61話「究極の手! 三体融合!!」
コンドリオンも頭を抱えるほど、ドラゴリラは致命傷を受けて血まみれのまま落下。
だが、ドラゴリラは難なく立ち上がっていた。
服だけ破けてて、鮮血を散らすほどの裂傷は幻のように消えていた。竜さんは見開く。
「なっ!? なぜ……??」
するとドラゴリラの背中から、麺の絵が書かれたカードが抜け出て砕け散った。
「────時空間魔法を発動させたんや」
「何!?」
見開く竜さんこと巨竜。ドラゴリラはニヤッと笑む。
「ラーメンを食った一定量の麺を媒介に時空間カードを体内で生成するんや。その状態で致命傷を負うと、ワイの中から時空間カードを除外する事で、致死前の状態に巻き戻すんや」
「そんなインテリな時空間魔法が貴様にあったとは……!!」
「せや! ノーヴェンに頼んで時空間魔法を施してもらったんや。制約多いやけどなー」
まさかドラゴリラにそんな時空間魔法があるとは、竜さんには想像だにできなかった。
誓約と制約の内容としてはラーメンの麺のみに限り、そしてその量がスープ含むラーメン五杯分、時空間カードの持続時間は一日分、累積は一枚まで(つーかこれが限界)、と多い。
しかし、竜さんは笑みを浮かべていく。
「だが麺カードを除外できない以上、もう致命傷を逃れられんし、また攻撃力が上がったわけじゃない!」
「ぐぐっ……、た、確かに……その通りや……」
「……貴様らに勝ち目はゼロだ! さっさと降参しな!!」バン!
悔しがるドラゴリラに、竜さんは脅す。
「何気なくカードゲームみたいなルールをリアルに混合しているのもどうかと思う」
コンドリオンがボソッと突っ込むが、誰も気にしない。
ドラゴリラはオウガに駆け寄る。首に手を当てている。まだ微かに息はあるようだ。
だが超高齢と瀕死で息絶えるのも時間の問題だ。
「ムダだ、負け犬はそっと死なせてやれ。ワハハハハ!!」
キッとドラゴリラは振り向く。そして震える手でポケットからカードを出す。
見開く竜さん。
【融合体】
そう、イラストは二つのモンスターが青い渦に巻き込まれている。この効果は二体以上のモンスターを融合させて一体の強力なモンスターに身を変える。
「お、おい……!? ドラゴリラさん、マジなんですか!? ってかこの戦いカードゲームなんですか?」
「これもノーヴェンが開発してた時空間カードや。絶対使うな言われてたやけど、こっそりくすねたんや」
「ええ……。勝手にスッていいんですか……?」
コンドリオンは戸惑う。だがドラゴリラは真剣な表情で目合わせする。息を飲む。
今更それを取り出したって事は、使えば二度と元に戻らないという制約を覚悟したのだろう。
「さ、させるか!! 借金を帳消しする為に────」
「もう遅いわ! 【融合体】を発動やああああ!!!」
巨竜が駆け出し地面を揺るがした。だがドラゴリラのかざした【融合体】カードが光り始めた。
「えっ!?」
なぜか引っ張られるコンドリオンは驚いた。
急にドラゴリラとオウガと何かが磁石のようにくっつきあい、閃光が溢れ出す。
「よっしゃ────!!!」
なんとオウガとドラゴリラを混ぜたような風貌だが、肌黒いイケメンの人間がファイティングポーズを取った。
「オウガとドラゴリラで、オウゴリラってとこかな」
竜さんは見開いた。この場に自分とその一人の人間のみ存在する事になったのだ。
まさか融合に踏み切るとは想像だにしなかった。
「くそ……、まさか三体融合とは…………!」
「えっ!?」
オウゴリラは素っ頓狂な顔になる。
気付けば手を見ると肌黒い。意識にコンドリオンがいる……。しまった! 巻き込んだ!!
「どうしてくれるんですかっ!」
意識の空間で、三人は向かい合っていた。
ドラゴリラ、オウガ、コンドリオン。
彼らは一つの体に三つの魂として同居していた。
「すんまへん。勝手に融合してもうて」
「全くですよ! ああ、もう! 元に戻れないじゃないですか!!」
一三〇代オウガはゆっくりと目を開けた。
「……いや、こちらこそ済まない。本来なら死んでた。あの竜さんは本当に糞強い。ドラゴンを相手では絶対勝てない」
「せやな……」
徐々に三人の間が縮まって行く。
「できればドンイ王子として国を再起していきたかったんですがね……。もういいや」
三人が縮まるにつれ、その身から後方に高齢、ゴリラ、象の影が抜け出て霧散。
これから新たな一つの魂に生まれ変わるのだ。
故に、別々の三人だった頃の状態はリセットされた。
そして代わりに巨大な竜の影が浮かび上がり、三人を見守っているようだ。
「これからは……一緒…………だぜ」
「せやな」
「ったく」
安らかな笑顔のオウガを筆頭に、満面の笑顔のドラゴリラ、観念した笑顔のコンドリオン、その三人は重なっていった。そして閃光が溢れる。
現世にて地面が揺らぐ、その凄まじき挙動の原因は、一人の人間が起こしていた。
これこそがオウガ、ドラゴリラ、コンドリオンが一体化して顕現せし者。
「グオオオオオオォォォォ!! ドラガオンやがぜッ!!」
周囲に旋風が巻き起きて、噴火のような莫大なオーラが噴き上げられる。
その立ち昇ったオーラが巨竜の形を取った。恐ろしき威圧が辺りを圧する。
ゾクッ、竜さんこと巨竜は見開き、寒気に身が震えた。
「ド……ドラゴン……フォー……ス!!!?」
馬鹿な……、信じられない!!? まだ……あいつらのレベルでは無理のはず…………?
憤怒の表情のドラガオン。そして周囲に絶えない怒涛のオーラが荒ぶる。
あとがき
うわ〜! サンライトセブンが、一気にサンライトファイブになったよ〜!




