表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/100

45話「ドラゴンの力を求め、伝説の龍脈へ!」

挿絵(By みてみん)


 時空間迷宮をクリアしてから二週間が経った────……。

 午後八時、夜空の下でサンライト王国のとある所に古びた酒場がネオン文字を灯らせていた。


「まさか、ここにいたとは……」

「へへ、心入れ換えますんでよろ〜。どやぁ」


 なんと四天王だったイワシローはサンライト王国でバーデンターをやっていた!?

 オウガとドラゴリラは常連になってたようだ。


「……さて、ドラゴンの力を手に入れる情報を手に入れた」キリッ!

「お〜! 流石は親友やん! ほな行こか!!」

「待ってくれ! 二人でよりもサンライトセブンで行こう!」

「ちぇ〜! 二人っきりがええのに。まぁええわ。一緒の方が盛り上がるもんな」

「そういう事だ。二人で行きたいのは山々だがな。あとナッセとクスモさんは誘わないでいこう」フッ!

「賛成やん! ガキと女はいらへんわ~!」


 翌朝、サンライト王国の門でオウガたちは集合……。

 モリッカ、オウガ、ドラゴリラ、ノーヴェン、コンドリオン、フクダリウスのメンバーだ。

 フクダリウスは不安そうにオウガへ見やる。


「……クスモさんやナッセはいいのか?」

糞婆(クソババ)糞餓鬼(クソガキ)は置いてきた。今回の旅にはついてこれそうにない」

「その方がええや~ん」


 ドラゴリラは嬉しそうだし、オウガは連れて行きたくないようだ。

 そんな二人にコンドリオンはおろおろする。


「彼の戦闘力と知識は役に立つと思いますが……?」

「うっせぇよ! 糞王子(クソプリンス)は黙れやぁ!!」


 絶句するコンドリオン。モリッカは「まぁまぁ」となだめる。


「ナッセのおかげで時空間ダンジョンで助かったじゃないですか?」

「てめぇも黙れや! 糞小僧(クソキッド)!!」


 閉口するモリッカ。今度はノーヴェンがたしなめる。


「その言い方はあんまりデース!」

「黙れぇ! 糞眼鏡(クソメガネ)! いいから俺様に従えや!」




 ────龍魂山脈。


 古来より龍が住まう伝説の地。普通の人間では立ち入ることは敵わない。

 生い茂る深い森が阻んでいるかのようだ。


「止まれ!!」


 なんと一人の青年が目の前にフッと現れた。

 彼は仏頂面をしていて、青肌に白髪、額から角が生えている。

挿絵(By みてみん)

 オウガとドラゴリラを筆頭に、フクダリウスとコンドリオンとノーヴェンとモリッカは驚く。


「誰だ?」

「……我は龍人。龍脈を守護せしもの。何用か?」


 オウガは会釈する。


「ドラゴリラはドラゴンの力を得たいとのこと。是非お願いしたい」

「断る!! 帰れ!」


 青年の表情がギギギと怒りに歪む。彼の後方の森がザワザワ騒ぎ出す。


「なぜなんだい? 糞蜥蜴(クソトカゲ)

「人間どもがぞろぞろと踏み入っていい所ではない! そしてそこのバカは口が悪いからダメだ!」

「なに!? この俺様が、だと!? ブッ殺すぞ! この糞蜥蜴(クソトカゲ)がぁ!」

「そ、そない言わんでくれ! ワイはドラゴン欲しいんや!! 力をつけてみんなの為に! あとイキナリの奇襲揉み!!」


 なんと龍人の股間を揉んだ!! もっみもみもみもっみもみ!

 ドラゴリラは恍惚と男の股間の感触を味わい、変態な笑顔でエヘエヘしている。

 オウガは「やったなっ! 決まったぜっ!」と盛り上がった。

 しばしの沈黙。


「…………なんの真似だ?」


 ヒクヒク顔を引きつらせていた。龍人の怒りのオーラが漲っていく。フクダリウス、コンドリオン、モリッカは青ざめた。

 ノーヴェンは「早くエスケープしまショウ!」と一緒にダッシュ。

 ────龍人がでっかい青いドラゴンになったのだ!!


「おお! 受けてたとう! 糞王子(クソプリンス)糞小僧(クソキッド)糞眼鏡(クソメガネ)さぁ一緒に糞蜥蜴(クソトカゲ)を退治といくかっ!」

「あら!? おらへんっ!?」


 オウガとドラゴリラが後ろへ振り向いたら、誰もいないっ!?


「アンガーブレイズだ────!!!!」


 吐かれた強烈な奔流はオウガとドラゴリラを呑み込む。どがーん!


「糞があああああ────ッ!!!!」

「ごりらああああ────ッ!!!!」




 大怪我した二人を引きずって、近くの村で三日間安静させている間、ナッセを呼び寄せた。ついでに副官リョーコも来てた。

 事情を説明すると彼はため息をついたそう。

 実は「どうせ追い出されるから別にいいか」と、ハブられた件を気にしていなかった。


 深い森を前にサンライトセブンは立ち往生。向こうに山脈が見えており、まるでナーガのように横へ連ねている。

 リョーコは「またダンジョンあるのかな?」と眉を寄せて首を傾げる。


「ここか……」


 ナッセは森を見据え、何かを察した。

 フクダリウスは深い森をじっと観察し、ナッセへ振り返る。


「どうだ?」

「……やはり普通の人間では通れないだろう。いわゆる迷いの森だ」


 森全体にかけられた幻術によって方向感覚が狂って、目的地にたどり着けないようになっている。

 例え龍人が警告しなくとも、たどり着く事は不可能だろう。


「厄介やな〜!」

「そうですネ」

「なんとかできませんか?」


 モリッカは不安そうだ。


「オレについてくれ。妖精の種(フェアリー・シード)の力を持ってるから……」

「了解した」

「やっぱナッセがいないと始まらないわよねー」


 深い森に入った。しばらく歩いているがモンスターもいなく。ただ一本道を歩くのみだ。


「むうっ……!」


 フクダリウスは汗を垂らす。

 なぜなら、周囲の風景が変な風に流れていくのだ。真っ直ぐ進んでいるのに、あちこちズレるように風景がデタラメに流れる。


「な、なんやぁ!? 反対方向に流れたり、横切ってきたり、ぐるぐる回ったり、デタラメや~!」

糞餓鬼(クソガキ)を連れていなかったら、絶対たどり着けないじゃないか……。糞森(クソモリ)がぁ……」


 戸惑うドラゴリラ。粗暴に吐き捨てるオウガ。


「うっわ……」


 不安か、リョーコはナッセの両肩を後ろからしがみついたままキョロキョロする。

 ノーヴェンはあらかじめ磁石メガネを手にしていたが、グルグル回っててアテにならない。

 コンドリオンは不安そうに「正しい道を進んでるか分からなくなりますね」とキョロキョロ見渡す。


「……そろそろ町へ着く」


 何かが見えているナッセの言葉に、みんなは安堵していく。

あとがき


 オウガとドラゴリラはトラブルメーカーですねw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ