第25話 助けてー!名探偵ー!
村人達は騒ぐのをやめて神妙な面をする、そんな顔できるんだなあと呑気に考えていると
「では神よ本題に入りますぞ!」
「えっ本題?って言うか何で皆んな僕の位置がわかるの?」
「それはもう常に記録係がいますからな!」
記録係ってつまりあれか監視か!止めてもやめないだろうし、僕には諦めるしかないけど。
「本題は1人の勇者の事です、2人の悪評が高い勇者を殺した事が発端でした。」
「げえ!あの髑髏マークはやっぱり死んでたのかあ」
女神マップを見ると4人の勇者と、髑髏マーク以外消えている
「あれ?その勇者確か前に見た時は髑髏マークの側に居たけど消えてるな?」
「奴の行方は私達も掴めていません、生きているでしょうけど」
「生きてんの!?危ないじゃん!」
生きていて何処に居るかもわからない、殺人鬼とかミステリーだよ。
助けて名探偵ー!
「ですので、気をつけて頂くよう進言しにきました。殺し方もとても残酷で手と足を斬り串刺しにされていたのです」
想像しただけで、グロ過ぎる。サイコパス野郎じゃないか!そんな奴が実質無法地帯でチート能力を手に入れたとか危険過ぎる!
「全大陸で、既に手配はされています、勇者殺しですから当然ではありますが。そしてこちらが似顔絵になります」
そこには何処にでも居るような好青年が描かれていた。
「この人が?普通の人にしか見えないけど」
「何でも討伐しに行った傭兵達数十人の首をかり、首を並べ文字の様な物が書いてあったそうです、私達には読めませんがこちらです」
そこには
次はお前だ
と日本語で書かれていた
「怖っ!誰に当ててるか知らないけど怖過ぎるよ!」
「あっそれは多分ですが神に宛てですな。
私達も奇襲やトラップで襲いその都度忍者神を舐めるなよっと脅しておいた矢先にその文字?を発見しましたからなハッハッハッハ」
おいいいいいい!
何殺人鬼を僕名義でおちょくってんの!?
殺人鬼さんめっちゃ切れてるし!
しかも僕銅像とかあるから直ぐに顔割れるし、忍者イコール異世界人ってわかりやすすぎるし!
「何してくれてんのー!?」
「すみません、私達では仕留め切れず、挑発して逃げるのが関の山でして」
「挑発しちゃだめだよ!!皆んなは無事なの!?」
「里の者は無事ですな、鍛え方が違いますから!末端の教徒達はわかりませんがなハッハッハッハ」
まっまあ僕を狙っているなら大丈夫か?いや僕は大丈夫じゃないけど
「私達も神の周りに交代でつきますゆえ!安心倍増ですな!ちなみにカスマと言う愚物を囮に使いますがよろしいか!?」
「よっよろしくなーい!!一馬君今防御力ゴミなんだから!絶対にだめだよ!友達になれたかもしれないんだし!同じモブキャラとして!」
「モブキャラとは神を示す言葉ですな!?まっまさかあのカスマが神と同列とは!至急囮作戦は中止の連絡を!」
「ハッ!」
シュバっと何故か僕の背後にいた村人が消える。全然気づかなかったけど、隠密スキル高すぎだろ!僕忍者だよ、忍者!気配の達人と呼ばれている忍者が気づかないなんてやば過ぎる!
村人達が何故か僕の前に跪き
「「「神よ!私達に加護をつけて頂きありがとうございます!」」」
「は?」
「私達加護を頂いたその日から、オリハルコンは見つかるわ!宝剣が見つかるわ!彼女はできるわで毎日薔薇色の生活です!」
加護何て人間の僕がつけられる筈がないだろうに。
またからかってるんだろうな、殺人鬼に挑発した件を有耶無耶にする為に。
女神マップの不具合か、ヘーパイストスさんに手紙を入れて置こう、殺人鬼勇者の行方が女神マップでも追えません。しかも僕が狙われてます、ヘルプミー!!
これできっと良いはず。
「とりあえず現状はわかったよ。知らせてくれてありがとう、後皆んなにあんまり無茶苦茶しないように伝えて欲しいんだけど」
「神!神よ!あああ何と慈悲深い!!」
村人達が一斉に泣き出した、おーいおいとか言いながら泣いている。うん引く、素直に引く。
「神は私達を思ってくださる!!神は私達を大事にしてくださる!!」
「「「「「「カーミ!カーミ!アッソレ!カーミ!カーミ!カーミ!」」」」」」
「あっあのここ王城の客間だからもう少し静かに」
「「「「「「カーミ!カーミ!アッソレ!カーミ!カーミ!カーミ!」」」」」」
「うるすああああああああああい!!いくら御使様でも騒ぎ過ぎだろー!!」
ギロリと王様と兵士を睨む村人
あっヤバイこれはヤバイまじでヤバイこの国がピンチだ!
「はーい!皆んな注目今から神速を見せますので、練兵場に行きますよー!」
「「「「「イエーーーーーイ!!!」」」」」
やはり乗ってきた。王様に必死で謝りながら練兵場に行き神速を連発する。
縮地は見えるらしいが神速は見えなかったらしく、むせび泣いていた。
神が神の速さで動いたと喜んでいた。
「ああ疲れる、やっぱり村人相手はしんどい」
エネミーとルナは村人から僕と同じ扱いを受けて接待されている。
クラルスは僕の隣でちょこんと座り、僕の服の端を掴んで震えている。
「ニンジャじゃ怖いのじゃ怖いのじゃ」
どうやら最初に会った時の村人のインパクトが強過ぎたらしい。
クラルスが王城でお漏らししないかが心配だ。
村人達は神速!神速!と練兵場を走り回って遊んでいる。
さっきまで殺人鬼がどうとか真面目な話をしていた事が嘘の様だ。
王様や兵士の人達の視線が僕に突き刺さる、そんなに見つめられてもあれが精一杯です。
僕には村人を統率する力はありません。
「御使様は何とも面白い家臣を連れているんだな」
王様の目が全く笑っていない。
それどころかプルプル震えている。
急に王様が外装を脱ぎ
「神速はこうじゃああああ!!」
とかなり速いスピードで村人達と走り始めると兵士達も
「「「王様に続くぞー!!」」」
と叫びながら走り出した。
「ああ、そういえば村人と同じノリな人達だった」





