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4.就職先の決定。

ここまでがオープニング!

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「くそ、くそくそくそ!? どうして、俺様の攻撃が当たらねぇ!? ――いや、違う! おいガキ、お前のスキルはいったいなんなんだよ!!」




 ボクが男の攻撃を続けて回避すると、いよいよ焦り始めたらしい。

 相手は眉間に皺を寄せ、怒りと困惑を隠さずにそう言った。だけど、




「ボクにも分かりません!!」

「ふざけんなァ!?」




 その疑問に対し、正直に答える。

 そうすると男はブチ切れて、大きな声でそう叫んだ。

 そうなってくると、動きにも精細を欠き始める。ボクは自分でも意味が分からないまま、無我夢中に炎剣を振るって、男の分厚い胴に叩きつけた。

 何かしらの防具を陥没させるほどの一撃に、男の表情は苦悶に歪む。

 倒れ伏して、忌々しげにこちらを見上げてきた。



「畜生、この……!!」

「あの! 今日はこのくらいにした方が良いと思います!!」

「ふざけんなよ。こんな情けねぇ負け方して、帰れってのか……!?」

「えぇ……」



 それでも、何故か闘志は消えない男性。

 ボクの提案をも突っぱねて、そう言うのだった。



「でも、兄貴! コイツ、普通じゃねぇよ!!」

「逃げましょう!? このままじゃ、兄貴が死んじまう!!」



 だけど、震え上がったのは手下の男性たちだ。

 彼らは必死に男性を説得し、そしてようやく落ち着いたらしい。




「……おい、ガキ。お前の名前はなんだ」

「え、イソンですけど……」

「イソン、か」




 男性は静かにそう言うと、口元にニヤリと笑みを浮かべた。

 そして、





「俺様はガイスだ。憶えておけイソン、お前の首は――」





 こう、宣言する。





「このガイス様が、絶対に獲ってやるからなァ!?」――と。










「さすが師匠です!」

「いや、師匠じゃないけどね……?」




 戦闘を終えて、力なく公園の長椅子に腰かけていると。

 先ほどまでの緊迫感はどこへやら、ティアは嬉しそうに言うのだった。ひとまずツッコミを入れてから、ボクは大きく深呼吸を繰り返す。

 そして改めて、ティアの素性を訊ねるのだ。



「えっと、ティアは伯爵家の娘さん、なんだっけ……?」

「はい、そうです」

「どうして、命を狙われていたの?」

「分かりません。ただ、たしかなことがあります」

「たしかなこと……?」



 すると、どこか自信満々に彼女は言う。

 慎ましやかな胸を張って。




「師匠は、私の運命の人です!!」――と。




 何がどう、そうなるのだろうか。

 ボクはついつい冷めた視線をティアに送ってしまった。

 だがしかし、そのような反応は眼中にないのだろう。少女は言った。



「お願いします! きっと、これからも師匠のお力が必要になります!!」



 こちらの手を取り、真っすぐな眼差しを向けてくる。



「え、いや……」

「それに、たしか師匠にはお金が必要なのですよね?」

「どうしてそれを……」

「お父様に相談すればきっと、相応の報酬を用意してくださるかと」

「えっ!?」




 ボクはそこまで聞いて、目を丸くした。

 たしかに彼女の家は伯爵家であり、立派な貴族なのだろう。だとすれば、ティアの護衛などを引き受ければ、たしかな金額を稼ぐことができるはずだった。

 そこまで考え至って、ボクは――。




「どう、いたします……?」

「ぐぬぬ……」




 上目遣いにこちらを見る美少女の問いかけに、窮してしまった。

 そして、その結果は……。





「お世話に、なります……」

「やった!」






 こうして、ボクの新しい職場が決定。

 少女の無邪気な笑顔と共に、嵐のような出来事だった……。




 


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