139 「アルプス席の母」
こんにちは。
みなさま本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今回は、またもや本のご紹介です。
〇「アルプス席の母」
早見和真・著 / 小学館(2024)
こちら、先日「これよかったんですよ~」ととある先生からお勧めとリクエストをされて学校図書館に入れた本です。
2025年の本屋大賞で第二位をとった作品。このほか、第九位だった「死んだ山田と教室」のほうも一緒にお勧めされて入れております。そちらは未読ですので、またご紹介できる機会があれば。
さてさて。
もうタイトルと表紙イラストから内容の予想がつく本だとは思います。
野球をする息子を持ったお母さんが主人公のお話。しかも、少し前に夫を亡くしていて母子家庭の親子です。
秋山奈々子は、神奈川で一人息子である野球少年・航太郎を育てている看護師の女性。
航太郎は湘南のシニアリーグで才能を認められている少年で、関東のあちこちの高校からスカウトが来ています。
が、色々あって結局、大阪の新興校・希望学園に入学することを決めて……。
遠い地で寮生活をする息子と離れがたく、奈々子は自分も荷物をまとめて大阪へ引っ越すことを決意。
最初のうちは関東よりも「半歩近い」人間関係などに慣れなかった奈々子。希望学園野球部の父母会がやたらと厳しい掟に縛られていたり、保護者同士の関係もぎくしゃくとしんどいものだったりで疲弊していきますが……。
それでも「子どものため」と思って、理不尽なことにも忍耐し、歯を食いしばって様々な苦労を乗り越えようと奈々子さんは奮闘するのです。
いやもうね、なんといってもね、この親同士のあれこれやら、監督・コーチなどとの人間関係がリアルで読んでいて胸が痛くなります。いや正直気分も悪くなります(スミマセン)。
球児たちにも様々な苦労があるわけですが、それを裏で支える親御さんたちにもこんな山ほどのご苦労があるとは……。娘しか持たない(しかも完全に文系)親の私としては、こんな苦労は想像もつかないことでした。
出てくる監督や保護者の姿がまた妙にリアルなので、「これにはモデルがいるのかしら」と要らぬ想像をしてしまいました(笑)。
読後感は良い方だと思いますが、高校野球をテーマにした小説にしてはさわやかとは言い難いですかね……。
いまを生きる中学生が読むものとして考えると、かれらは「親ってこんなに苦労してるんだな」「もっと感謝しないといけないな」といった感想になりそう。
ということで、どちらかと言えば大人向けかもしれません。親目線で読むと感動的なシーンはたくさんあります。
もちろん中学生が読んでも構わない内容ではありますが、あまり「中学生向き」とは言えないかも……。苦労しながら頑張っている息子の航太郎くんは、まっすぐ応援できる人物造形だと思うのですが。
私個人の感想はこのような感じですが、どうぞ一読されてご検討ください。
それでは、今回はこのあたりで。





