表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/12

冬の贈り物

 (ふゆ)(あさ)、リリは(まど)(そと)()て、(ゆき)一面(いちめん)()もる景色(けしき)(いき)をのんだ。

 世界(せかい)()(しろ)で、(ひかり)(ゆき)結晶(けっしょう)反射(はんしゃ)して無数(むすう)(ちい)さな(ひかり)(つぶ)()()している。


「リリ、()て……(ぼく)魔法(まほう)

 (ちい)さな(こえ)(みみ)(とど)き、リリは()()くと、(ゆき)妖精(ようせい)のキラが()のひらに(ちい)さな(ひかり)(たま)()かべていた。

 (たま)(あお)金色(きんいろ)(かがや)き、(ゆき)(ひかり)()ざり()って幻想的(げんそうてき)()れる。


「わぁ……キラ、それ魔法(まほう)なの?」

「うん、リリにだけ()せる秘密(ひみつ)魔法(まほう)だよ」

 リリは(むね)をドキドキさせながら()()ばすと、(ひかり)(たま)(やわ)かく(まわ)り、リリの()のひらにふんわりと()りてきた。

 ()のひらに()れた瞬間(しゅんかん)、リリの(むね)(あたた)かくなり、(つめ)たい(ふゆ)(あさ)空気(くうき)がまるで(はる)(ひかり)()わったように感じられた。

 (ちい)魔法(まほう)(ひかり)だけでなく、(こころ)(あたた)かくする(ちから)()っていた。


「リリ、(うれ)しい? この魔法(まほう)(きみ)(こころ)温度(おんど)(うつ)すんだ」

「え……(こころ)温度(おんど)?」

 リリは()のひらの(ひかり)()つめながら、(ちい)(うなず)いた。

 (こころ)がじんわりと(あたた)かくなる感覚(かんかく)(からだ)(じゅう)(ひろ)がった。

 キラはにっこり(わら)い、(ひかり)(たま)をくるくる(まわ)した。

 (たま)(あお)から金色(きんいろ)変化(へんか)し、(ゆき)(しろ)()()いながら、まるで(ちい)さな(ほし)()らしたようにきらめいた。


「リリ、魔法(まほう)特別(とくべつ)じゃなくて、(こころ)大事(だいじ)にする気持(きも)ちから()まれるんだよ」

(こころ)…」

 リリはそっと(いき)()き、(むね)(おく)(あたた)かい(ひかり)(なが)れるのを感じた。

 (ゆき)(つめ)たさが(とお)く感じられ、(ひかり)(こころ)(ぬく)もりが世界(せかい)(つつ)む。

 二人(ふたり)(ゆき)(うえ)(こし)()ろした。

 (ゆき)(みみ)()すように(つめ)たいけれど、(ひかり)(たま)(こころ)(ぬく)もりで、まるで(あたた)かい毛布(もうふ)(つつ)まれたように感じた。


「キラ、この魔法(まほう)…ずっとかん)じていたい」

「うん、リリ。だからこの(ひかり)(きみ)(おく)ったんだよ」

 リリは(ひかり)(たま)(むね)()き、じっと()つめた。(こころ)(おく)がじんわり(あたた)かく、(やさ)しい気持(きも)ちで()たされる。

 (そと)(ゆき)(しず)かに()(つづ)け、(もり)(しろ)静寂(せいじゃく)(つつ)まれていた。(ひかり)(たま)(ゆき)(うえ)(ちい)さな(かげ)()とし、まるで(ゆき)(なか)(ちい)さな(ほし)()かんでいるようだった。


「リリ、魔法(まほう)(きみ)(こころ)一緒(いっしょ)成長(せいちょう)するんだよ」

「うん……(わたし)も、もっと(こころ)大事(だいじ)にするね」

 リリは(ゆき)()()き、(ひかり)(たま)(こころ)(ぬく)もりを感じながら、(ゆき)(あさ)(しず)かに楽し(たの)んだ。


 キラの魔法(まほう)(ちい)さくても、(おお)きな(やさ)しさと(ぬく)もりを届けてくれる、(ふゆ)だけの特別(とくべつ)(おく)(もの)だった。

 (ひかり)はゆっくりと()れ、(ゆき)()()り、二人(ふたり)(こころ)はそっと()()った。

 (つめ)たい(ふゆ)(あさ)でも、(こころ)(なか)(ひかり)()ち、あたたかく(かがや)いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ