残しておいて得な人間
顧問と体の関係が無くても・・・・充分大学行けるレベルなんじゃないか・・・・。
リュウはあの時の体育倉庫の出来事を思い出し、少し考え始めました。本当に下手であれば、インターハイを二年の時から出られるわけがない・・・・・・。
諦めちゃダメだ、和歌・・・・・。
和歌「褒めて頂いているようで、非常に嬉しい部分もあり懐かしさもありますが・・・・。私は先輩の実力でインターハイに出場したまでです。時に伏兵的な活躍もあったかもしれませんが、最優秀選手も一回きりだし、所詮そのような一発屋のままでは恐らくこれから長続きしません。その頃が自分のピークだったんです。長い緊張感に耐えられていないから、その後低迷するんです」
教頭「スポーツ選手としては、もう伸びないかもしれない・・・そういう事ですか?」
和歌「はい。私は選手としては早熟すぎて、学生という環境ではもう伸びないような気がしています。なので、声を掛けられた実業団に入り、自分を新しい環境に置いて磨く予定にしています。これはまだ顧問やコーチにまだ相談をしていなくて、これから相談する予定です」
教頭「社会人か・・・・まぁそれも一つの道でしょう」
ここで担任のるみ先生が、割って入ります。
るみ「・・・・大学卒の資格は要らない?バドミントンがもし万が一無くなっても、大学卒であれば貴方の就職先に幅が広がると思うんだけど・・・。実際私もそうだし」
教頭「城山先生。彼女なら、声がかかればどこでもやれますよ。一度積み上げた実績は、故障と本人の心に驕りがなければ決して裏切らない。うちの生徒で、元々インターハイに出場するレベルの選手です。彼女ならそのような肩書きは関係ないでしょう。彼女は自分の事がよく分かっているような気がするんです」
和歌「・・・・・・・・・」
教頭はスポーツで華々しい実績を出している和歌に対して、これからもかなりの期待を寄せていました。出来る事ならこのままわが校を卒業して欲しい。
そういう気持ちが少し伺えました。
キャプテンの座はこれで無くなってしまいますが、試合をするプレイヤーであることには変わりは無いのです。
重要な役割を担っている役員の息子である修治・・・・・・・。
そして部活で実績をあげ、龍ヶ丘学校を全国へ宣伝した和歌・・・・・・・・。
ここまでの二人は、何かしら学校に対してのプラスがあります。
しかし、ここからの二人・・・・・。
リュウ、そして乃蒼・・・・・・。
果たして彼らにはどのような決断を迫られるのでしょうか・・・・・。
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