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76話「コンドリオンの時空間魔法!」

挿絵(By みてみん)


 鳳凰ニメアを前に、妖精王ナッセも闘将フクダリウスも倒されて王国滅亡の危機になっていた。

 しかしコンドリオンが毅然と立ち向かおうとしている。


「あの時のような悪夢にはさせませんよ!」

「へぇ~?」


 ドンイ人が生き残っているのは聞いてたが、まさか立ち向かってくるとは思ってなかった。

 二メアは興味津々と見下ろしたままだ。

 どうせ何をやっても勝ちは揺るがない。ムダな悪あがきして勝手に堕ちていくのを想像して愉悦に笑う。


「生き残りのアンタを、どう料理してやろうかねぇ~?」


 化物クラスのニメアの威圧にコンドリオンは息を呑む。

 実は三体融合してドラガオンになる際に、(ゾォ)に変態する能力を失ってしまった。

 今のコンドリオンは普通に剣が強いだけの男だ。だから!


「……これを発動します!」


 コンドリオンはカードを取り出し、かざして輝かせた。

 前にノーヴェンに頼んで作ってもらったのだ。時空間迷宮で見つけた『異世界のもう一人の可能性』の資料を元に、カード化されたもの。

 これは別世界の自分を再現するらしい。


 ノーヴェンは「たぶん一回しか使えまセーン」とか言っていた。

 発動されたカードは確かに粉々に砕けていく。

 そしてコンドリオンの足元に魔法陣が生成されて輝き出す。光の帯が高く伸びていった。


「おほほほほほ! だからってなに? この魔獣王に勝てるわけないでしょ~」


 舐めプか、二メアは鳥人間に縮んで、コンドリオンの前に立つ。

 すると俯いていたコンドリオンは「万覇羅(マハーラ)」と呟く。

 たちまち全身の血管が赤く浮かびドクンドクン脈動を鳴らせ、徐々に湯気が吹き出ていく。周囲へ煙幕の渦が吹き荒れる。威圧混じりにシュボボボボボと噴出音のように鳴り響いてきた。

 そしてボサボサだったの黒髪がやや逆立ち、表情も男前になっているぞ。


「……僕は()()()()の戦士です!」


 ニメアは「はぁ?」と怪訝そうに顔を突き出す。


「行くぞァ~~~~!! (ゾォ)ァ“超速ェ”長鼻拳(ノォーズパンチ)!!」


 まるで大砲でも撃ったかのように、象の鼻が超高速でニメアの腹を穿った。

 さすがのニメアも屈み込み白目で「ぎっ!」と呻く。

 反撃の爪撃を繰り出すが、コンドリオンは瞬間移動のようにフッとニメアの脇下へ潜り込んでいた。超速ェ!


(ゾォ)ァ“超速ェ”前足拳(フォーフットパンチ)!!」


 ゼロ距離で象の前足による超高速打撃がニメアの脇腹へドゴォンと炸裂。ニメアはたまらず「ぎはっ!」と吐血。

 吹っ飛ばされたニメアは壁を次々突き抜けて、最後に煙幕を噴き上げた。


「す……すごっ!」

「そんな力が……?」


 リョーコとナッセはそんなコンドリオンに驚いていた。

 これまでの(ゾォ)変態とはレベルが違う。洗練された戦闘力を持ち、体の構造もなぜか違う。

 ドンイ人ではなく、インド人らしい。そしてインド人は()木星人だ。

 だからこそインド特有の特殊体質で身体能力が飛躍的にアップしたんだ。


「まさか! また時空間魔法を……!?」


 ナッセは頭が痛くなったが、さっきまで考えずに突っ込んでいた失態を思い返して「人の事は言えない」と首を振る。

 ともあれ、時空間魔法には途方もない可能性があるらしいな。


「いい気にならないでよおおおおおッ!!! ぶっ殺す!!」


 しかし激昂してか再び鳳凰へと巨大化して「グオオオオオ!!」と咆哮を響かせた。

 それでもコンドリオンはニッと笑う。


「では僕も本気で行きます! 万覇羅弐(マハーラドゥイッテ)!!!」

「!!!?」


 ズアッと莫大な威圧が膨れ上がってドドドドドドドドドドドドドドと振動音が響き渡る。

 さしものニメアも「なに……これ……!?」と目を丸くしていく。

 ズン、と太い象の足が地面を穿つ。


 コンドリオンの前腕とスネが象の大きな足。頭には王冠をかぶった象の頭をかぶりものに、顔面には紋様が走っている。背中には象の大きな耳が翼のように広がっている。

 しかもカレー色の象。

 シュゴゴゴゴゴ、とカレー色の激流が周囲を荒れ狂う。


華霊印度神象(カレーインドシンゾォ)コンドリオンッ!!」


 驚いていたニメアは冷静さを取り戻す。

 相手の悪いところを見つけては嘲笑うニメアだから「なに象ってダサダサじゃ~ん! カッコイイと思ってる頭が沸いてるわ~」とバカにしてくる。


「行きます! 神象(シンゾォ)ァ“異次元”長鼻拳(ノォーズパンチ)!!!」


 頭の被り物の象から鼻が超高速でドキュンと撃ち出されたァ!!

 しかしニメアは見切っていて巨体ながら飛び上がってやり過ごす。だが、別方向から象鼻が飛んできた。

 それでもニメアは「舐めんないでよね!」と身を翻してかわす。

 が、反対方向から象鼻が飛んできてニメアの頭をドゴォンと殴った。


「ぎあ……ッ!?」


 ニメアは信じられない顔で吹っ飛び、建物に衝突。破片が四散する。


「王子……? 攻撃を瞬間移動させたのか……?」


 フクダリウスは目を疑う。コンドリオンの放った攻撃は瞬間移動したかのように見えた。

 かわしたと思えば、別方向へワープしている。象の鼻みたいに伸ばして曲げての攻撃ではない。


「今度はこれで行きます! 神象(シンゾォ)ァ“異次元”前足連拳(フォーフットラッシュ)ッ!!!」


 両腕の太い象の前足で超高速連射。

 無数の象前足が弾幕で迫るが、ニメアは軽やかに飛び舞って完全回避。しかし、今度は四方八方から象前足が殺到。

 まただ! ワープしてきたの!! 一体なんなのッ!?


「あ……! あの前足に小さな象の耳がパタパタ羽ばたいて見える!?」


 そう、コンドリオンは神象(シンゾォ)の耳を高速で羽ばたかせて時空間移動できる。それの応用。

 部分的に時空間転移させる事で、回避されようとも絶対当てられる。

 それこそが別世界のコンドリオンの特殊能力らしい。


 ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァ!!!


 回避しきれず、ニメアは全身に打撃の嵐を浴び、意識が飛びそうに白目で吐血ァ。


神象(シンゾォ)ァ“異次元”双頭突き拳ダブルベッドバッドパンチッ!!!」


 両手を上下合わせてからの象頭拳。しかも時空間転移でゼロ距離にも等しい超強力な一撃。

 それは狙い違わずニメアの腹を強烈に穿つ。ドゴォン!


「ギブアッ!!」


 ニメアたまらず白目で吐血。

あとがき


 唐突ですみませんw 同じシリーズの【小話編】から持ってきましたw

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