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少数意見


柴田「はぁ?・・・俺が?・・・・・・変な事言ったっけ?・・・・」

乃蒼「なんか・・・・怖い事言って私達を脅かしているような・・・・」

柴田「いや、そう言われたらますますわからん・・・・」


 私も先程のリュウのように当日の記憶をたどります。旧トンネルで道が行き止まりになっていて、修治と音の正体とトンネル内部を確認する為に旧蛇頭ヶ丘トンネルの瓦礫の山に登った時のことです。なんとか登って更に匍匐前進ような状態で奥まで行って行き止まりだった・・・・その経験があったから、和歌と逃げる時に一時的な退避場所に使ったんだよなあの旧トンネルを・・・そして骨のようなものがあった・・・。

 そこまではいい・・・・いや違う!!そのもっと前だ・・・。一旦記憶を戻して・・・・修治と登って行き止まりで・・・行き止まりだったんだよ・・・・うん・・・それは間違いない・・・・・それでみんなに・・・・・・あっ!!!


 私は大変な事を思い出しました。


柴田「こ・・・こいつ居たんだ!!待っている和歌達と一緒に、近くに居たんだ!!」

早川「え!?柴田が何を言ってるのか、私さっぱりわからないけど・・・・・・」

柴田「分からないと思う、俺が言ってる事があり得なさ過ぎて、早川に聞こえてないんだよ」


 あの時の事を思い出していました。悪ふざけで修治と懐中電灯を持って登ったのです。

 その後みんなの方を振り返ったら・・・・・人が1人多かった・・・。なんて大事な事を忘れてしまっていたんだろう・・・。


修治「そうだ、確かお前言ったな?なんかだんだん思い出してきたぞ・・・・五人居るって、お前はそう言った。待っているのは四人の筈なのに・・・・」

 修治は髪を両手でかき上げて、思い出していました。確かにその時私は五人の人間の姿を見たのです。一人でトンネルに入ったのではなく、修治と私が二人でトンネルに入ったのであれば、トンネルの前で待っているのは和歌、リュウ、乃蒼、早川の四人の筈です。一人多いなんていう事はあり得ない。私は五人居るように見えたからみんなにそう言ったんです。みんなに怖い事を言うなと言われて、再度落ち着いて数え直したら四人になっていた。私が少し目を離した隙にもう一人はどこかに隠れたんだ。

 五人立っていたなんてことある筈が無いので私の言葉をみんなで軽視して、私の意見は反故にされたんです。そうだ・・・・そう言う事か・・・・。


 今考えれば全体的な配置も不自然だった。よくよくあの時を思い出してみると、一人だけ少し離れてハミゴみたいな状態だったような気がする。


 私は紙とペンを借りてトンネル前の地図を書きました・・・・・。


 怖いから・・・心霊スポットだから心理的には、ある程度みんな固まって集まっている状態の筈。トンネルのすぐ下にリュウと和歌が話している姿があった、その後ろ少し離れた所にポツンポツンと早川と乃蒼が近距離で並んで立ってた・・・そこから更に後ろ・・・・後ろだ!最後尾!そうだ、これがおかしい!これ以上後ろに人が居るって言うのは人数が合わない、あり得ない話なんだ。

 それに相手が五人以上居るなら話が上手く纏まるのです。亡くなった3人と、俺と和歌を追ってた太ってる奴で四人。リュウと乃蒼が森から逃げて私達を探している最中に見かけた人間と私がトンネルの上から見えた謎の人間、それらが同一人物であれば五人で全てが合致する。もしそれぞれの人間が違えば、・・・・最高で六人居たことになる。


 早川を襲った男もそいつに首を吊らされたと考えてみれば決して不自然じゃない。修治に木の棒で殴られて、瀕死の状態のまま匍匐前進で森の方向へ仮に行ったとしよう。そのリュウが見かけたっていう五人目の人物が予め所持していたロープで無理矢理首を吊らされた。元々自殺をしに来てるんだ、本当は自分で使う為に用意していた物なのかもしれない・・・そうかもしれないけど・・・・。これなら話が纏まるじゃないか。でも・・・どこから入って来た?・・・この五人目・・・・・。

 私は頭をフル回転させていました。


 最初から相手は四人であるという前提の中で話を進めていたからこういう事になったんです。自分が言った事を忘れていたというか、忘れたつもりはなかったのですが、本当の話だったのに勝手に自分で記憶に蓋をしてしまっていたんです。あり得ないから、そして全員に反故にされたから。そういう精神状態だったんだきっと。狭い場所に居たから・・・考える余裕が無かったのかもしれない・・・・あまり大きな声では言えないけどお酒も飲んでた・・・・。


 これについて皆はどう思うだろう・・・・・佐田さんはこれで最後の写真と言っていたけど・・・・・どうなんだろう・・・・。

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