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第48話 終幕と開幕①

 光りとともに現れたのは、全身に傷を負った男であった。


 名をゼノン。


 自分が教団の衛士となるまで、№2の地位にあり、つい先頃剣を交わした相手。


 そんな男であったが、今は全身を傷つけられ、立ち上がることもままならない様子であった。



「ゼノン……」



 思わずそう呟いたイースレイ。


 巫女による水晶の投影から、フェスティアと対峙していたことは知っていたが、かの女帝にここまでの力があるとは思いもしなかった。


 ゼノンの姿に息を飲む幹部達も同様であり、皆、顔面を蒼白にしている。



「だから、言ったでしょ? 私じゃなきゃ無理だって」



 そんなゼノンを一瞥し、幹部達へと向き直るシヴィラ。


 その表情は、普段と動揺に乏しく、人形を思わせるそれは変わっていないが、その背景には闇のようなどす黒い何が漂いだしているようにも思える。



「み、巫女様。そのような事は」


「じゃあ、あなたが戦う? ユマ。憎い女帝を討ち取れるかも知れないわよ?」


「憎んで等おりませぬ。ですが、彼女の行う政策はいずれ破綻する故に」


「だったら、黙っていなさい。あなた達は?」



 巫女を気遣うように口を開いたユマに対し、シヴィラは冷たくそうあしらうと、他の幹部達を一瞥する。


 ロジェスやジェストといった幹部達も、策冬の分裂から肩身が狭い様子だったが、今は巫女の怒気に当てられて何も口に出来ない様子だった。



「巫女様。愚か者どもの事など……。わたくしにお任せくだされば」


「そうね。でもね、イースレイ。今回は私が行きたいの。何年間も人を閉じ込めておいて、なんの謝罪もない女をね」




 下を向くロジェスやジェストに対してそう告げたイースレイであったが、シヴィラの言に対しては何も言う気になれなかった。


 ツァーベルの下から帰還したシヴィラは、何かに当てられたかのように破壊を好むようになっている。


 そこに、自らの破滅すらも愉しもうとする危うさを感じていたイースレイであったが、今の彼に出来ることは巫女の暴走を止めることでしかない。



「それでね、ゼノン」



 そんなイースレイの意志を知ってか知らずか、倒れ伏すゼノンへと歩み寄ってシヴィラは、静かにそう口を開く。


 戦場に捨て置かれた彼を転移させたのはシヴィラ自身であったが、そこに彼を助けようという意図は感じられない。


 他の者達も、これから起こりうるであろう事態を無言で見つめているだけである。




「生きたい?」



 短くゼノンに対してそう問い掛けるシヴィラ。


 その問いに対し、シヴィラに僅かに視線をやり、頷くゼノン。


 慇懃に振る舞う男だが、その心根は知れている。虐殺や陵辱を好む本性にイースレイは嫌悪を抱くだけである。


 とはいえ、今の彼に起こるであろうことに対しては、僅かに同情を抱かざるを得なかった。


 巫女の力を持ってすれば、再起不能の状態からの回復は見込まれる。そんな、希望を僅かながらに抱いていることは、その表情から予想できたのだ。


 しかし、そんなゼノンに対する巫女の答えは非情なモノであった。



「そう。じゃあ、さようなら」



 静かにそう答えたシヴィラの視線に、頷いた信徒兵達は、動くことの出来ないゼノンに対して、無言のまま剣を突き立てていった。



 キーリアとして、肉体の強化は常人以上。



 背骨を折られているため身動きをとれないことは変わらないが、肉体の回復はすでに起こっているのだ。


 そして、全身を切り刻まれ、彼の生命としての活動が完全に停止するまでその行為は続いた。



 見せしめ。



 今後、失敗した人間がどのような末路を迎えるのか。


 この場にいる者達は、巫女から突き付けらえた事実を、静かに受け入れるしかなかった。




◇◆◇



 食いついてきた獣の牙はすでに抜くことは不可能なところまで突き刺さっていた。


 軍団の最後尾にて迫り来るリヴィエト軍との激突を繰り返していたシュネシスは、敵の進撃の様子に対して、そう思っていた。



 敵総大将の負傷と敵全軍後退の報。



 罠を疑うところもあろうが、そこは半日以上続いた戦の場。後ろを見せた敵を屠る事に関心が向くことは当然だった。


 むしろ、友軍達がよくぞここまで持ちこたえてくれたモノだった。



「殿下。まもなく」


「ああ、姉上よろしいですか?」


「待ちくたびれたぞ」




 そんなシュネシスに対し、フェスティアを抱きながら傍らを疾駆するリリスが、大地を一瞥し口を開く。


 フェスティアもようやくと言った様子で、傍らを駆ける裸馬へと飛び移ると、両の手に剣を構える。


 負傷した傷は問題ないようで、顔もいつにも増して生気が宿っているようにシュネシスには見える。



(腹の子は大丈夫なのか?)



 だが、壮健そうに見えていても、フェスティアのお腹に宿る命が戦いの最中でそれを繋ぐことが出来るのか。フェスティア自身の身体が最後まで戦に耐えきれるのだろうかという思いもシュネシスにはある。


 フェスティアが、身籠もっていることをリリスとゼークト以外では、周囲を固める侍女や近衛兵達にしか伝えていないというのも、万一を考慮してのことであろう。


 現に、公になっていれば出陣など全方位から反対されるはずであった。



(誰の子なのかは知らぬが……、我々にぐらい話してくれても良いモノを)



 フォティーナからある程度のことを聞かされていたシュネシスであったが、相手がどのような人物なのかは聞いていない。


 フェスティアの年齢を考えれば、恋の一つや二つはあっても不思議ではないし、皇帝という立場が相手の存在を許さないというのもわかるが、それでも祝福ぐらいはさせて欲しいと言う気持ちもある。


 もっとも、シュネシスの本音としては、フェスティアに平穏な人生を送ってもらうことこそが自分にとって最善という下心もあるのだが。



「さて、仕上げと行くか。アルテアからは何か言ってきているか?」


「すでに、配置に」


「よし。シュネシス、リリス。ひと暴れといこう」



 そんなシュネシスの本心を知ってか知らずか、口元に笑みを浮かべてそう告げたフェスティアの表情は、戦を心待ちにしている戦女神の如く鋭気に満ちていた。



◇◆◇◆◇



 尻に火のついた獣を止めることは不可能であった。


 ロマンは傍らにて唇と噛みしめる男を一瞥しつつ、猛然と前進していく友軍の姿を見つめていた。


 膠着していた戦線が動いたのは半刻ほど前のこと。


 膠着を打開するべく前線へと赴こうとしていたパルティノンの女帝フェスティアが、ゼノンの奇襲を受け、負傷したとの一報が戦場に轟いたからである。


 ロマンや傍らにて馬を進めるバグライオフは、それを流言の類だと思っていた。


 だが、膠着した戦場にあっても確実に数を減らされていたリヴィエト側は、思いがけない朗報と敵軍の後退に歓喜し、暴走に近い形で追撃をはじめてしまったのだ。



 元々、前代未聞の大軍であり、人の手にはあまる数の人間がこの地には集結している。


 それを統率するべき人物が不在であることもそれに拍車をかけているのだ。


 現に、追撃の先頭に立っているのは、バグライオフの総司令官就任に反感を持っている将軍達が多い。


 このあたりも、皇帝を中心にまとまりきっているパルティノン側との差であるとも思える。


 数的劣位を覚悟の上で、自身の手勢を集結させたフェスティアの覚悟が勝っていたと言うことなのであろう。


 とはいえ、このある意味では人智を越えた猛進撃の破壊力はなかなか生み出せるモノではない。


 現に、逃げ遅れたパルティノン兵は馬蹄に踏みつぶされ、無残な亡骸を晒している。


 騎兵を中心とする編成であり、数も少数。さらに早朝から休み無く戦い続けているのである。



 人馬に疲れが出はじめるのは当然であった。



「このまま押し切れたりはしないですかね?」


「そこまで甘くはない」



 そんな前線の様子に、ロマンは希望的観測を口にするが、バグライオフは力なく首を振るうだけである。


 それも当然と言えば当然。


 すでに追撃は半刻ほど続いているが、敵が潰走することも一か八かの反抗を挑んでくる様子もないのだ。


 計算された後退と見るのが妥当。だが、そんなロマンの読みをあざ笑うかのように、前線にて歓声が上がると、進軍が滞りはじめる。



「むっ? 何事だっ!?」



 そんな状況の変化に声を上げるバグライオフ。


 ほどなく、前線から数騎の騎兵が疾駆してくる。



「伝令。敵後衛に、パルティノンの女帝が現れましたっ!! 現在、前線にてキーリア部隊とともに交戦中っ!!」


「敵の勢い激しく、マリノフ、ネフス両将軍も戦死されましたっ!!」


 全身を赤く染め、息をきらせながらそう告げる伝令達。


 大河の前面はまだ遠く、背水を強いた死兵のよる反抗にはまだ速い。


 つまり、敵女帝自ら囮となって完全に自分達を己の戦場に引き込むつもりの様であった。



「ロマン。アンヌとともに、麾下の兵を抱えて後退してくれ」


「…………いいんですか? まともに戦えるのは我々だけかも知れないですよ?」


「かまわぬ。こうなれば、大帝の勝利のために一兵でも多くの敵を道ずれにする。馬鹿どもも、それで満足だろうよ」



 そして、それまで無言で何事かを決めかねていたバグライオフが、ロマンへと向き直ると、静かに、そして鋭い声でそう告げる。



「あなたも馬鹿の一人ですよ。戦い方を間違えなければ……」


「元々、私にスヴォロフ閣下の代わりは無理だったのだ」




 そんなバグライオフに対し、ロマンは顔を顰めながらそう答える。


 大軍を擁し、敵の君主が死地へと入りこんできた戦場。後方には別働隊を投入することに成功し、緩やかではあるが包囲が完成しつつある。



 そんな状況にあったが、統率面でバグライオフは躓いた。



 数多くの戦場にて勝利を得てきた名将であったが、大帝ツァーベルの幼馴染みであり、若き頃からスヴォロフに目をかけられていた人物。


 当然、数多の尊敬や羨望と同時に、同じぐらいの嫉妬や憎悪を向けられる立場にある。


 同格の将軍達からはそれが顕著であり、ほぼ同じ立場であったクトゥーズは、成算無き作戦を押しつけられて行方知れずである。


 これが、ツァーベルはスヴォロフから直々に総司令の座を与えられていれば状況は変わっていたのであろうが、今回に限っては、スヴォロフの戦死によるツァーベルの追認という形をとった就任。



 よけいなことを勘ぐられてとしても不思議ではない。



 総参謀長のヴェルサリアが、バグライオフを介さずに全軍に策を通達したこともそれに拍車をかけている。


 とはいえ、暴走した将兵達の多くは、威力偵察にて失敗した将軍達と似た立場にあり、強権を振るってまとめて処分をしておけば今回のような状況にはならなかったのである。


 ロマン自身、同輩が処断されれば大人しくなると踏んでいたため、進言の類を行わなかったことも災いしている。



 結局は、組織としての欠陥が招いた敗北であるとしか思えなかった。



「君のような将来のある将軍を死なせるわけにも行かぬ。どうか、聞き届けてくれ」


「わかりました。ですが、閣下が女帝の首を土産に帰ってくることを、お待ちいたしておりますよ」


「ふっ……」



 前進を続けつつ、互いにそう口を開いた両名。


 ロマンは立場上、バグライオフの命に反抗するわけには当然行かない。そもそも、負け戦に首を突っこむ趣味もない。


 口元に笑みを浮かべながら、バグライオフはさらに騎馬の速度をさらに上げていった。




 前方にて歓声が上がったのはそれから間もなくのことであった。




◇◆◇



 馬腹を蹴り、一気に速度を上げて敵陣へと斬り込む。


 それまで必死で後退をしていたこちら側に対し、一気呵成に追撃を行っている。



 リヴィエト兵の多くはそう思っていただろう。現に、落伍した兵士達は次々に討ち取られているのだ。


 とはいえ、こちらとしても策を持って敵を誘い込んでいるのだ。




「仇は取ってやる」




 静かにそう呟きつつ剣を振り上げるシュネシス。


 こちらの逆劇に一瞬足を止めかけていたリヴィエト兵達も、こちらの様子に得物を向けてくる。



 しかし、動揺した敵の攻撃をもらうほど愚かではない。



 敵兵のゆったりとした動作が目に映ると、シュネシスは首を4,5個まとめて跳ね上げ、さらに敵陣へと斬り込んでいく。


 傍らでは、フェスティアとリリスがまるで残像のように並んで敵を屠り、速度を緩める様子は無い。まるで、はじめから道が用意されているような錯覚を覚えるほど、二人の連携は凄まじかった。



「んー、すごいわ。陛下もリリスもさらに腕に磨きをかけたようね」


「うおっ!?」



 敵兵を斬り伏せつつ、そんな両名の姿を見据えていたシュネシスは、傍らから妙に艶のある女の声が耳に届き、思わず声を上げる。



「いつの間に……、何しに来た?」


「戦いに決まっているでしょ? あいた? もうっ!!」



 視線に先にて馬を並べていたのは、教団のキーリアであるグネヴィア・ロサンであった。


 今回の戦いを前にしても、ハイン達のような帝国に忠誠を誓うことなく、教団に留まり続けているキーリア達の一人で、シュネシスはその者達のとりまとめを任されている。


 多くが、シュネシスが御せる者達であり、彼女のような規格外にははじめから参戦を許してはいなかったのだ。


 とはいえ、獣人兵を短時間で屠る事が出来たのはこの狂女の存在が大きいことをもシュネシスは否定できなかった。



「化けものが。どうするつもりだ?」


「どうするって?」



 疾駆しつつの会話である。


 どうしても、余裕は無くなるが、グネヴィアにそのような様子は無く、今も傷から噴き出した血を満足げに舐めている。


 先ほどの会話中にリヴィエト兵に脇腹を突かれたのだが、当の本人はまったく意に返していない。



「もういい。下手な動きを見せたら斬るぞ?」


「ふふふ、怒った表情も悪くないわよ? 殿下」



 そう言って睨み付けるシュネシスに対し、グネヴィアはあくまでも妖艶な表情に笑みをたたえるだけである。


 何を考えているのはわからないし、話しても無駄であることはわかっている。一貫して帝国にたてついている女なのだ。


 フォティーナなどは、その武勇を利用しよう言う意図があるようだったが、いつ何を仕掛けてくるのかわからず、その武勇も他を隔絶している女。



 利用するにも危険すぎる。



 だが、こうして大軍を前にして、その武勇が捨てがたいこともまた事実だった。 


 そんなとき、後方より銅鑼の音が戦場に響き渡る。



 アルテアが為した仕掛けの準備が完了したのであろう。



「よしっ!! 全軍突撃、一撃を与えた後全力で離脱するぞっ!!」



 背後のキーリア達を見据え、そう口を開くシュネシス。


 はじめこそ、自分に対して反抗的なモノが多かったが、こうして祖国防衛のための戦いに身を投じている。



「ふふ、残念ねー。もっと戦いたかったのに……」



 不満げにそんなことを呟くグネヴィアを無視し、シュネシスは馬腹を蹴る。


 先ほども敵陣を駆け巡っていたが、さらに奥へ奥へと斬り込んでいるフェスティアとリリスの姿を追っての突撃。


 今後は彼女達と息を合わせねばならず、実力差を考えれば、よけいな女の相手をしている場合ではない。



 と、眼前にてフェスティアとリリスが左右に分かれて転進する。



 分かれ目と判断したのか、斬り込んだシュネシスに対しても果敢に抵抗してくるリヴィエト兵達。



 そこそこの精鋭に当たった様子であった。




「っ!!」



 斬り込み、転進を開始したシュネシスであったが、その傍らをかける黒き影。


 グネヴィアではなく、見かけない顔の男。


 その軍装は、パルティノンのモノではなく、リヴィエトのそれでもある。


 疾駆しつつ、得物を振るってシュネシスの首をとばさんとするが、シュネシスはそれを交わすと、敵の軍馬を蹴る。



 一瞬、バランスを崩した敵騎兵であったが、すぐさまそれを立て直しさらに攻撃を繰り出してくる。


 無言でそれを受け止め、相手を睨み付けるシュネシス。


 こちらの無言を苦戦と受け取ったのか、相手はうっすらと笑みを浮かべていた。


 多少の苛立ちは感じるが、攻撃を受け止めつつ背後に目を向けると、グネヴィアや他のキーリア達に挑んでくる敵騎兵はなかなか多い。


 その多くが一刀の下に斬り伏せられているが、その様子は目の前の騎兵には写っていないらしい。


 と、受け止めていた剣が蛇のように動き、肩口へと襲いかかってくる。


 咄嗟に手を跳ね上げて剣の軌道をずらすと、頬をかすめながら白刃が通り過ぎていく。



 後方の敵騎兵に対し、この男は中々の使い手でであるようだ。



「どうした? パルティノンのキーリア。それでいっぱいか?」



 余裕が出てきたのか、笑みとともにそんなことを口にする騎兵。しかし、シュネシスは、その言に思わず失望を覚えていた。



 敵の力量も見抜けぬ程度の男であったのかと。



 このあたりに失望するところは、やはり尚武を気風とするパルティノンの皇子でもあった。



「さあな。それでいいだろうよっ!!」



「ぬっ!?」




 敵の力量がわかれば、もはや相手にする意味もない。


 シュネシスはちょうど時間が来たことを察すると、そう告げ、騎馬を大きく跳躍される。


 驚きとともに後を追おうとした敵騎兵であったが、それは敵うことはなかった。


 敵騎馬が足を取られて転倒し、騎兵は大地に投げ出されたのである。



「な、なんだとっ!? こ、これは」



 周囲の様子に困惑する騎兵。


 泥濘に嵌った人馬がもがく中、彼の続いていたリヴィエト兵も同様の運命であった。


 大地とは異なる感覚を覚えながら着地するシュネシスは、その光景を一瞥すると、着地の勢いで跳ね上がった綱を手に再び疾駆を開始する。


 綱の先には丸太や木製の板がくくりつけられており、それらが泥濘となった大地を渡るための橋代わりになっていたのである。




「姉上もアルテアもよく考えるモノだ。俺だったら泥濘にして終わりだ」



 前方にて二本の綱を引くフェスティアの様子を見つつ、シュネシスはそう呟く。



 ほどなく、川に並んでいた艦船から旗が振られると、後方に向かって矢の雨が降り注いでいた。



 


 空前の大軍通しが激突しあう戦場。


 一つの戦いが間もなく終わりを迎えようとしていた。そして、次なる戦いもまた、目前に迫っていることを、彼らはまだ知るよしもなかった。

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