表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/100

53話「ドラゴリラ“宝具”獲得!」

挿絵(By みてみん)


 ナッセは座禅を組んでいた。口元がムズムズ動く。


「これ! ジッとして精神世界と同調するのだ〜」


 同じ座禅を組むオオバ。周りに龍人たちが座禅を組んでいた。あまりにも動かないので彫刻像かと間違えそうになる。

 他にも龍人がいたのも驚いたが、毎日これをしてたと思うと……。


「ひぃ……、動かないってシンど……」


 リョーコもしばらく一緒に座禅していたが、数分で「つまんなーい」とあぐらを解いた。

 ナッセは「えっ? もう行くの……?」とオロオロ。

 しかしリョーコは「うん。がんばってね……」と気まずそうに去ってしまう。ナッセの残念そうな深ーいため息が聞こえる気がする。はあああぁぁぁ……。



 卵に抱きついて温めているオウガとドラゴリラ。数時間もじっとそのままだ。

 モリッカとノーヴェンは龍人の図書館で古代書をしげしげと読み耽っていた。


「それにしても見たことない本ばかりですね」

「デスネ」


 リョーコも本をピラッとめくるが、難しすぎてちんぷんかんぷんだ。



 フクダリウスとコンドリオンは得物を振るって、数時間も手合わせしていた。

 幾度なく斧と剣が爆ぜ合う。目にも映らぬほど速度は上がっていく。二人は才があった。秒間に数十発も繰り出せるほどに上達はしていった。

 リョーコもたまに混じって手合わせしたりして腕をグンと上げた。


 ────その日の晩。


「はぁ、今日も座禅ばっかだよ〜」

「でも大事なんでしょー? がんばってー」

「あはは……」


 グッタリするナッセの肩をリョーコが揉み揉み。モリッカは苦笑い。


「あれ? ドラゴリラとオウガは?」

「卵に抱きついたままだよ」

「あれで孵化するのデスカ??」



 龍脈に来てから、はや三週間────。


 座禅を組むナッセは目を瞑ったまま微動せず、見事に精神世界と同調していた。


「ナッセ君。やはり筋がいい。いいですね。これで妖精王になる時にかかる負担はかな~り軽減されるでしょうな」

「……妖精王の事を知ってた??」

「今まで変身しなかったのは、命が危うかったので控えていたでしょう? ふふっ」


 オオバはにっこり笑う。

 リョーコは「うわー、すごーい! 何時間も石みたいに動けないでいるなんて……」と驚かれた。


「おかげでスッキリしてる」


 ナッセは自分の体が軽くなった実感に笑みをこぼした。



 ドラゴリラは卵に抱きついたまま、ラーメンを食べていた。オウガも同じくラーメンすする。

 すると卵が揺れ始めた。


「おおっ!?」


 卵にヒビが走る。上が欠ける。


「おおおおっ!?」


 ついに割れた卵の上からドラゴンの頭が抜け出す。

 それはグングン急成長して美しい羽を広げていく。立派な白きドラゴンとなって、どっか飛んで行った。さいなら~って感じで。

 唖然とするドラゴリラとオウガ……。


「あ、ごめ。勇者でないと乗せてもらえないんだった」


 龍人はてへぺろした。


「この三週間返せぇぇぇぇぇ!!!!」


 全てが無意味となってオウガとドラゴリラは慟哭した。

 それを見てたリョーコは「なんだかねー」と首を傾けて苦笑いする。


 詫びの為か、龍人は龍の財宝倉庫へ、オウガとドラゴリラを連れて行った。


「これを授けよう。扱えるかは、お主次第だが」


 なんとカッコいいデザインの龍の車椅子だった。ドラゴリラは「うっほ────」と目からハートを飛び出させた。


「『龍乃車椅子(ドラゴンカーチェア)』……。本来なら人間どもに授ける事はしない。普通ならな……」


 ドラゴリラが座り込むと車椅子は動き出すし、浮き出すとビュンビュン縦横無尽に飛び回っていく。

 リョーコはワクワクして「あたしも乗れるー?」と聞いたら龍人は首を横に振る。


「元々ドラゴンフォース覚醒できる資質があればこそだ。他の人だとこうもいかないだろうな」

「ちえー」

「ええもん、もろたやで────ッ!!!!」


 龍人は「効力が弱くなっていて、いずれゴミになるから処分にちょうどいいか」と呟いた。

 リョーコはジト目で「うわー狡い……」と呆れる。




 龍脈周辺の森で切り立った丘の上で、竜さんは視界に広がる龍を象った山脈を睨む。


「くそ……! まさか生き延びていたとはな……!」


 あちこち寄り道しながら借金膨らまして帝国に帰ったら、ニメア令嬢に「サンライトセブン全員生きているからダメ」と追い出されたので舞い戻ってきたのだ。

 未だ残っている借金が解消できず、悔しさを滲ませていた。


「よし! 我が博打仲間を呼ぶか!」


 右腕を挙げてドラゴンの頭を象ったオーラを纏わせ、天に向かってブレスを吐いた。

 大気を震わせる発砲音とともに、真っ直ぐ天高く軌跡を描く光線は雲を突き抜けて大爆発。

 ドラゴンらしい派手な狼煙(のろし)だ。

 竜さんはニヤッと笑む。そして懐からスマホを取り出して耳に当てた。


「あーあー、もしもし。龍脈近くの『雀丘(すずめおか)』にいるんで集まってくれー!」


 派手な狼煙(のろし)には特に意味もなく、普通に時空間スマホで仲間に連絡した。

 すると周りに三つの召喚魔法陣が浮かんできて、三人が跪いた状態で馳せ参じた。


「我が『首領邪羅(ドンジャラ)三騎衆(さんきしゅう)』よく来た!」

「「「はっ!」」」

「久しぶりだな……、カンバチのカバちゃん。ヘンビックの蛇くん。ランサーンの槍さん」

あとがき


 前にも言ったように麻雀全く知りませんw

 小さい頃にやった事があるドンジャラくらいですw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ