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男女のお泊り 忍び寄る影


 ソファーに腰掛け、トロイの入れてくれたお茶をみんなで啜る。

 ベリー風味のある紅茶の味。砂糖を入れたわけでもないのに微かな甘みと爽やかな酸味を感じる異世界のお茶。


「ふぅ。美味である」とチィルール。


 先ほどまで泡を食っていたが平静を取り戻した模様。

 そしてトロイのほうをジーッと見つめる。というか観察するようにマジマジと眺めている。


「トロイ、おぬし女であったか」

「え? ああ、そうだよ」


「チィルール!!」


 隣のセイヤが慌てた様子でチィルールの頭をグシグシと掻き乱して押さえつけた。


「な、なあ!?」

「失礼なこと言うなー。ごめん、トロイ」

「別に気にしてないよ。それにそういう風に見せてるしね。(それよか一国のお姫様の頭をグシグシするセイヤのほうがよっぽど不敬だよ。ハハ)」


「ズルイぞ」

「なにがだ」

「私もセイヤと一緒にこっちに泊まるからな」

(さっきの部屋割りでモメなかったのはそういうことね)


「チィー様、それはちょっと――」

「ならリリィーンはあっちでよかろう」

「そ、そんなあ」


 大口はたたくけど何もできないし寂しがりやのリリィーン。


「じゃあ私もこちらに――」

「四人じゃ、あの寝室狭いだろう」


 寝室は畳部屋。布団三枚はひける広さ。でも四枚は無理そう。

 布団三枚に四人が寄り添って寝るというのは、男一人に女三人では間違いが起こるかも? いやそれよりも体裁が悪い。なにもなくてもあったことにされかねない。


「じゃあオレはアッチの部屋に移動するから――」

「なら私もだ」

「却下」

「なぜか?」

「二人きりだと、お前襲ってくるじゃん」

「なっ!! あ、あれは! タロー(セイヤ)が誘ってきたからであろうが!」

「誘ってませーん」


 以前二人で旅をしていたとき、泊まったホテルの一室でチィルールはベットに入ったタロー(セイヤ)に襲い掛かったことがあるのだ。もっともタロー(セイヤ)に返り討ちにあって事なきを得たのだが。(ヘンな話)


「年長者の僕としても君らだけで個室に、というのは賛同できないね」

「むー」


 ということで結局四人がこの部屋で――


 夜、消灯。


「……」


 静まり返る一室。


 そしてセイヤが一人でリビングソファに寝ると――


(まぁいいけどさ)


 野宿慣れしたセイヤにはソファで寝ることはまったく苦痛ではなかった。十分な環境である。


 そして深夜。


 寝室のドアが開き出てくる人物が一人。


(きたか……) 

 

 セイヤはそいつの正体を見抜いていた。


(凝りもせずに――今回は一発いいのをペンッしてやんないとな)


 悪い子はペンッするのがセイヤの流儀。

 近づいてくるその人物の影。

 静かに待ち構えてるセイヤ。


 続きは次回に――



はたして、

その正体は?

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