頂上での出来事
佐田「柴田君にちょっと聞きたくてね、他の皆が曖昧な事を言ってる部分があったんだ。・・・・君が居た位置は頂上がこの手書きの地図だとするとこの辺りに居たんだよね?」
佐田はフリーハンドで書いた大まかな頂上の地図を私に見せてくれました。
柴田「・・・そう・・・ですね・・・・階段を背中にして正面側の崖向きに私と和歌は座って居ました」
佐田「あー、やっぱりこの辺りなんだね。それで修治君のグループとリュウ君のグループは頂上のどの辺りに居たのかな?」
柴田「修治と早川は階段を背中にして左側の位置です。少しだけ視野が開けて広くなっている場所ですね。草むらとかがある所です。リュウと乃蒼は階段を背中にして右側です、確か木がたくさんあった。森の方角ですね」
私は佐田の地図にそれぞれのグループの位置を書き加えました。更に岩場や木々、草むらといった情報を書き加えるようにしました。これで佐田さんは分かってくれるだろうか。
佐田「最初に柴田君が襲われた場所が大体この辺りの位置・・・・・・修治君が異変に気付いたのは・・・・多分この辺りに居たからなんだろうなぁ・・・・・」
佐田さんは独り言を言いながら地図に情報をドンドン書き込んでいきました。
私は母親からお茶を貰って、喉を潤しました。久々に話過ぎてのどがカラカラでした。
恐らく佐田さんは私の目が覚めるのを待っていたのです。このメンバーの中で実際私が一番動いているし、恐怖で目を塞いでいた事もあった和歌には分からない部分があると私は思っていました。
佐田「頂上での大体の位置関係は分かったよ。それじゃあ、それからどうなったのか教えてくれる?」
柴田「はい。一人の青年と取っ組み合いになった後、不意打ちでもう一人に切りつけられました。その後に修治が助けに来てくれて、私と和歌に周りに助けを呼ぶように言われたんです」
佐田「あっ位置的にではなくて、修治君が柴田君と和歌ちゃんに指示をだしたわけか。修治君は何故暗闇でみんな様々な場所に散り散りになっているのに、君の位置が分かったのかな?」
柴田「私が当日派手なシャツを着ていました。暗闇でも少し分かるような色のものでした」
もぉあまり思い出したくないですが、あまりほじくり返して欲しくないので、佐田さんが欲しい情報を淡々と答えていきます。
柴田「和歌と階段を降りている時に頂上側から太った青年に見つかってしまったんです。恐らく私のシャツが原因で・・・」
佐田「太った青年・・・・・」
佐田さんは特に私に話を聞きたかったそうです。佐田さんは何が言いたいのかはこの時まだ分かりませんでした。
みんなの代表で話しています。フェンスの外に出る方法を考えたのも私です。ここは責任感を持って対応しようと思っていました。
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