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145 「死んだ山田と教室」

 

 こんにちは。

 今回も本のご紹介です。

 今回の本は、またもや先生から「この本いいですよ」とお勧め&リクエストがあって学校図書館に入れたものです。


 〇「死んだ山田と教室」

 金子玲介・著 / 講談社(2024)


 第65回メフィスト賞受賞作。

 現代を生きる高校生が主体となって進むストーリーですし、過度に暴力的だったり性的だったりする描写があるわけではないので学校図書館にはぴったりかと。


 ではストーリーを少しだけご紹介。

 山田ほむらは私立の男子校である啓栄大学附属穂木(ほぎ)高等学校に通う二年生。

 ある年の8月29日、山田は交通事故に遭い死んでしまいます。

 明るく話術にすぐれた山田はクラスの人気者だったため、彼のいた二年E組は二学期が始まってからもお通夜状態。みんな悲しみ、心が沈んでいたのでした。

 ところがなんと、担任の花浦先生が心配して急遽はじめたホームルームの時間に、突然教室の黒板の上にある四角いスピーカーから山田の声が聞こえてきて……。


 驚くクラスメート。ところが声のみの山田も一体全体どうして自分がこうなってしまったのかがわからない様子。

 ともあれ花浦先生とクラスのみんなはこの状態を秘密にすることを決定し、とある(いまここに再現するにはちょっとはばかられるような・苦笑)合言葉を決めて、その合言葉を言わない限り山田は話さないようにすることに。


 いやいや、もう冒頭からとんでもない状況にぐぐっと引き込まれます。

 非常に読みやすいのは、男子高校生たちの歯に衣着せぬ軽妙な掛け合いの会話でどんどん話が進んでいくから。

 山田が絶妙なタイミングで絶妙なツッコミをするので、毎回くすっと笑わされてしまいます。……いや、山田本人が死んでいるので、笑っていいものかどうかちょっと考えてしまうのですが(苦笑)、やっぱり笑ってしまう。楽しい。


 ところで山田は「この二Eの最強の配置」だと言って、このホームルーム中にいきなりみんなを席替えさせますが、その配置がまた絶妙であることが次第にわかってきます。

 山田のほか35名いるクラスメイトたちの人間関係が次第に浮かび上がってきて、「さて今後山田はどうなっていくのか……?」と読者の興味をひきつつも、実は山田の死の真相については謎があるらしいことがにおわされ、最後までページを繰る手が止まりませんでした……。


 いやいや、すごいです。

 単に笑って楽しく読み進められるというだけの作品ではありませんので、ぜひ最後までお読みいただきたいです。

 最後まで読むと、冒頭、名前は記されないまま山田を悼んでいる生徒たちのセリフがそれぞれだれの言葉なのかが大体わかる……という仕掛けもありまして、これまた楽しい。

 中学、高校の学校図書館にはぴったりではないかと思いました。

 それでは、今回はこのあたりで。


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