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悪魔の足音


 ガシ・・・ガシ・・・・

 ガシ・・・ガシ・・・・

 瓦礫を登ってくる音が近くまで聞こえてきました。

柴田 (・・・・・・・和歌・・・・・・)

和歌 (・・・・・・・えいちゃん・・・・・・)

柴田 (間違いない・・・・・あいつが来た・・・・)


 その音は太った青年が旧トンネルの瓦礫を登って来ている音でした。この瓦礫と天井との間の狭いスペースにの事を知っているのでしょうか。


柴田(・・・・・・どうしよう・・・・バレたら絶対に殺される・・・・)



太った青年「・・・・こんなきたねぇ所・・・・誰も入ってねぇよな、まさかとは思うけど・・・」

 太った青年は懐中電灯で私達が居るトンネル内を照らしました。奥まで入念にライトを照らす青年・・・・・。


 ・・・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・・



太った青年「・・・やっぱりいねぇか・・・・マジでどこに消えたんだあいつら・・・・・くっそ!!」

 青年は探しても探しても見つからない私達に対してかなり腹を立てています。この蛇頭ヶ丘を知り尽くしているんです。自信があったんです。なのでここを調べられるのも必然でしょう。

 怒りながらも再び瓦礫を降りていきました。



 トンネル入り口を囲んでいる淵のスペースにうつ伏せの状態で乗る事に成功しました。淵の上にレンガのような一部飛び出している出っ張りがあった為、それを二人でしっかり掴んで淵から落ちないように踏ん張っていました。和歌も私も痩せ型なのでこのスペースにギリギリ入り込むことが出来ました。

 もしもトンネルの上部をしっかりと懐中電灯で見られていたら見つかっている所でした。二人とも殺されている所でした。

柴田「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

和歌「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



柴田「そうか・・・・あいつ・・・この場所を知ってはいるけど、太っていて入れないのか・・・」

和歌「たとえ無理矢理入る事が出来てもここの中に長居したことがないから、この淵の存在に気付かなかったんだよ・・・・・助かった・・・・・」


 ホッと胸を撫でおろしました。


 しかし和歌はまだ何か考えているような表情で私を見ました。

 このままではいつか必ず見つかる。

 蛇頭ヶ丘に安息の場はない。

 そう思った私達はこの旧トンネル内から恐る恐る出る事を決意しました。

 私達がこの状況を打開しない限り、全員命の保証は無いのです。

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