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狂気


 和歌と草の音がする方を見ました。

和歌「何?・・・・」


 ガサガサ・・・・・


 ガサガサ!!・・・・



 なんと森の中から、フェンス前駐車場に停まっていた軽自動車内に居た男性がひょっこり出てきたのです。

 音の正体は先程の男性が草を掻き分けて登ってくる音でした。


青年「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・」


柴田「・・・・・え?・・・・・もしかして登って来られたんですか?あの山を?なんで?」

 あまりにも驚いてしまい、こちらから声をかけてしまいました。

 しかし、何か様子が先程と違っておかしいのです。なんだこの人は・・・・・。


青年「ぼ・・・・僕たちは・・・・」

 青年は私達に対して何かを言おうとしています。


柴田「な・・・何をしてるんですか?あなた達も俺達と同じで心霊スポット巡りの筈でしょう」

和歌「・・・・ねぇえいちゃん、この人誰?もしかして駐車場に停まってたあの車の人?様子がおかしいよ・・・」

 和歌が私の腕を掴む力が強くなります。


青年「ぼ・・・僕たちはねぇ!・・・・ここで死のうと思ってたんだよ!インターネットで知り合った仲間とさ!!ここに集合したんだ!!」

 私とリュウが勇気を出して話しかけた男達はなんと蛇頭ヶ丘での自殺志願者でした。話した時に何か嫌な予感がしたんです。「死」という言葉までの嫌な予感はその時はしませんでしたが、人間の何か嫌な予感、違和感というものは、やはりどこかで当たるものなのです。


柴田「じ・・・自殺?・・・・・どうやってですか。もしかして・・・ここから飛び降りる気ですか?やめた方がいいそんなこと!!」

青年「れ・・・練炭をちゃんと持ってきてんだよ!あの車の中で、4人で人生を終わらせようとしていた!・・・・していたのに!!」

 凄く苦しそうな顔をする青年・・・。

 軽自動車をフェンス奥のあんな見えにくい場所に停車させていた意味が少し分かりました。


和歌「何?・・・・・彼は本当に死のうとしてたの?インターネットで今日昨日会った見ず知らずの人間と一緒に死ぬってわけ?」

柴田「俺が話した時はそんなこれから死ぬとかそんな雰囲気ではなかった」


青年「いーやお前は間違ってる!!受け取り方を間違えてる!!俺達は死のうとした!・・・・でもそこでお前らが来たって言ってるだろうがぁ!!」

 鼓膜が破れるくらいの相当な大声で叫ぶ青年。

柴田「自殺に・・・・俺達が来たとか別に関係ないだろうが!!あんた何が言いたいのかさっぱりわかんねぇよ!!」


 あまりにも青年の言動の意味が分からないので、私も頭に来て直ぐに大声で言い返しました。もうなんだか怖いです。狂っています。はじめは自殺をここでしようとするなら止めようと思っていたけど、こんな変な奴自殺するならさっさとすればいい。山登りをして更にこんな暗闇の中から突然私達の前から現れて脅かしといて、一体何がしたいんだよこの人は。


青年「お・・・・女が居ただろ!!話してた時に降りて来たんだお前らの車の中から!!」

 早川のことか・・・・・確かに車から降りてたな・・・・。


青年「ほぉらぁ!お前の後ろにも女が居るじゃねぇか!!一体全員で何人居るんだよ!!」

柴田「はぁ?女?何故そんな事を教えないといけないんだ!頭おかしいんじゃないか!」


青年「お・・・俺達の共通点は童貞なんだ。・・・死ぬ前にお前らを殺して女を犯してから死ぬことに決めたんだ!!」

柴田「な・・・なんだって?・・・・正気かよ・・・・・」

 私の顔から汗が流れ落ちました。

青年「お前らが来るのが悪いんだ!!来なければ俺達はすんなり4人で死ぬことが出来たのに!お前らが女を連れて来るから!!絶対に女とお前らが悪いんだ!!俺達は何も!!・・・・・・・何も悪くないからなぁ!!!女!!・・・女をよこせえぇぇぇぇ!!!!!」


 怒鳴り声をあげ、青年は隠し持っていたナタを私達に向けて振り上げました。

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