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【完結】ガン=カタ皇子、夜に踊る  作者: 2626
Final Chapter

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296/297

第295話 ガン=カタ皇子、夜に踊る

 今や、どこもかしこもその噂で持ちきりである。

帝国第一高等学院が、帝国城が、帝都が、帝国が、世界中が。

「『シャドウ』が世界を救ったそうだぞ」

「あの夜、聖地へと夜空を一人駆けた者は『シャドウ』だったらしい」

「凄く格好良かったらしいぞ!」

その噂の主は、今夜も――。




 かくなる上は開き直って行くしか無いぞ、相棒。

 ああ、もはや他に道は無い……。




 ――さて。

その噂は、いつ誰が最初に口にしたのかはどの者も知らないのに――ガルヴァリナ帝国の偉大なる帝都ガルヴァリーシャナで暮らす民の中で、謎めいた空想話のような内容をひっさげながら、あっという間に広まっていたのだった。

「その仮面の者は不思議な武器を両手に宿し、闇夜のごとき黒い装束をまとって、この帝都に蔓延る邪知奸悪と戦っているそうだ」

「どうも、さる高貴な方のご落胤らしい」

「何でも、皇帝殿下の密命で動いているとか」

「いや、神々が遣わした正義の執行者だと聞いたぞ」



 ――その噂は間違ってもいないが、正解でもない。

 噂は所詮は噂でしか無いのだから。

 有象無象の噂を、むしろ隠れ蓑にして『彼ら』は今夜も暗躍するのだ。

 表向きは『不遇で不出来な皇子』を演じ、そして夜の訪れと共に月光に照らされる帝都に赴いては――。




 そうさ、オレ達は今夜も踊る。

 全てはガン=カタを極めるために!




    Gun=Kata Prince Dancing in the Night―Finale!


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