再会
睦瑞希は俺の隣に座った。
いつもは妹の祐実の席だが、今回は空いているので代わりに瑞希が座った。
祐実は疲れたからと言って部屋で寝ている。本当は瑞希と食事をしたくないからだ。いや、できないと言ってよい程に不安定になっている。
テーブルの向かいに父と母が座った。
父にならって一礼一拍手で「いただきます」をする。
「洋介、どう?」
「うん、美味しいよ」実際に美味しい。だんだん上達している。
「えへへ」瑞希は嬉しそうに笑った。
瑞希は両親にも積極的に会話をしにいく。特に父には気を遣っていた。先日の荒事で、父の不興を買っているから。
父は特に気にしていないそぶりをしていた。父も気を遣っているのだろう。
「車を出そうか?」
食事の後、瑞希が食器を洗っているときに、父が言った。
「いや、いいよ。俺が歩いて送っていく」まだそんなに遅くはない。
瑞希の隣に立つ。「いいよな?」
「うん。洋介とお散歩!」笑って答える。
「手伝うよ」洗い物を手伝う。
「いいよ、座ってて」
「一緒にしよう」
「……うん!」
瑞希と二人で玄関を出る。
「あんまりムリするなよ」
「するよ? こないだお義父さん怒らせたし」
「あれは俺のミスでもあるからな。瑞希だけのせいじゃない」
「うん。ごめんね、洋介」
「うん、ありがとう、瑞希。俺を助けてくれて」そう言って彼女を抱き寄せる。
「えへへ」彼女が嬉しそうに抱きついてくる。
「瑞希。あの霊力を生きている人に使っちゃダメだよ?」
「……うん。ごめんなさい」
しばらく玄関先で彼女を抱きしめていた。頭を撫でてやると嬉しそうにしていた。
「洋介、キスして」彼女は俺の体から顔を離す。目を閉じて、キス待ち顔をする。
俺は少し考えてから、瑞希の額に軽くキスをした。
彼女は目を開ける。
「子供扱いしないで」彼女の言葉には子供っぽさは無かった。
「……」
もう一度顔を近付ける。彼女は目を閉じる。
唇と唇が軽く触れた。
彼女は目を開けて嬉しそうに微笑んだ。
しばらく余韻に浸っていた。
いつまでも彼女を引き留めるわけにもいかないので、彼女と手をつないで玄関から出る。
そのとき一台の車が走ってきて、少し手前で止まった。
車から降りてきたのは、従兄弟の一成だった。
「やあ、洋介くん」一成はそう言おうとしたのだろうが、最後まで言えなかった。
瑞希が霊力を一成にぶつけたからだ。
今までで見た霊力とは桁違いだった。瑞希から霊力を感じた瞬間には放たれていた。
そしてそれは殺意の塊だった。
何の迷いもなく、一成の魂を消し去る意思で放たれた一撃だった。
目が眩むような光。実際に瑞希の霊力は落雷程の明るさで可視化された。
目の眩みが収まる。光の中に一成は立っていた。
「いきなりとはヒドイな」




