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第41話 ネ30と試作戦闘機「魁」

ようやくジェット戦闘機の話になってきました。

 ネ1とネ2による試作ジェットエンジン開発は問題なく終了し(いや、問題をいくつも見つけられたという意味で”問題なく”なのだけれど)、実用版のネ10、ネ20の開発に入る。

しかし、途中でブレードと燃焼室をセラミックコーティングしたものが出来上がり、それを使用したネ30の開発に移行した。ネ10、20だと連続稼働が2、30時間なので、実用版といっても飛ぶたびに部品交換という感じだから助かったけど。


 ネ30はネ20の1.5倍の出力と150時間の連続燃焼が可能になった。いよいよ実機運用に耐えられそうなものになったかと思うと感慨も無量だ。約束通り空技廠で諸元の測定を行う。


全長:2500mm

直径:590mm

重量:420kg

回転数:11000rpm

推力:705kg


馬力換算すると大体1500~2000馬力くらいだ。幅がだいぶあるのは換算式の条件で値が全然変わってしまうため……ざっくりと『誉』くらい? でもレシプロエンジンと同じくらいではジェットにする意味がないとも言える。重さが随分軽いのは耐熱軽合金+セラミックコーティングで作られているためだ。しかし軽い分は燃費の悪さによる燃料搭載量の増加ですべて持っていかれる感じ……いや、それでも足りないな。


◇     ◇     ◇     ◇     ◇


 さて、エンジンは出来たのだが、あいかわらず機体選定が難航している。ネ30は単発だとやや出力が弱いのと、エンジントラブルの際の安全性を考えて双発にするのが良さそうに思える。こうなると史実と同様にMe262、あるいは日本だと橘花、火龍のような形になりそうだ。


 とは言いつつ、例によってジェットエンジンの機体を設計するチームがないので、唯一自由にできる鶴野っち(笑。もういちいち説明しない。年下は基本、◯◯っちだ)に『ジェット戦闘機を設計してみるか』と言ったところ、一も二もなく『やります!』と言ってきた。そして出来上がってきた図面を見てオレは頭を抱えた。


 ……そりゃあ、前にエンテ型の機体設計図を見せたけどさ。ジェット機はエンテ型じゃないとダメって思ってないかキミ。彼が書いてきたのは震電を双発化して胴体両脇の主翼上に載せたカタチになった(オレが震電の設計では脚が長すぎると言い過ぎたためか、吊り下げ型は避けたようだ)。当然機体後部にはエンジンがない、というか尾翼すらなく普通に絞り込まれてるだけだ。垂直尾翼はオリジナルの震電っぽく両主翼、エンジンの近くに2つに分かれて付いている。ノーズが若干短くなり前方視界はよさそうになった……機体としては洗練されていてむしろ小回りがききそうなところが逆にイラっとくる。空技廠の知り合いの機体設計担当者に見てもらったところ悪くないらしい……結局、その担当の設計グループの所で世話になりながら、鶴野っちはモックアップ作成に進むことになった。


 ということで機体名を付ける。震電ベースとはいえ、双発ジェットになって随分印象が違うので新しい名前にしたい……『(さきがけ)』なんてどうだろう? ジェット戦闘機のまさに先駆けなのでぴったりだ。この機体は、種類としては制空戦闘機かな。まあ制空と言っても特に何かあるわけではなく、純粋に敵の戦闘機と戦う戦闘機といった意味だけだけど。分類的には乙戦(局地戦)だが、これも別に要撃特化というわけではない。エンジンの特性的に加減速が得意でないのと、燃費が良くなくて長時間は飛べないので、戦場の近くで飛び立ち、一撃離脱戦法で戦うという意味で局地戦という分類になった。


 本当はターボプロップにした方が燃費改善ができるのだろうが、このエンジンではまだそこまで到達していない。ネ50は大口径化してターボプロップにする計画だ。しかし空冷レシプロエンジンではなくなったので機首に大型機銃を装備することが出来るのは大きな利点だ。


 史実のように戦争末期の物資が欠乏した状況ではないのでエンジン機材のトラブルが少ないのは助かった。そして何よりのウリが最高速度。12000mで800km/hを超える計算値は、さすがジェット戦闘機で、この時代の機体では飛び抜けている。

 普通、30km/hの速度差があると戦闘機同士の戦闘性能はかなり有利になると言われているが、この機体は同時代の戦闘機の100km/h以上、高速機でなければ200km/hくらい差がある。あまりに差があって逆に戦いづらいくらいだ(最高速度を出さなければよいのだが、エンジンの特性で一度減速すると、また速度を上げるまでに時間がかかる。それでも双発なのでまだマシな加速性能になるはずだけど)


 まだ誘導噴進弾は出来ていないが、近接信管は何とかなりそうなので最初はMe262と同じように誘導なしのロケット弾装備かな……夢はいろいろ広がるが、まだモックも出来ていないので先は長そうけど、がんばれ鶴野っち! 任せたぞ。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 千百回転でその推力出すとかバケモノやろ。 一万一千までシッカリ回さんとダメなハチロクとはワケが違うな。
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