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【完結】ガン=カタ皇子、夜に踊る  作者: 2626
First Chapter

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第85話 A:愛と平和

 車椅子の大怪我人の男に健康体の女が襲いかかったら、『普通なら』大惨事になる。

しかしオレ達は一人じゃなかった。

テオの体にオレが宿っている事がきっかけで――オレがテオの体の神経や骨の代わりをする事で、この体を自由に動かせるようになっていたのである。

とは言え怪我人なのでそこまで大した動きは出来ず、車椅子から立って医療用の寝台にユルルアちゃんを押し倒す形で押さえつけた。

これだけの動きなのに、気絶しそうなくらいに体中が痛い。

「えっ!?」

「そうだ!それでも欲しいのだ!」

言うなりテオドリックはユルルアちゃんに口づけた。


 『痛い!馬鹿、痛いってば!』

 『耐えろ根性なし、ここからが本番だ』

 『ふざけんなああああ!!!?オレに痛みを肩代わりさせておいて何するつもりだーーーーーーー!?おいコラ絶対にマジで許さねえぞテオーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!このクソ変態野郎がああああああ!うぎゃあああああ痛い痛い痛い!!!

あぎゃああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!』


 「何処が清らかで無いか言え!僕が悉く清めてやる」

 「それはっ」

 「ここか」

 「違っ」

 「ここか」

 「そこはっ」

 「ここだな」

 「ああっ!?」

 「嫌か?」

 「嫌じゃ、」


 『止めろ馬鹿止めろおいマジで痛いんだって!!!痛い痛い!だから痛いっつってんだろうが!!!ぎゃあああああああああああああ!!!!しぬしぬしぬしぬしぬしぬマジで痛くてしぬ!助けてかーちゃんねーちゃんオレ痛いよ痛いいいいいいいいい!!!!

ぎゃあああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーーー!!!』


 ……しっかり最後までやる事をやって、着崩れた服まで整えてやってからテオはユルルアちゃんに情熱的に囁いた。

え、オレ?オレと言えば、激痛に耐えかねて青息吐息の虫の息だった。

後でテオにもこの痛みをたたき込んで憂さ晴らししてやるからな、待っていろよ……。

「どうか僕と最後まで添い遂げておくれ、ユルルア。顔が醜かろうが心がねじ曲がろうが、僕はどうしても君が欲しいのだ」

「……はい……テオ様」

ユルルアちゃんはほんのりと顔を赤らめてぴったりとテオに寄り添い、蜂蜜のように甘くとろけた声で返事をした。

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