ!」とリサに詰め寄っている始末だ。
そんなものがなくても、サモエド王子に身も心も立派に仕えているじゃないかと、ラブラは思うのだが、コーテッドにはとても大事なことのようだ。
本当に特性は消えてしまったのだろうか・・・
ラブラもリサに少し触れたが、今『鑑定』が使えている。
つまり自分でも気がつかないうちに消えて、すぐに戻っていたのだろう。
「コーテッド、たぶん時間が経つと戻ると思うぞ。」
ラブラは実験をするべく、外から人を呼んだ。
やはりリサに少しでも接触すると特性は消えた。
だが数分後には戻った。
「どうして私の『従順』は戻らないのだ!」
エスコートしてからもう随分と経つ。
「お前さっき、リサの肩を掴んでたじゃないか。」
そうだったとコーテッドは思い出し、同時に2人はとんでもないことに気がつく。
「「ああーーっ!!!」」
だとするとあのおじさんもパグ様に戻ってるんじゃないのか!!
「リサ、一緒に来い。」
そう言って手首を掴もうとするが、コーテッドは特性のことを思い一瞬ためらう。
だが、気をとり直すと、すぐに掴んで走り出した。
走りながら、リサは話し出した。
「一体、どうしたんですか?」
「パグ様がまた前の容姿に戻っている可能性がある。」
3人は慌てて取調室に行ったが、パグ様の姿はもうどこにもなかった。
「パグ様なら戻られましたよ。」
衛兵たちは笑顔で話してくれた。
牢屋に連れて行こうとしていると、いつの間にかパグ様だったのでそれは驚きましたと話している。
「で、そのパグ様はどこに行った!」
ラブラの声は厳しい。
「え、お部屋に戻られたのではないでしょうか・・」
「誰も付き添わなかったのか」
責められているような口調に、衛兵たちの笑顔も消えていく。
「ひとりで大丈夫ですと仰られたので・・」
チッとラブラは舌打ちをした。
「今すぐ衛兵を集めて、パグ様をさがせ!
これは女王様のからの命令だ、必ず捜し出せ!!」
ラブラは大声で指示をだした。
「兄上、女王様の名など出して大丈夫なのですか?」
コーテッドは心配になった。
「そうでも言わないと衛兵たちはパグ様には手を出せないだろう。」
だがその日、一晩中捜したのだがパグ様は見つからなかった。
そして同時にマルチーズ王子の後継者の証も無くなったのだった!




