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【完結】ガン=カタ皇子、夜に踊る  作者: 2626
First Chapter

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第74話 KISSって何だと聞かれます

 「子作り?子と言うのは作るものだったのか。で、素材は何だ?製法は?道具は何だ?」

薄々……予感はしていたが、案の定そこから始まった。


 クノハルが下心のない知識に基づいた真面目な性教育を施している中、オレ達とユルルアちゃんは顔を見合わせて相談する。

「これはいっそロウに頼んで娼館で実体験させた方が早いのでは無いだろうか」

「それは後回しにして、誰を娶るかが問題ですわよ。オユアーヴのあの性格に耐えられる女性がこの世にいると、私にはとても思えなくて……」

「いや、相手は『善良帝』に探させた方が良い。このオユアーヴが悪女に引っかからないと思うか?」

「ああ……金蔓にされたとしても、その自覚は死んでも抱きませんわね。ただ、今は座学にて正しい子作りの知識を教えねば話になりません。申し訳無いけれども、クノハルに頼みましょうか……」


 「疲れました……」

クノハルは3時間続けて正しい性教育の授業をした後で、天を仰いで放心している。

「オユアーヴの性格は分かっています、興味が無ければ一切の意識を向けないと。ですが子供相手ではなく年上の男相手に……まさか……まさか……」

「ごめんなさいね、クノハル。ロウさんに実践も兼ねて娼館に連れて行って貰った方が良かったかしら」

「絶対に駄目です!」はっと我に返って、ユルルアちゃんの方を向くなりクノハルが珍しく声を甲高くして叫んだ。「兄に任せたら闇カジノまで連れて行きますよ!初心者を連れて行くと運が回ってくると言う論も証拠も無い理由で!」

オレ達は思わず問うていた。

「く、クノハルも、連れて行かれたのか?」

ロウならやりそうである。基本的にまともだが、欲が無い訳じゃないのだ。酒も女もギャンブルも程々に好きである。溺れてしまう事は無さそうだが。

クノハルは項垂れて、深いため息をついた。

「借金が膨らんでどうしようもない時だけ一度……。どうにか勝ちましたがもう御免です」

なまじクノハルが勝っちゃったからロウも調子に乗ったのかも知れないな……。

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