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92話「皇帝の容赦なき粛清! 魔海滅亡!!」

挿絵(By みてみん)


「……我に刃向かうことの愚かさを後悔するがよい!」


 魔海王ラジクの周囲に、なんと大きな水玉が数百と浮かぶ。その一つ一つはただの水玉ではない。

 マッハの速度で高速回転する水玉なのだ。ギュイイイイイ……耳障りに鳴り響く。


「ホエール・ジェノサイドボーリング!!」


 撃ち出された螺旋水玉が地上を抉り穿つ! 絨毯爆撃とばかりに地上を抉り尽くしていく。

 大気の震えと共に、地表は無数の渦潮に掻き乱されるように穿たれていく。

 その無数の渦はやがて大きな竜巻へと変貌し、天と地を繋ぐ。

 周囲に螺旋状の余波が数百キロ範囲に荒れ狂いあらゆる全てを吹き飛ばしていく。


「ぎゃああああああ!!」

「ぐわああああああ!!」

「あばばばばばばばばば!!」


 その甚大な余波により、城下町の十万人もの大勢の魔鱗族(マリンぞく)やモンスターは一瞬にしてチリとなった。


「時空間魔法! 【皇帝竜の盾】を発動だ!!」


 なんとアクラスは時空間カードをかざし、眼前に漆黒の竜を模した巨大な盾をかざしてノーダメージに抑えたぞ!


「ぐっ! 手札にあったのか!?」

「自分の手下を自ら滅ぼすとはな。冷たい奴だぞ」


 余裕綽々なアクラス。


「フ、フン! 弱い奴が束になろうが我にとってはゴミよ……」フハハ!

「……魔王だけあって非情なのだなぞ」


 アクラスの口元の笑みが消える。が、それ以上にガンマ皇帝が唸り出す。


「お前は……本気で言っているのか?」


 なんか親父さんメラメラしてる気がする。


「なんだ? 我の手下なのだからどう扱おうと勝手だろう」

「許さんぞ……!」

「は?」

「我には家族がいるぞ……。愛する妻と我が息子達。そして帝国の民。その絆を大切にしてこそかけがえのない宝物ができるのだぞ! 貴様にはその価値が分かるまい!」カッ!


 なぜか憤るガンマ皇帝を、魔王ラジクは一笑する。


「フッ、おかしな事を言う……(別の意味で)」

「貴様が屠ったモンスターの悲しみと怒りの無念を思い知らせてやろうぞ」グヌヌ!

「いやいや、お前むしろこちら側っしょ? なんで怒ってんの!? ついさっき、終焉を呼ぶ“カラミティ・エンド・ガンマ・エンペラードラゴン”とか魔王らしい事言ってなかった!?」

「うるさい黙れいっ!!」


 プンスカ怒るガンマ皇帝。


「親父……あのさぁ……」


 魔王ラジクは焦りながらもガンマ皇帝を排すべき立ち向かう。


「くっ、ならば魔海を支配する我の恐ろしさを思い知らさせてやる! そして奈落の底まで深く絶望するがよい! 我の第二の効果「まおうはなかまをよんだ」を発動だ!!」


 一〇の暗黒の渦から、それぞれ巨大なサメが一気に召喚された。

 しかもそれぞれがオーラを纏っていて高い戦闘力を誇り、一匹だけでも人間の国を一つ滅ぼせる力を誇る。

 それが一気に増えて、魔王の陣営は強力な布陣となった!


「クジジジ……、貴様らを殲滅させてやろう!」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………!!


 巨大なサメが一〇体、そして超巨大なクジラ、その光景は圧巻で恐怖すら覚える。

 が、アクラスは「ククク……」と凶悪に笑んだ。


「行くぞ親父! “カラミティ・エンド・ガンマ・エンペラードラゴン”の効果を発動! やつらを焼き払え!!」

「オッケー!」


 アクラスに応え、ガンマ皇帝は巨大な漆黒竜となって恐るべき威圧を撒き散らす。


「ワールド・ジ・エンド・カタストロフ!!!!」


 上空に灼熱の黒炎の渦が拡大し、その下に存在する魔海王ラジクへと巨大な漆黒の火柱が下降して海底もろとも灼熱地獄に埋めた。


「クジャアアアアアアアア!!!!」


 巨大サメの群れもろとも海魔王は灼熱に焦がされて、断末魔を叫びあげた。

 あの超巨大な力を持った魔王ですら、皇帝竜を前に終焉の焔に焼かれて朽ちていくのみ……。


「魔海王ラジク撃破!! ぐわははははは!!」


 ラジクの亡骸ごと轟々と燃え盛る灼熱地獄を前に、アクラスは哄笑した。

 そんな圧倒的な力によって魔海をただの海に変えた。


「これで世界は平和になったであろうぞ……!」

「親父、これじゃ終焉の皇帝じゃなくて勇者のセリフじゃん」


 的確に突っ込まれたのか、黒頭蓋骨は黙り込んだ。


 そういえば、親父って思い返してみれば魔王っぽい見た目と能力だなぞ。

 今まで父親とはそう言うもんだと思ってたが、違うのかな?

 厨二病言ってるからそれっぽいけど、着ぐるみとかじゃないよな?


 フツーに面倒見のいい親父としか見えねぇけど、若い頃はどうだったんだぞ?



「さて、約束の日に遅れると行けないから時空間魔法いくぞ! “深淵道(アビゲトス)”」

 黒頭蓋骨を中心にズズズズ……ッと黒い渦を発生させ、アクラスとガンマ皇帝を螺旋状に歪ませて呑み込む。その後シュンと収縮して消えたぞ……。


 ズズズズ……、ある地点で黒い渦が発生。

 その中から、黒頭蓋骨とアクラスは螺旋の流れに沿って綺麗に地に降り立った。

 そして眼前にサンライト王国の門前が視界に入った。


「……さすがは親父だぞ。サンライト王国は目と鼻の先だぞ」

「ククク……!」


 なんとナッセの親父だけあって、時空間魔法で魔海からサンライト王国眼前にワープしたぞ!

 早くも決戦かッッ!? もはや避けられないのか!?

あとがき


 実はガンマ皇帝の『深淵道(アビゲトス)』と、ヤマミの『漆黒花舞(ブラフラ)』と、ナッセの『空裂転移(ディバイド)』は効果が一緒です。

 遠くまで一瞬に転移できる&自分の独自の亜空間って効果。

 独自の亜空間は、それぞれ自分の空間なので互い交わったりはしません。


 各々、名前が違うのは自分の亜空間を持ってるから区別してるんですよね。

 遠くまで空間転移できるのは共通ですが。

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