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魔王襲来2

人によっては閲覧注意。

電気アンマネタでます。

昭和時代にはギャグでも平成だと虐待ですよね。


 第三小隊隊長ロイシュの号令のもと、児童保護施設『天秤の羽』に最大級の戦時警戒防御態勢『Z』が実行される。


「第一小隊は全員シェルターに入れー! その他、十才未満の者も全員だ! 避難急げ! 魔王はすでに敷地内に進入! 時間はない、急げ!」


 爆弾にも耐えられる分厚い鋼鉄のドアをもったシェルターに子供たちは避難する。

 食料の備蓄もしっかりしている。

 三十人くらいなら環境が復活するまで一ヶ月は閉じこもっていられる。


「ヤツが来る。時間がない。全員避難完了か?」

隊長マー、まだです。数名、未確認です」

「ダメだ。もう時間がない。閉めろ」

「待ってください。最近入った子を探しに行った二人なんです。いい子なんです」


 ロイシュは首を横に振った。


隊長マー、私も探しに行きます」


 シェルターの内からララリーが進言。


「ダメだ。ララリー、前回魔王の被害にあっただろう? また同じ目に合わされてもいいのか?」


 ララリーの身体がビクンって痙攣、顔色も青い。


「閉めろ! 被害は最小限で済ます。場合によっては俺がでる!」


 隊長マーの指示のまま鋼鉄の扉は閉ざされロックされた。


(魔王め、いざとなったら刺し違えてやる)


 隊長マーであるロイシュはダガーを握り締め決心を固めた。

 それほどまでに敵は強大だった。


「いくぞ、お前ら。正直、犠牲を出さないことは不可能……。 だが、やれるとこまでヤルぞ。覚悟はあるか? ――ふふっ、なかろうが、知るか! やるしかない! それがオレ達実行部隊、第三小隊の存在意義! 行くぞ!!」

「マー! イエス! マー!」


 十才以上の第三小隊隊員たちの士気に問題はなかった。




――――――




 けん騒の後、静まりかえった施設の建物。

 悲鳴をあげながら慌しくドタバタ移動してた子供たちの気配は建物の中から一切なくなった。

 つい、先ほどまで様相が嘘のように、今は「シーン」と静まっている。


「かくれんぼか? 懐かしいなあ」


 事態を引き起こした張本人は呑気なものであった。


「そういうことではなく、あの、自重していただく、ことは?」と、アリス。

「アイツラの期待に答えないなんて野暮な真似できるかよ」

(いえ、そおゆううことではなくてですね)

「待ってな? 今行ってやるぜ?」


 魔王、発進!


「ひゃははは! 鬼ごっこだろが、かくれんぼだろうが、俺は無敵だったんだぜ?」


 事実です。

 無敵でした。

 そして捕まった者、皆、トラウマ。

 魔王が魔王たる所以。


「可愛がってやる! 全員だ! 平等にな! アーハハハハ!」


 地獄の黙示録、開始。




――――――




 第一の犠牲者……


 その子はハシャイでいた。

 だって、みんなヘンだった。

 誰もいなくなった建物を自由に行き来できる。

 探検だ。

 それは楽しかった。

 けれど――


「いた! 戻れ! コッチに来い!」


 見つかった。いつものお兄ちゃんたちだ。


「非常事態だ! 隠れろ!」


 なにか言ってるけど、探検の邪魔はイヤだった。

 だから逃げ出す幼い少年。


「ばか!」


 追っかけてくる二人。

 鬼ごっこだ、と思った。

 でも、正面に待ち構えていたその大人の人に捕まった。


「魔王!?」

「ヤバイ! 逃げるぞ!」

「けど、アイツ……」

「手遅れだ! ヤツはもう死んだ……忘れるんだ……」


 二人のお兄ちゃん、どっか行った。

 でも、大人の女の人いるから大丈夫、とその子は思っていた。

 そしてダッコされたから、ギュッってしがみ付いた。


「よし、よし、いい子だ。新入りか? 見かけない子だな」


 この場所の大人たちは殴ったり痛いことしないのを知っていたから安心していた。

 でも?


「ひゃは? ヒャハハハ――」


 わき腹をくすぐられた。

 たまに、こういうことをする大人がいる。

 こまったものだ、と思う。まったく。


「キャハ、ひゃ、ヒャヒャハ、アヒャヒャハヤヒャヒャ……」


 床に倒れこんでもやめない。にしてもしつこい。終わらない。そろそろナデナデしてくれないとわりにあわない。


「アヒャヒャハヤヒャヒャヒャヒャハキャハアヒャヒャハヤヒャヒャヒャヒャハキャハ」


 さすがに限界だ。

 その大人の顔を見る。

 驚愕。

 恍惚の笑み。

 よだれまで垂らしそうな歪んだ表情。

 狂気!

 『この者は危険』幼い少年、思考を超越して生物としての本能が警告を発信。

 本能の反射で、キック!

 だが、その蹴りはやすやすを受け止められた。

 あげく、両足を掴まれ開かれたうえに、股間に足を乗せられる。

 そしてバイブレーション!

 

「アンガッゲホッボボボボボ・・・・・・・・・・」


 強烈な電気アンマ。

 昭和時代に存在した伝説の必殺技。

 平成の世に失われつつある禁断の技だ。

 しかし異世界では現役の奥義である。


「ノボボボボオオゥおおおぅおおおおおぅ・・・・・・・」


 齢、四年でかつて体験したことのない強烈な悪寒。

 それは股間から脳髄へと一直線に駆け抜ける。

 脳が揺れる。思考が揺れる。世界が揺れた。

 そして視えた。

 天空の地でお坊さんが、ネコをコンビニ袋につめて、ソレをボール代わりにしてサッカーしてる様子を!

 激しいパスキックのたびに『ニャン!』と悲鳴をあげるネコ。

 そして、シュート! 『イヤーンッ』って鳴いてるネコ。

 ゴール! きまった! 『オーレ・オーレ』とか言ってる観客。


(この世は無情なり……)


 悟った。四才の少年は悟った。

 片手を天に伸ばす。

 そして叫んだ。


『ファーック!!』


 だがそれは言葉にならず。

 ただ、口から溢れる泡となる。

 そして、白目をむいて気絶した。


「よっしゃ、一人目完了」


 魔王、次の獲物を探る。



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