もう一組の被害者
更に末広の話は続きました。
末広「今回に限らず、彼には余罪は複数あるわ。因みに蛇島から逃げ切ったのはあなた達で二組目よ」
逃げ切れたのは私達だけかと思ったら、他に逃げ切ったグループが居るというのです。私達と同じ恐ろしい体験をした人達が居るのです。お会いして少し話してみたい気持ちがありますが・・・・。
柴田「二組?・・・・ということは過去にあいつから逃げ切った人間がいるんですか?」
末広「居たわ。あなた達より少し年上の若い男女ペアだったんけど・・・・・でも後日蛇島によって殺された」
殺された・・・・・たとえその場を逃げ切れていても追いかけて来るのか・・・・・。
早川「・・・それじゃあ私達も狙われる?・・・・・」
末広「残念ながら・・・その可能性が極めて高い。一度追った獲物は必ず仕留めるという主義らしくてね。私はその被害者たちを救う事が出来なかった。でも今回は違うわ、必ず私達が守るからね」
リュウ「保障・・・してくれますか?」
末広「・・・・・・・・今調査中だから、何とも言えないけど、必ず足取りを掴むから」
早川「もぉ・・・・嫌だ・・・・」
修治「・・・・美恵、今日もし良かったら俺んち泊まってくれ。必ず守る。」
あまり信用できない警察の言葉に私達は言葉を失ってしまいました。これで蛇島がいつどこから再び襲って来るか分からない状況下である事が分かりました。
末広「貴方たちの家には警察を配備するよう手配しているから、安心して」
犠牲者の二の舞にならないように、精一杯のことを私達にしてくれているようです。しかし、何年も指名手配中の人間が直ぐに捕まる筈が無いので、これから本当に長い戦いになりそうです。
末広「次にあの自殺請負のサイトの事ね・・・・。本当にやっているとするとこれは自殺幇助罪に該当するのよ。立派な犯罪。」
柴田「・・・・どこから発信されているか分からないんですか?」
末広「実際にあのサイトに登録して発信源を調べたんだけどね、海外の様々なルーターを経由しているみたいで、警察側ではわからなかったのよ。」
修治「かなり・・・周到にやってるんだな・・・」
末広「あと実際に、捜査班を入れて蛇島をおびき寄せた。それでも奴は現れないのよ。かなり用心深いみたいでね」
ここまで話すと、あのホームページからでは足取りが全くつかめそうにない状態という事が分かりました。
リュウ「いや・・・・足取りならまだあるぞ・・・・・あの軽自動車の持ち主は?」
末広「あれは一枚目の写真の青年の名義だったわ。ナビの履歴も見たけど、飲食店や観光名所は登録されていたけど、犯行現場まではナビを使用せずに行っているわ。勿論蛇島や他の仲間を乗せて行く時もナビを使用していない。どこか近くで待ち合わせてる可能性があるけどね。ここでも蛇島の居場所が分からないようになってるわ」
あいつ・・・・そこまでして・・・・逃げ切ろうと・・・・・・・。
佐田「今日はみんなの話を聞くことと同時に、今後の注意喚起についてどうしても伝えたかった。軽率な行動は慎んで暫くの間は、くれぐれも気をつけて生活して欲しい。何かあれば警察に連絡が欲しい。近くに待機させてる刑事を現場急行させるからな。これは、私との約束だからな。」
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