委員長の返事
「おはよう、洋介」幼馴染みの三塚瑠璃が挨拶してきた。
朝の教室。熱を出して三日間欠席していたので、久しぶりの学校だ。
「おはよう、瑠璃姉。朝練?」俺は机に座ったまま挨拶を返す。
「ええ」
「最近はサボらず、部活に行ってるんだな」
「んー、青春ごっこも良いかなって」
「ごっこかよ」
「洋介とやるよりは、燃えないわね」
「おい、朝っぱらから猥談かよ」友人の飯島勇人が登校してきた。
「おはよう、飯島くん。猥談じゃないわよ」
「おはよう、委員長」
「おはよう、勇人。猥談の方がよっぽどましな話だよ」
「おはよう。洋介。体はもういいのか?」
「ああ、なんとかね」肋はまだ痛むけどな。
「で、委員長。そろそろ返事寄越せよ」勇人が俺の知らない話を瑠璃にふる。
「ここで?」
「洋介に聞かせる事に意味があるだろ?」
「OK貰える前提なんだ?」
「勿論、そのつもり」
瑠璃が面白そうに笑う。
「何の話?」俺には話が見えない。
「ああ、洋介が休んでる間に交際を申し込んだんだ」
「……、は?」
「委員長と洋介、もうケリつけたんだろ? だから洋介、休んでたんだろ?」
「……、いや、俺が休んでた理由わかってて、瑠璃姉に告白したのか?」
「ああ」
「……、マジか。こんな狂犬とよく付き合おうと思えるな?」
「狂犬はひどいわね」瑠璃が笑う。全く否定する気がないようだ。
「で、返事は?」勇人が再度返事を催促する。
「まてまて。こんなとこでやるなよ」俺は止めに入る。俺が気まずいので他所でやれ。
「いや、委員長には洋介を吹っ切ってもらわないと、俺の精神に悪い」
「もう吹っ切れてるわよ?」
「俺は犠牲になったけどな」いや、ホント。
「じゃあ、付き合うって事でいいか?」
「はい。よろしくお願いします」
「よっしゃ!」
よっしゃじゃねーよ。死にたくなければ、浮気とかしちゃだめだぞ。
やはり、瑠璃の事は勇人に任せて正解だった。
放課後。正門前で睦瑞希が待っていた。
目立つから、正門前で待ち伏せするのはやめてくれ。
「洋介!」正門からでた瞬間に、瑞希が抱きついてきた。
「やあ、瑞希。待ち伏せはやめて欲しいのだけど」
「あの女に見せつけるの」可愛く言われた。言ってることは怖いんだけど。
「あの女って、私の事かしら?」
「瑠璃姉、部活は?」
「サボリよ」
「結局サボるのか」
「せっかく彼氏できたのだから、デートしなくちゃね」
「そう言う事」瑠璃の隣で勇人が言った。
そうですか。
「そう言う事だから。彼氏とらないから安心してね、お嬢ちゃん」瑠璃は瑞希を煽る。
「おばさん。今度洋介に手を出したらコロス」
「まあ。本当に人を殺せそうな目をするのね」
「二人ともいい加減にしろ」俺は話を打ちきる。
「行くぞ、瑞希」
「うん! 何して遊ぶ?」
「公園で遊ぼうか?」
「うん!」




