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136 変わりゆく価値観に合わせる

 


 こんにちは。

 普段から少しずつおこなう業務ではありますが、私は新着図書があまりない時期、たとえば今のような年末には除籍作業や、バーコードのついていない本にバーコードをつけ新たに登録し直す作業などをよくやっております。

 バーコードのない本というのは、要するにバーコード導入以前に購入された比較的古い本で、装備もまともにされていないものが多いです。こうした本について、必要かそうでないかを判断したあと、あらためて書誌をデータベース化して背ラベルや所蔵印、ブックコーティングなどの装備も一緒に行います。


 この作業で、「やっぱりこの本は除籍かなあ……」と悩む本というのがいくつか出てくるということがしばしばあります。初版年はそんなに古くないものでも、特に、中身を少し読んでみて、「これはもう今の時代にはふさわしくないかも」だとか、「これは一般の図書館ならともかく学校図書館に置くのはあまりふさわしくないかも」と考えられる内容のものがあるのです。


 最近ですと、一見大丈夫そうでも中身で「中世期の貴族たちが乱交パーティをしていた」云々の記述がある本や、料理の本。

 乱交パーティのほうはともかく、「えっ、料理の本? なぜ?」と思われるかたも多いでしょう。

 具体的な本のタイトルはここではご紹介しませんが、たとえばこんな本がありました。


 一見して普通の料理本です。挿絵が豊富で、料理の作り方を丁寧にわかりやすくイラストで説明していて、小中学生でも料理をつくりやすい、確かに良い本です。

 ……でも、とひっかかるところがありましてね。


 イラストが豊富なので、その食事をどのように作っているか、また食べているかのイラストがあちこちに入っていたのですが。

 明らかに作ったり配膳したりしているのは女性(しかも主婦と見える人)ばかり。そしてテーブルについて食べているのは子どもたちと夫らしき男性……という図式ばかりだったわけです。


 うーん。

 これはもう、今の実情からは離れすぎていますね。一応、2000年以降の本ではあるのですが。今では日本も共働き家庭が普通になっており、男性が料理をする場面も増えてきています。もはや認識が古すぎる。男女両方ともが料理をし、どちらも対等に食卓についている絵ならよかったのですが。

 ほかにも新しい料理本はたくさん入っていますし、こちらは残念ですが除籍対象となってしまいました。気を付けて見てみますと、最近の料理本ではやはり「女性が料理、男性は食べる人」のような表現を使ったものはほとんど見られなくなっています。男の子でも手にとりやすい(と思われる)デザインになっている本も多くなってきています(とはいえやっぱり「かわいい感じ」のデザインの本が主流ではありますが)。時代の流れを感じます。


 このように、昔はそれが普通の考え方だったことも、今では価値観や状況が変化して実情に即していない内容になってしまった本というのがどうしてもあるものです。


 逆に、昔はほとんど書架になかったSDGsやエシカル消費の本、さらに性的マイノリティ、LGBTQに関する本、ネットトラブルに関する本などがかなり増えていたりもしますね。

 司書のみなさんであれば当然ご存じのことと思いますが、学校図書館も、生徒たちを取り巻く世間の状況に合わせてブラッシュアップしていく必要があるというお話でした。


 ではでは、今回はこのあたりで。


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― 新着の感想 ―
司書は 一度は就きたい職業に 考えた人多いかも たぶん、なろうユーザーなら尚更 ヨーロッパの歴史は 活版印刷技術あっての書物 無ければ、 中国の木簡や葉っぱに書くとか 活版印刷さまさまですからね m(…
更新ありがとうございます そんなことまで考えないといけないんですね びっくりしました
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