1.イソン少年の受難。
今回から、第1章。
短いっす! 申し訳ない!!
――数年前。
職探しをすることになる前のこと。
辺境の町に住んでいたボクが友人と遊んで帰宅したら、家のテーブルに一枚の紙があった。両親はどこにも見当たらず、首を傾げてそれを手に取ってみる。
そして目を通してみると、
「へ……?」
絶句した。
【イソンへ わたしとパパは、高飛びすることにしました(はぁと)
たくさん借金があるけどイソンなら、きっと大丈夫!
強く生きてねっ! ママより】
――なに、これ。
家に多額の借金があると分かったのは、このすぐ後のこと。
その日から、ボクの出稼ぎ生活が始まったのだった。
◆
「なるほど、キミがイソンか。娘が世話になったようだね」
「は、はいぃ……」
ティアの誘いを受けた翌日。
ボクは彼女の父――すなわち、リューデングラム伯爵と対面していた。
まだまだ若い印象を受ける美形な男性、レイス様はにこやかに笑うと何度か頷く。その上で、彼は少しだけ困ったように言うのだった。
「色々と奔放だが、元気で一途な子だからね。大変だろうが、よろしく頼むよ」
「わ、分かりました!」
こちらの返答に満足したのか、レイス様はまた頷いて笑う。
そして、ふと思い出したように……。
「ところで……」
「はい?」
「ティアとの挙式は、いつかな?」
「…………」
どうやら、ティアの性格は父親譲りらしい。
ひとまず一所懸命に誤解だと説明し、リューデングラム家での奉公は始まったのだった。
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