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第22話 白銀の挽歌①

 揺れぬ大地に足を降ろしたのはひどく久しぶりのように思える。


 全身を覆った外套の隙間から見える都市の様子も、自分が見知っているそれよりも規模が拡大し、白色の外壁も以前に比べれば輝きを増しているように思える。

 フェスティアの登極以降、かつての活気を取り戻した帝都パルティーヌポリス。

 アイアースにとっては自身が生まれ育った故郷であり、どうじにすべてを失った地でもあった。



「あまり余所見をするな」

「悪いな。生きて帝都に入ることが出来るなんて夢にも思っていなかったんでな」

「ふ、まだまだ子どもだ」

「そりゃ、ようやく16になるわけだしな」



 思わず口元がほころび、方々に目を向けるアイアースに対し、彼らを先導する“者”。アルテアがアイアースを嗜めるように口を開く。

 アイアースから見えれば、正体がわからない以上、いつもの皮肉めいたいじりのように思い、アルテアにとっては、正体が露見するのを避けたいのと同時にはしゃぎすぎの弟を嗜めるという思いもあったようである。

 とはいえ、互いに正体を知らせるわけにはいかない間柄。近いようで遠い、関係に終わりはなかなか見えそうもない。



「カズマは“どこの出身”なんだ?」



 そんな二人様子に背後を歩いていたジルが、話題を逸らすように口を開く。彼にとってはアルテアの正体など知るよしもなく、“者”に逆らってこれ以上立場を悪くするのはまずいとの判断だった。

 しかし、普段から真面目でよけいな口を聞くことのないジルの反応に、彼を担当する“者”が驚きの表情を浮かべている。


 彼の気遣いは皮肉なことによけいな疑いの類を産みかねなかった。



「記憶にないが、東方らしい。名前とか髪の色を見るとスメラギとかのハーフなんじゃないかな?」



 アイアースは、そんなジルの問い掛けにそう応える。

 東方というのも、スメラギ系というのも、ハーフというのもあながち間違ってはいない。この目で見たわけではないが、大陸東部に位置するスメラギ皇国は、日本によく似た文化を有し、彫りの浅い黒髪の人間が多いと聞く。


 ハーフというのも、この世界とかつての世界とのハーフのようなものであるのだから、嘘でもないのだ。



「まあ、よい。こちらだ」



 そう言って、アルテアは、宮城へと続く街路から外れ、町の一角にある公園へと入っていく。

 人気は多いが、その中でも人が立ち入らない区域は存在している。公園最深部にある霊木の周囲がそれである。


 そして、アルテアが霊木に近づくと、その根本付近を探るとぽっかりとした穴が現れる。



「こ、こんなところに」

「変なことに使うなよ? 来い」



 それを見て驚きの声を上げるファナや目を見開くジル。

 アイアースは当然のように知っており、アルテアも同様であると同時に、教団から告げられたルートでもある。

 とはいえ、アイアースにとっては霊木の類も何か汚されたような気がして非常に腹立たしかった。



「ここで待て」



 ハギア・ソフィア宮殿内へと足を踏み入れたアイアース等一行は、すれ違う帝国内部の官吏や武官達の視線を感じながら歩みを進め、控え室となる部屋へと通される。



「やはり、我々は嫌われているようだな」



 “者”達の姿が消えても、立ち振る舞いに隙を作ることなくジルが口を開く。彼が言うようにすれ違う者達の視線からは、“者”達に対する敬いか、自分達も含めた教団関係者への敵意を感じたぐらいである。

 教団の信者や関係者から見れば、組織にあってキーリアを統括する“者”は、立場が上になるし、帝国に忠誠を誓う人間からすれば、獅子身中の虫以外の何物でもない。


 教団の帝国内部への浸透は大分進んでいるようであった。


 と、そんなことを考えているアイアースは背後からの見知った気配の接近を察する。そして、背中越しに振りおろされた腕を掴むと口を開く。



「久しぶりの挨拶なのに、随分なものだな。ミュラー」

「はっはっは。元気だったか、カズマ」



 そう言って、腕を引き離すと首に手を回し、笑みを浮かべて口を開いたのは、以前、大型獣の討伐任務にともに挑んだミュラーである。

 本来は、冷静かつ物静かな男であるのだが、それを隠して軽薄な男を演じているらしく、今の口調も元気の良いモノであった。



「貴様、なんのつもりだっ」



 と、そんな事情を知らないジルとファナが、バンバンとアイアースの肩を叩くミュラーへと詰め寄る。

 二人からしてみれば、本来の主筋に当たる人物に対する振る舞いではない。



「まあまあ、旧知との再会ですって。落ち着いてください」

「むっ!?」

「ザックスもいたのか」

「ああ、久しぶりだな。カズマ」



 そんな二人をなだめるように間に入ったのは、長身のアイアース以上の巨体を誇る男ザックスである。細身の顔と穏やかな性格からは想像できない温厚な性格をしており、なぜだかミュラーと行動を共にする機会が増えている。



「知り合いなので……か?」

「なんだそりゃ? まあ、前の任務で一緒だったんだぜ。こいつは、まだまだ小僧だし色々と面倒を見てやったモノよ」

「最初にやられた俺達に対して、最後まで善戦していたんだがな」

「わっ、ばらすなってっ!?」



 アイアースとザックスのやり取りを見ながら口を開いたジルは、思わず敬語が口をつきそうになり、変な口調となってしまう。

 根が真面目な男であるが故であったが、それに首を傾げながら得意げにアイアースと肩を組み口を開くミュラーとその言にツッコミを入れるザックス。


 一戦をともに戦っただけであったが、打ち解けやすい二人だとアイアースは今更ながら思う。



「ま、まあ。親しき仲にも礼儀というモノは必要だ。域なり殴りかかるのはいかがなものだ?」

「うわ、ずいぶん堅いヤツと組んでいるんだな?」

「俺らしいだろ?」

「なにぃ? お前が任務でいない間に、組織の女連中に色々と聞いたぜ?」

「向こうがガキ扱いしてくるからなでなでしてやっただけだぞ?」

「そ、それは……」

「なんというかだな」

「ちょっとショックかも」



 しかし、堅物のジルは、年長者であることもあり、ミュラーの行為を咎めかかる。ミュラーも半ば演技でやっていることに噛みつかれることが面倒になったのであるが、アイアースの軽口に、こちらとしても年下を嗜める意味で口を開く。


 面倒なことをばらされたと思うアイアースであったが、ごまかすのも面倒であり、開き直ることにしたのだが、ジルからはやや失望したかのような視線を向けられ、ザックスは苦笑するしか無く、ファナに至っては距離を取っているように見える。



「ふう、まったくお前らは」

「はは、相変わらずのようだな」

「ふふふ……、久しぶりねえ。ぼ・う・や」



 そんな調子の再会と出会いをかわしているアイアース達の元に、再び聞き覚えのある声。

 視線を向けると、シュレイ、リリス、そして、舐めるような視線をアイアースに向けているグネヴィアの他、無言でこちらを一瞥しているイースレイの他、無表情な強面の大男とさわやかな笑みを浮かべている男が立っている。


 その六人の入室に室内はざわめき始める。


 シュレイもそうだが、組織衛士のトップ5が一同に会したところを見たのは初めての者が多かったが故であろう。



「久しぶりも何も、この前会ったばかりだろ」

「あらん? つれないわねえ。それに、あなたのど……」

「はいはい。やめなさいよまったく」

「言いたいことはわかるが、お前とだけは絶対に寝……」

「貴方もです」



 シュレイとリリスとの再会は、アイアースも個人的に嬉しかったが、グネヴィアに関しては、正体を知っているにもかかわらずこの調子である。

 アイアースにしてみれば憎しみ以外、何もない女であるのだが。とはいえ、初めて会ったときには不敵な包容力のある笑みを浮かべているだけだったリリスのやや慌てるような仕草を見られたのはちょっとした発見であったのだが、シャルの強烈な拳骨をもらうという高い授業料を払う羽目にもなってしまった。



「痛てて、何にしてもお偉いさんが揃って登場っていったい何があるんだよ?」

「貴様、何も知らんのか?」



 頭部をさすりながら、居並ぶ一桁№に視線を向けてそういう口を開いたアイアースに対し、無表情な大男が、少し驚き気味にそう口を開く。



「任務終了後は、基本的に情報が入ってきませんので」

「む、それはそうか。まあ、よい」

「おいおい、教えてやればいいんじゃないか?」

「すぐに分かることだ。それと、カズマと言ったな。私は№3ゼノン。こいつは、№4のルーディルだ。色々とやんちゃなようだが、それはそれで頼もしい」



 そう言って、ゼノンと名乗った大男は、口元に笑みを浮かべながらそう口を開く。巨漢であり、相当な強面であるが、粗暴な面は特に見られない。しかし、どことなく自分を探ってくるような、そんな印象を抱く相手でもある。



「あ、ありがとうございます。でも、なんで俺のことを?」

「ふ、曲がりなりにもアイヒハルトを討った男だ。それなりには注目するさ」

「はじめは嘘かとも思ったけどな。是非、お前さんと一緒に出撃したもんだ」

「は、はあ……」



 そう言って笑みを浮かべる二人にアイアースは、ひどく困惑する。少なくとも、アイヒハルトを討ったのは、教団内部の抗争であり、一種の同士討ちである。歓迎すると言うのもおかしな話であるのだが。



「この二人は、アイヒハルトのことが嫌いだったのよ」

「ああ、そういうこと」

「聞こえとる。まあ、そういうことだ。私も、討たれぬよう精進せねばな」

「俺ははじめっから仲間と戦う気はないから必要無いな。ま、カズマとそこのやんちゃ坊主達も、平和になったら運動でも楽しもうじゃないか」

「運動?」

「ああ。私は戦争も好きだが、何より身体を動かすのが好きでな」



 そう言って笑うルーディル。軽薄な印象はないが、ゼノンと異なり、こちらは腹に逸物を抱えている様子ではなく、純粋にこちらを誘っていることが感じ取れた。



「皆、そろそろ行こう。ジル殿。貴公もだ」

「むっ? 分かりました」



 そんな様子を黙って見つめていたイースレイが、静かに口を開くと、ジルも伴い、上位メンバー達は室内の一段高くなっている場へと進む。

 ジルも含めた七人に加え、三人の男女も壇上に出てくる。横一列に並んだそのメンバー達こそが、ある意味では国内最強の人間達であるのだった。



「なんというか、色々と濃い人間ばっかりだな」

「私は、グネヴィア様は嫌いです」

「うおっ!? なんだ突然??」

「答えたくないです」

「??」



 並んでいる上位№達に視線を向けながら、アイアースはミュラー達に対して口を開く。

 他の二人も同様なのか、苦笑を浮かべているが、ただ一人の女性であるファナはやや声を上ずらせながらそう応え、何やらむくれたような態度を取っている。


 アイアースからしてみると、グネヴィアを隙になる人間の方がめずらしい気もしたのだが。



「これは、アレだな」

「助けられたらしいですしね」

「顔がいいってのは特だな」

「兄上が言いますか?」



 そんなアイアースとファナの様子を見つめていたミュラーとザックスが微笑ましげな表情を浮かべながら小声でそう口を開くが、結局それ以上の会話は続かなかった。

 突然、厳かな音楽が鳴り響くと、部屋の中央部を開けるよう指示が出され、空いたそこには、敷物がしかれていく。


 そして、敷物の先の扉が開かれると、白地に青の装飾を施した戦装束に身を包んだ二人の女性が、背後に三人の女性キーリアと女性士官達を伴い、入室してくる。


 思わず息を飲み、思わず腰に手が行きかけるの、固く握りしめて抑えるアイアース。それは、両の手から血が滲みだしてきてもなお、止まることはなかった。



◇◆◇



 室内に居並ぶ白装束の一団。


 かつては、自分と運命をともにし、帝国のためにその生命を捧げる悲しき戦闘集団であった者達。

 今では、自身の横に立つ女のために行き、その女を影で操る人間達の尖兵となっている者達。

 フェスティアは、壇上へと上がり一通りの顔を見まわす。自分に対して、畏敬の念を抱く者もいれば、増悪を強引に隠している者もいると言うことが、フェスティアには分かった。

 帝位にある以上、多くの者からの畏敬を集めると同時に、増悪も集めることになる。それは、自身の言によって数多の人間の生死が変わり、時には大地を血で染めることに繋がるが故である。


 そう思いながら、視線を巡らせるフェスティア。


 不意に視線が止まり、一人の人間と目が合う。それは、ほんの一瞬であったが、つかの間に出会うことが出来た男との再びの邂逅である。

 当然、それに気付く者もいたのだが、今この場でそれを指摘したところで詮無きこと、今は、皇帝からの言を待つばかりである。



「皆、楽にしてくれ。――教団を支え、民を守りし勇士達。よくぞのこの場に集まってくれた。全帝国民に成り代わり、礼をいう。……始めてくれ」




 フェスティアの言が終わり、入室してきた幕僚達により、現在の帝国の状況とそれに応ずるための策が伝えられていく。

 帝国極北に位置するレップランド山脈を越え、侵攻していて謎の敵。現在、北部方面軍が全力で応戦しているが、戦線の瓦解は時間の問題であること。

 また、時悪く帝国中央軍の主力は現在再編中であり、動ける軍を投入したところで各個撃破のための的になりかねないこと。

 そして、帝国軍の体制が整うまで、北部方面軍とともに防衛当たる者達のことなどが告げられていく。

 当然、その中には、先ほどフェスティアと目のあった人物も含まれていたのだ。



「天は告げます。大いなる災いがこの国を覆い、人々は困難に包まれるであろうと。しかし、それを乗り越えた先には、必ずや栄光が待ちうるとも」

「ともに、この危機局を乗り越えるため、最善を尽くしてほしい。そして、数多の民のため、その命を差し出してほしい。これは、パルティノン皇帝としての願いである。決して勅命ではない。そのことを最後に言い含めておく」



 すべての儀が伝達され、巫女による天の意思表明が終わると、再びフェスティアの番になる。

 最後の言は、命を差し出すと言うことは、決して命令ではないうことをフェスティアなりに全員に告げたのである。

 それは、ある意味ではこの場にいるただ一人に向けたフェスティアなりのわがままであった。



◇◆◇◆◇



 吹雪の舞う雪原に一騎、また一騎と騎馬の姿が浮かび上がっていく。


 その数およそ二千。また、先頭で進む騎馬の背後には、蒼穹の如き布地に白き狼虎の姿が対を成す御旗。その傍らには、黒地に銀の縁取りと一対の剣が交差し合う軍旗が激しい吹雪の中を堂々と靡いている。

 その御旗を掲げる一軍を南へ向けて転進する軍や後に続く難民達は安堵の表情を浮かべながら見送る。

 蒼穹の御旗はまさに皇帝の御旗。そして、黒の御旗は、『黒の姫騎士』と呼ばれた女帝フェスティア直属の近衛軍の軍旗である。

 フェスティアの登極以後、常に前線にあって勝利を重ね続けてきた両者は、民や兵士にとっては救いの象徴として心に刻まれている。

 ただ、それまでと唯一異なるのは、近衛軍の象徴とも言える全身黒装束の部隊を率いる形で集団の前方にいる人間達は、全員が白を基調とした衣服に身を包んでいることであった。


 一団が入城したのは、カレリア地方最南端の町カミサ。


 カレリア地方南部に広がるフォーウィンド地峡の玄関口であり、帝国北部最大の都市ペテルポリスへと通じる最短経路上に位置しており、現在スカルヴィナ、カレリア両地方を蹂躙している侵略者にとっても絶対に確保するべき南進の入り口であった。



 差し出された飲み物が体内に活力を与えてくれていた。



「概要はわかっているが、その後はどうなっている?」



 町へと到着し、ようやく一息ついたアイアース一行。その中でも、上位№達は町の守備隊本部へと足を運んでいた。

 アイアースもアイヒハルト討伐を評価されたのか、自身が打ち倒したグロフの№14を拝命し、名実ともに上位№としてこの場に足を運んでいる。


 今回の最上位№は、やはりというべきか、№6のシュレイ。


 部隊の統率に関しては未知数であったが、やはり当然と言うべき配置でもある。



「スカルヴィナ北部は完全に占領され、南東部へと撤退した部隊は州都トロンヘイムに立てこもり、最後の抵抗を試みるとのこと。カレリア地方軍及びカレリア方面軍は、帝都よりの撤退令に従い、徐々に南進している様子です」


「で、件の浮遊要塞は?」



 差し出された地図は、中央部の巨大な湖を中心に左右に分けられた半島の物である。

 この半島北、北東及び南西部がスカルヴィナ地方。南西部がカレリア地方にわけられる。また、中央のアイサルス湖が厳冬期にも凍結しない不凍湖であったため、古来より水運が発達し、多数の海賊を輩出した地でもあった。

 現状、半島北部は短期間に制圧され、西部の諸都市も続々と陥落。抵抗を続ける東部も徐々に後退を開始しているという。


 そして、説明を聞き終えたシュレイの口から出た言葉。それはアイアース等にとっても気になるモノである。



 要塞と言われれば分かりやすいものでもあるが、それが浮遊しているというのは、夢物語としか思えない人間が大半である。



 アイアースもすでに遠い記憶となった世界において、あくまでも創作物としてのそれを見たことはある。だが、目の前に突然そのようなモノが現れて、はいそうですかと受け入れる気にはならなかった。


 魔法があり、亜人や竜がいる世界なのだ思えばそれまでであったが。



「戦場絵師が描いたモノがこれにございます」



 シュレイの問い掛けに、守備隊司令官が差し出した一枚の画。


 戦場絵師は、偵察部隊に配置される絵師であったが、敵指揮官の顔や特殊兵器、陣形などを観察し、即座に絵に落とすことを得意とする者達である。


 そんな絵師達が描いた浮遊要塞の姿。



「なんというか、島をそのまま飛ばしている? ってことか?」



 アイアースが思わず口にした感想は、そのようなモノであった。


 下部は岩盤に覆われ、上部は複数の要塞をはじめとする建造物が建ち並び、その中央部には宮殿のような巨大な摩天楼が屹立している。

 下部の岩盤部分には無数の穴が空いているため、このあたりに浮遊に関する秘密があるのかも知れない。



「永久氷域を超えてきた敵だ。おそらく、内部に軍団そのものを抱えてきたんだろうし、敵の首都があった島をそのまま飛ばしてきたのかも知れぬな。とはいえ、いまだに夢物語のようにしか思えんが」



 アイアースの言に頷きながらそう応えるシュレイ。

 他の上位№達も同様に頷いている。


 そうなると、敵は国家そのものをあげてパルティノンに対して戦いを挑んできたと言える。地方軍が蹂躙されている現実を考えれば、敵も主力部隊のすべてを送り込んできたと考えるのは容易だった。



「敵浮遊要塞はスカルヴィナ・カレリア境界のロヴァニミエにて停止しております。戦線の安定を見て、再び動き出すのではないかと思われます」



 守備隊司令官の言に頷くシュレイとそれを見つめるアイアース等上位№達。

 困難な戦いには慣れたモノであったが、現実はそれ以上に過酷なモノである様子であった。

昨日は投稿できずに申し訳ありませんでした。


なんとなく、執筆の調子が上がらず、違和感が残る無いようになった気がしますが、一応のまとまりが見えたので投稿します。


おなしな点等に気付きましたら、是非ともご指摘ください。

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