◆『済世の聖女』プロローグ◆
短めです!
◆◆◆
アトルヒ聖王国は、七つの大陸からなる世界の西端に位置する。
愛と豊穣の女神アグライアを信仰するこの国は、古くから""聖女""と呼ばれる存在を深く信仰していた。
魔法や魔力の多くは血統によって受け継がれ、古く建国期当初にその力を持っていたものたちの家門は繁栄し、現在では貴族となっている。
平民の大多数は魔力がない。
だが、貴族の血が混じる者たちにはその力が宿ることがある。それは自然の摂理だ。
だが《女神の力》と呼ばれる聖なる力はその多くが血統によらない。
奇跡のように国のどこかで聖女となる少女が生まれ、類稀なる力を有して民の前に現れる。
聖女が現れるとき、国の繁栄は確かに約束される。だからこそ、聖女の誕生は尊ばれ、国を挙げて慈しむ。
『この光は……?』
平民の少女であるセシリア・ジェニングは、十五歳の時に神の啓示を受けた。
突如として発現した柔らかな光は、今にも息絶えんとしていた子供の身体をキラキラと包み込む。
ぐったりと青ざめていた顔に生気が宿り、大怪我をしていた傷が塞がり、そうして、目を覚ました。
その力はまさに""聖女""と呼ぶに相応しい。
聖女誕生の一報はただちにアトルヒ聖王国の聖アグライア教会へと伝わる。それから、国にも。
『光魔法は稀有な力である。国のために貢献せよ』
その力を認めた国の使いに導かれ、セシリアは王都にあるサンクトゥス魔法学園に通うことになる。
そしてセシリアは、そこで出会う王子や貴族子息たちと親交を深め、愛を知ってゆく。
『セシリア。共に闘おう』
『はい。―――様……!』
『何人で来ようと同じことだ』
聖なる力をますます強めたセシリアは稀代の聖女となり、ヒーローと手を取り合って国に巣食う強大な敵と対峙するのだった――――――
__『済世の聖女』プロローグより
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