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【完結】ガン=カタ皇子、夜に踊る  作者: 2626
First Chapter

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第71話 磁力のように

 オレ達の放った魔弾がソーレの両腕を貫いて転倒させる。

すぐさまオユアーヴの拘束を解くと、ソーレは笑い出した。

半狂乱になって笑い出した。

「ハハハハハハハハ!どうしてだ、どうしてだ!?どうしてここだと分かった!?ここの倉庫群に地下室なんて幾つもあったんだぞ!!」

オレ達は黙ってオユアーヴの拉致現場に残されていた調味料の小瓶を投げた。いつもオユアーヴが使っていたその瓶は中身が空っぽになっていた。

「……まさか、まさか!!!!」

ソーレは大きく目を見張り、それからオユアーヴを凝視した。

その問いに返事をするように――ベッ、とオユアーヴは血の混じった唾液と一緒に口から小さな蓋を吐き出した。

「『合体』で引き寄せてはいたが……近くに来なければ反応できないから、気付いて貰えるか、間に合うかは一か八かだった……」

しばらくソーレは何も言わなかった。

黙って体を震わせていたが――やがて治安局がこの建物の地階に踏み込んで来た事を示す怒号と足音が耳に入ってくると、ポツリと呟いた。

「私は、どうやっても貴様に負けるのか……」



 御印工房『インペリアル・ブラック』の頭領が殺人と暴力沙汰を起こした。この一大事は帝国城に激震を走らせた。しかも取り調べを受けたソーレは先代の頭領のタンドンとディナ夫人へ、親族一同と謀って毒を盛った事も自白したので、クォクォ一族とディナ夫人の実家であるワエン一族の者まで芋づる式に逮捕された。

かつては『赤斧帝』の寵臣であったが故に見逃されたソーレだが、今の『善良帝』は彼らに対して司法に則って処罰を下すようにと命じた。

娼婦殺し及び毒殺事件の主犯とされたものの、毒殺事件の方は自白したため減刑され、ソーレは公開処刑ではなく毒杯をあおる事を許された。離縁されたとは言え、彼の元夫人や子供達への影響も鑑みての処罰だった。クォクォ一族及びワエン一族で関与した者は地位と名誉と財産を剥奪した上でのおよそ20年の労役刑等を下された。



 その話を聞いて、オユアーヴはソーレに面会を申し込んだ。まだ額には殴られた痕が残っていて、杖を突いている有様のまま。

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