表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
171/183

第7話 嵐去りし時

更新が安定せずに申し訳ありません。

 身体を包んでいたオーラが消えると、フォティーナはエルクの背に膝をついた。



「はぁ、はぁ、はぁ……」


「だ、大丈夫かっ!?」


「…………ええ。それよりも、私達も帝都へ」




 顔を青ざめ、息も絶え絶えな様子に、振り返ったターニャが慌てて声をかける。


 息を整えたフォティーナは、それに対してその青白い顔を上げると、そう口を開く。フェルミナは、そんなフォティーナの鬼気迫る様子に、思わず息を飲むが、それに反問するような雰囲気ではない。




「帝都……。フォティーナ様、今、いったい何を?」


「皇子殿下達を、帝都へと導きました。巫女の、そして、その下にいる者達の、力をうちやぶるは、なかなか難儀でございましたが」


「殿下達を……」


「まもなく、すべての決着はつくでしょう。私達も、出来ることをしなければ」




 彼女の目的はすでに聞き知っている。


 出立したアイアース等の後を追い、自分達も帝都へと向かう。


 そして、ようやく追い付いたと思えば、所在を知られないように言い含め、法術の詠唱に入ったのである。


 そして、すべての決着がつくと言ったが、それでも敵の本拠に皇子達を送り込んだという事実に変わりはない。


 万一のこともあり得ると思うが、彼女の言動からすれば、彼らの勝利は約束されている。かのような口ぶりである。




「しかし、帝都へ行ったとして、我々に何か出来るのか? 何より、貴様は子を産んだばかり……。万一のことがあり得るぞ?」



 ターニャもフェルミナと同様の懸念を抱いたのか、フォティーナの身体を気遣いつつ口を開く。


 たしかに、フォティーナは戦の最中に二人の子を出産し、産後の経過もあまりよく無いと聞いている。


 リヴィエトとの戦いの最中、身を削って後方を支えてきたのである。その肉体の消耗は誰よりも激しいはずであった。




「大丈夫よ。それよりも、私達も見届けなければ……」


「見届ける? フォティーナ様、あなたは一体何を」


「お二人も、一国の姫君であるならば、時代の転換点に身を置くのは必要な事です……。気になりますでしょ? この戦いの結末が」


「そ、それは」




 ターニャの言にそう応えたフォティーナは、さらに二人の疑問に答えるように言葉を続ける。


 たしかに、フェルミナ自身アイアースの戦いの行く末。そして、フィリスの消息なども考えれば同行したいという思いはあった。


 だが、アイアースが最後の戦いを前に、自分を見ていないことも悟っている。


 同行を申し出たところで邪魔になるだけ。そんな思いがあったため、セルヴァストポリの本陣に残ることを決めていたのだが、フォティーナの思わぬ行動にこうして身を任せる結果にもなっている。


 兄ヒュロムや他の将軍達も反対することなく送り出してくれている以上、フォティーナの体調以外に、戻るという選択肢は無い。




「……どのみち、戻るつもりはないか。なれば、よかろう」


「タチアーナ様」


「ターニャでよい。私は敗軍の将。将来の皇后の命には刃向かえぬよ」




 言葉に詰まったフェルミナの様子に、ターニャが嘆息しつつそう口を開く。


 彼女自身、リヴィエトからの降将という事実にも関わらず、賓客のような待遇を受けている義理がある。


 怨敵であるツァーベルが死した以上、馴れ合う必要もなかったのだが、その恩をまだ返してはいない。


 そして、今更リヴィエトに戻ることなどできないという思いもあったのだ。



「命令ではありませぬ。あなたのご意志を伺っているのですよ。皇女殿下」


「……ふん。なれば行く。また、あの男が無茶をしないとも限らぬからな」


「フェルミナ様は?」


「……私も、殿下やミュウさん、フィリスさんのことが」


「では、決まりですね……。ふう……」


「しばし休め。エルク、頼むぞ」


(うむ。フェルミナ王女。少し急ぐが、無理であればすぐに言え)


「大丈夫です。ついて行けます」



 そして、さらに決断を促してくるフィリスの言に、ターニャは顔を背けつつそう答え、フェルミナもまた同じように帝都行きを了承する。


 危険な戦いではあっても、大事な男の側にはいたい。不器用ながらもそんな思いに嘘をつくことは出来なかったのである。


 そして、二人の言に頷いたフォティーナは、全身の力を抜き、風に揺れるエルクの動きに身を任せる。


 ターニャとエルクはそんなフォティーナを気遣うように飛行をはじめ、徐々に速度を上げていき、フェルミナもまた、その後に続いて、自身の黒き翼を大きくはためかせたのだった。



◇◆◇◆◇




 光から解放された場は、思い出の地であった。



「……随分、荒っぽい歓迎だな。人の家に土足で上がり込んでおいて」



 アイアースは、眼前のキーリア達とテラスからこちらを見下ろすシヴィラ等の姿に身を起こし、剣を構える。


 ミーノスとサリクスも同様で、三人でミュウを取り囲むような隊形をとっている。


 周囲は百人近いキーリア。おそらく、宮殿内部や内城は信徒兵で溢れているのだろう。不覚にも、敵のまっただ中に呼び寄せられた形になっているのだ。



「歓迎した覚えなんて無いわ。本来だったら、真っ赤に焼けた帝都を手土産にしてやるつもりだったんだもの。……でも、こうして目の前に来てくれたんだし、歓迎するわよ」



 そして、アイアースの言が耳に届いたのか、シヴィラがこちらを見下ろしながら口を開く。



 帝都を焼く。



 そんな彼女の言に、アイアースは思わず背を振るわせるが、同時に疑問にも思う。


 自分達を猛獣の檻の中に呼び寄せるような悪趣味な事をするのは、彼女ぐらいのモノだとはじめから思っていた。


 だが、シヴィラの言には、突如として現れたアイアース等に対する驚きも含まれているのだ。


 とはいえ、ここまで来た以上、戦う以外の選択肢が存在するはずもない。




「見ろ、アイアース」


「…………フィリスっ」



 そして、耳に届くミーノスの言。


 視線を向けたその先には、なぜかキーリアの軍装に身を包んだフィリスが、シヴィラの傍らに人形のように立ち尽くしている。




「フィリスっ!! 無事かっ!?」



 そんな彼女に対して声をかけるアイアース。しかし、フィリスは僅かにアイアースの声に視線を向けてきただけで、それに応えることはなく、アイアースの言は無情にも虚空に消えるだけであった。




「……っ!? シヴィラっ!! 彼女に何をしたっ!!」


「さあ? そう言えば、ヴェージェフが作った薬が無くなっていたわね」


「貴様……っ」




 全身を激しく駆け巡る何かに押され、声を荒げるアイアース。しかし、シヴィラはそれに対して、肩をすくめるだけで、その様子がよけいにアイアースの怒りを誘う。




「おっと、落ち着け落ち着け。さすがに、こいつ等を蹴散らして突撃するのは簡単じゃないだろ」


「正直、お前を行かせてやりたい気持ちもあるが、今はキーリアをなんとかしないとな」


「気持ちは分かるけど、下手に突っこめばフィリスさんに何をするかも分からないわ」




 そんなアイアースに対し、三人が宥めるように声をかける。


 たしかに、背後は高い壁に阻まれ、眼前では数多のキーリア達が道を塞いでいる。壁自体は跳躍で乗り越えることも可能だが、そんな隙を見せれば一瞬でこちらは消し炭に変えられてしまうだろう。


 シヴィラに加え、イースレイをはじめとするキーリア達がこちらの動きを伺っているのだ。




「…………ふう、どのくらいいけますか?」


「……そうだな。下位なら50はいけるが、ひと桁クラスがいたら、10も行けばいい方だろう」


「私も同じだな。反撃に徹した方が良さそうだが」


「私は、正直、シヴィラの法術を防ぐので手一杯よ?」


「…………まずいですね」


「今更だな」




 そんな周囲の状況に、昂ぶる鼓動を抑えるアイアース。


 周囲を見据えつつ、そう口を開くことで血を沈めるが、状況を冷静に分析すればするほど、こちらの勝算は極めて低い。


 シヴィラの存在だけでなく、教団の幹部達にも相応の力を持つ者はいる。ロジェスなどは、混戦であったとは言えイレーネの腕を飛ばすだけの力は持っているのだ。


 そして、イースレイとグネヴィアがシヴィラの脇を固めている状況。そんな中で、眼前のキーリア達を相手にしなければならないのだ。




「せめて、あいつ等が味方だったらどうにでもなるんだけどな」


「叶いもしない願いに期待しても無駄だろ」



 そんなアイアースの考えを悟ったのか、サリクスが苦笑混じりにそう口を開く。


 ミーノスも素っ気なくは応えているが、本来であればともに帝国のために戦うべき者達なのである。



 それが、今こうして敵として対峙している。



 彼らがフェスティアを討った時に覚悟をしていたこととはいえ、虚しい思いが無いわけでもなかった。




「さて、おしゃべりはここまで。三皇子っ、パリザード女史。お覚悟をっ!!」




 そして、得物と構えるアイアース等に対し、剣を抜いたイースレイが天高くそれを掲げ、声をあげながらそれを振り下ろす。


 それを合図に、居ならんでこちらを睨み付けていたキーリア達が、一斉に得物を構える。




 来るか。




 そう思い、剣を構えて足に力をこめるアイアース。


 来るならば容赦はしない。そんな思いでキーリア達を睨み付けたアイアース。しかし、アイアースが地を蹴ってキーリア達へと向かっていくことは無かった。


 アイアースの眼前で、キーリア達が一斉に背を向け、テラスからこちらを見下ろすシヴィラ達へと向き直り、得物を向けたのである。



 突然の事態に困惑するアイアース達。



 そんな彼らの耳に、ゆっくりと近寄ってくる足音。


 何事かと思い、視線を向けたその先には、背を向けたキーリア達によって作り出された道を歩いてくる一人の男の姿があった。




◇◆◇




 女帝に剣を向けた時、自分達の運命は決まってしまったと思っていた。


 退路を断たれ、周囲を炎に包まれてもなお、生きるべくこちらを向かって来る女帝の姿は、炎に彩られても美しくあったことは未だに記憶に残っている。



 そして、そんな女帝もろとも、自分達に向けられた新兵器の存在。



 全身を穿たれ、地に倒れ伏した自分達を、教団は省みることなくその場に討ち捨て、自分達は女帝の亡骸のみを得てその場から消えて行っていた。



 教団にとって、上位№以外は捨て石も同然。



 ある程度は覚悟をしていたが、その時のヤツ等の行いは、決して忘れることのない傷となって脳裏に刻まれていた。


 元々、自分達の戦いは、巫女に対する信仰や教団への忠誠を誓っての事ではない。


 女帝と反対勢力の抗争、そして、敗戦や反乱、共和政権の暴政の果てに産み出された粗悪品。


 そんな粗悪品達が、生きるため、どん底の人生から抜け出すために、身を投じた結果が衛士であり、キーリアであったのだ。


 巫女や教団に形の上での忠誠を誓い、時に民を守り、時に民を害す。生きるためにはそうする以外の手段を自分達は知らなかった。


 そして、リヴィエトの侵攻に際し、教団に反抗的な者達がまさに捨て駒同然にカミサに送られてからは、反抗する気力すらも削がれていたと思う。


 狂信派と共存派の抗争も、多くの衛士にとっては雲の上の出来事。その後も、帝国に忠誠を誓った者達の様に戦場に散ることも、信仰に身を捧げる覚悟もないまま、女帝に剣を向け、自らの退路を断ってしまったのだ。



「これで、君達が我々に従う理由はなくなったな」



 傷ついた身体に鞭打ち、教団の元へと戻った際に№1より告げられた言葉。


 自分達の扱いを詫び、真に身を案じる表情を向けながら口を付いたその言葉の真意を知る事は適わなかったが、再び流されるままに帝都を占領し、人々の怨嗟の視線を受ける日々。


 そうしているうちに、同胞たるパルティノンは、侵略者リヴィエトを討ち破る。


 リヴィエトと通じ、帝都を制した教団にとっては最悪のシナリオであった。そして、その時より備えられたパルティノン軍の来襲。


 それは、自分達の悲惨な末路を想起させるには十分な事実であった。




「道が無いわけじゃない。いや、今以上に過酷な道かも知れんが、それでも生きることにはなるかも知れないよ?」




 第四皇子の偽物を演じた衛士、アニの口からそんな言葉が発せられたのは、新皇帝シュネシスがパリティーヌポリスに現れる前日のこと。



 女帝襲撃から転落し続けるように思える自分達の行き先に、彼女が何をもってそのような事を口にしたのかは分からなかった。




 そして、眼前に現れた新皇帝。加えて、かつての№6衛士であったという事実を、皆が聞き知っている人物であったが、そこに立っていたのは、ただの衛士ではなかった。


 たった一人で千に近い信徒兵たちを屠り、№1、№2すらも息を飲むその姿は、目を合わせただけで全身を打ち振るわせるだけの威厳を備え、決して揺らぐことのない意志を持っているかのように感じさせる。


 そして、その姿に打ち震えている仲間達も、序列や秩序に抗うことは出来ず、№1や幹部達の号令に従う形で、得物を手にする。




 そしてすぐ、自分達は相手の強大さ、背負うモノのを大きさを叩きつけられる。




 躍りかかった数十人が、地に降り立つと同時に血を吹き上げて倒れ伏していく。その様を唖然としながら、一瞬視線が交錯したのを最後に、目の前が闇に包まれる。



 …………それから、どれだけの間、闇に身を任せていたのか。



 目を覚ました時、戦いは新たな展開に入っており、皇帝と上位№との戦いにも決着がつこうとしていた。


 全身から血を流しつつ、挑み掛かってくる衛士達を斬り伏せていく皇帝。


 その時なってはじめて、彼が自分達を生かすように戦っていたことに気付く。その気になれば、頸を飛ばすことも、胴を両断することも出来るはずだったが、それはせずに確実に動きを奪うための攻撃を加えていたのだ。


 上位№ともなれば、そんな甘い攻撃に耐えることは可能なのであろう。



 次第に疲れを見せ始めた皇帝は、何を思ったのか、上位№達に、そして、自分達に対して語りかけはじめる。




 テルノヴェリで戦場をともにしたことへの感謝と教団への忠誠に対する問い。


 そして、どん底のから這い上がるための戦いの結果、自分達が生きる場を裏切ってなんになるのか。


 巫女や教団の幹部達が作る国に希望等はなく自分達の様な人間を増やすだけだという言葉。



 それらを口にした後、皇帝は№2によって傷を負わされ、その場に膝をつく。


 そして、皇帝の前に立つ№1。


 彼との会話の最中に皇帝が口にしたことは、皇帝であるからこそ、やらねばならないことがある。とのこと言であった。



 やらねばならぬこと。



 それが、自分達を生かすことであったのならば、そして、暗器を手に歩み寄せたアニとそれに目を背ける形で見逃す№1。


 動けるようになっていた自分達も、アニと同様に得物を手に皇帝を取り囲んでいく。


 結果として、№2が動きを奪ったことも、この結果を促すための行為のように思えてきていた。



 そして、№1と二言三言言葉を交わした皇帝が得物を放したのを合図に、振り下ろされた得物。



 それは、周囲に血を吹き上がられ、身に着けた軍装を引き裂き、肉体の一部を飛び散らせていく。


 情け容赦のない殺戮。端から見る者達の目には、そう映ったであろう。




「やめろ。…………アニ、後の“しょち”は、頼んだぞ」


「ああ。分かっているよ」



 そして、頃合いを見て止めに入った№1。


 一瞬、無残な姿になった皇帝に視線を向けた後、この場においては最上位に当たるアニに対して口を開くと、その場にあった衛士達全員に対して鋭い視線を向ける。




「…………覚悟は、出来ているな?」




 静かに問い掛けられたその声。


 端から見れば、皇帝に手をかけ、退路が消え去った事への覚悟を問うたようにも思えたであろう。


 だが、今となってみれば、それは新たな道を選んだことへの覚悟を問うたように思えていた。




 そして今、眼前に現れた男女。




 皆が皆、並の衛士ではなく、その姿を見ただけで身体を打ち振るわせるには十分な力を有していた。


 彼らから向けられる視線は、激しい憎悪と怒りに満ちあふれており、それは、彼らを苦しめ続けた巫女や教団のみならず、それに付き従う自分達に向けられたモノであるようにも思える。


 なぜ、もっと早く彼らと道をともにすることが出来なかったのか。結果として、より過酷な道に身を投じねばならず、事が済めば彼らによって粛清される可能性もある道。




 だが、今となってはその選択に悔いはない。




 粗悪品として生を受け、生きるためだけに手を汚し続けた自分達を、至尊の冠を戴く人間達が生かそうとしてくれていた。



 その事実だけで、今目の前の戦いにすべてを投じることができる。

 



 教団に剣を向けた衛士、否、帝国のキーリア達のすべてが、そんな思いを抱いていたのだった。



◇◆◇◆◇



 眼前に立ち、ほくそ笑んだ男の姿に、アイアースは目に熱いモノが込み上げてくることを自覚していた。


 しかし、涙をこらえて笑い返すことが出来ると。彼もまた、力強く頷き、剣を手にテラスへと振り返る。




「総員、剣をとれっ!! 我ら、帝国の守護者の手によって、今日この時を教団の終焉の日とし、帝国を覆う暗雲を取り払う」



 静かに、語りかけるようにそう告げた男、シュネシスの言に、アイアースをはじめとするキーリア達は、一斉に地を蹴る。



 嵐は去り、蒼穹の空が顔を出し始める。蒼き空が、パルティノンの元に帰るその時が、ついに来たのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ