表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ガン=カタ皇子、夜に踊る  作者: 2626
First Chapter

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/297

第49話 最強の零距離近接お祓い術「ガン=カタ」

 「ガン=カタForm.12『ハングドマン』!」

『シャドウ』は一瞬で間合いを詰めて、肉弾戦でギルガンドの体を操る残呪に挑みかかった。

繰り出される軍刀の一撃を不思議な武器で受け止め、あるいは、水面の影を踏みつけてもその実体は何も変わらないがごとく、一切の攻撃を華麗に躱し、ギルガンドの体に根を張った残呪を武器から放たれた礫で完璧に粉々に打ち砕く。


 何と、とギルガンドは驚いた。話通りだ。本当に真夜中の舞台で踊っているようだ。


 『何故だ!』

焦った様子の残呪の叫びに答えたのは、礫が不思議な武器から放たれた際の雷鳴のごとき咆吼だった。

『何故当たらない?!この体は「閃翔」の体ぞ――!』


 『クソ野郎のクズの卑怯者の人でなしの!』

 『貴様が操っているからに決まっている!』

 それに、と追撃は続いた。

 『お前みたいな鬼畜を放任するほど!』

 『僕達は弱くも腐りきってもいない!』


 ――ギルガンドの心臓にその礫は命中して、確かに一度は心臓が止まったのを彼は自覚した。

それなのに、何故か見えていた。聞こえていた。感覚として知覚していた。

心臓を撃たれてギルガンドの体を蝕んでいた残呪の力が弱まった瞬間に、シャドウの背中から3本目と4本目の手が伸びて、残呪の具現化した黒い植物をぐいとばかりに根こそぎ引っこ抜き、すぐさま靴底で踏みにじって潰したのを――そして手当てをしようとして、横倒しになった彼の側で跪くのも。


 『やば、心臓が止まっている!』

 『オート……なんとかだ!やるぞ!』

 『オートメイティッドエクスターナルデフィブリレイター、略してAEDだ!』

 『正式名称は後にしろ!』

 『まずは脱がさないと』

 『っ、酷い怪我だな……』


 軍刀で服を切り裂かれたと思ったら、全身に、文字通り感電したような酷い衝撃が走って――ギルガンドは意識と呼吸と痛覚と体の自由を同時に取り戻していた。

「げぼっ!がはっ、がっ、ぐっ――!」

あの凄まじい衝撃のためか全く体を動かせない、それでも視線だけを動かして暗闇の中へ消えていくシャドウの後ろ姿を睨んで――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ