死線の先に希望はまだ遠く
短いです。
図書室で本を読んでいた。
退屈しのぎではない、勉強だ。
こっちの世界のことを少しでも知っておく必要がある。
今後のこと、ちゃんと考えておかないとな。
なにもせず、ニート、ホームレスはまっぴら御免だ。
結果的にそうならざるをえないとしても、やれるだけのことは『今』やっておかないと数ヶ月さきに取り返しのつかない後悔となる。
にしても、今日は変な感じだ。
さっきまで騒がしかったと思ったら、もう静かになってる。
にぎやかなのはいつものことだが、なにかあったのだろうか?
まぁ、読書がはかどってアリガタイけど……
『ピンポンパンポーン―― タロー君、タロー君、至急学長室まで出頭ねがいます』
しばらく読書すすめたら、構内放送でいきなり呼び出された。
やっぱなんかあったのかなあ?
学長室。
シスター・ユーニィの仕事場。
「失礼します」
ノックして入室。
中には数人のメンバー。
金色さんとローリィさん、それにシスターとチィルールがいる。
それと見知らぬ人がいた。
ソファーにうつ伏せに寝転がり、お尻丸出し、そこに薬草シートはって、シスターにヒールかけてもらっている。
見ていい状況なのかもわからず、チィルールに視線をむけると、コッチはこっちでなんかオコのご様子。しかも、いつもどおりオシッコくさい。
「お前――またチビッたんか?」
「はあ!? ぐぬぬぬ……」
「いや、すまん……」
「汗をかいただけだ! 風呂に入ってくるぞ!」
部屋出っていった。
「あの? ご用件は?」
シスターに問いかける。
「こちらは先代の首領スペーシュ」
お尻丸出しの女性の紹介された。
先代の威厳まったくない。
「はぁ、初めまして……」
「ふぅーん……お前が話題の漂着者か……フツーだな……」
「はい、普通です。ずっと普通でいたいです。フラグとかじゃなくて本当に思っています」
「そうか、じゃ、なんかやってみ?」
うわぁ……、暴君独特の無茶振り。
だが、こんなこともあろうかと対策はできている。
「では、へんがお~」
顔に指添えて表情くしゃくしゃにして見せた。
「チッ!」舌打ちされた。
「バカにしてんのか? ああ?」
ドスきいた声で威嚇。
いやまぁ、お尻丸出しうつ伏せ姿でシスターにお尻ナデナデぽんぽんされてる姿で言われても、逆にコッチが噴出しそうなんですが――
やばい失敗だ。どうするか?
目を閉じて思考を光の早さで展開。
閃いた。そうだ。答えは目の前にあった。
「金色蛍アリスさんのまね~」
俺は目を閉じたまま、そう口にした。糸目の金色さんをネタにさせてもらったのだ。
「ぶぁああはっはははは」スペーシュさん大爆笑。
よかったコレでことは……
済んでない。
オレはとんでもないことをやってしまった。
先代首領のご機嫌をとるために、現役首領の怒りを買ってしまったのだ。
なんか殺気が……
それに、シスターとローリィさん――オレを哀れむような視線やめて?




