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【完結】ガン=カタ皇子、夜に踊る  作者: 2626
First Chapter

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第139話 無音通信

 ――帝都の家々の屋根の上を帝国城目がけて一目散に駆けながら、オレ達は『シルバー』&『ゴースト』を手にして、いつでも魔弾を放てるように魔力を装填した。


 『――た、たた、たたたたった、ああああ、うひゃっ!?』

その時、ゲイブンから無音通信が来たので、オレ達は異変に気付いた。

よろず屋からはいつだってロウが無音通信をしてきていたのに、何があったんだ?

『どうしたんだ、ゲイブン?』

ゲイブンは尻に火が付いたような混乱っぷりだった。

『ロウさんがいきなり出て行っちゃって!そうしたら女の子が出てきて!女の子が助けてって言って!黒い植物の中に閉じ込められて!で、女の子がロウさんが呪われたって!』

『深呼吸できるか?スー、ハー、スー、ハー……真似してくれ』

『スー、ハー、スー、ハー……ふ、ふうっ!「シャドウ」さん、あ、あのですぜ!』

ゲイブンはつっかえながら話してくれた。ロウが先ほどいきなり出かけてしまった事。

そうしたらパーシーバーと名乗る女の子が出てきたのだが、黒い植物に閉じ込められて動けなくなり、ロウが『乱詛帝』による呪いを受けていた事をオレ達に伝えて欲しいと懇願した事。

『ロウが何処に出かけたか分かるか?』

『そ、それが――あっ……』

ゲイブンが少しだけ沈黙した。

『ロウさん、杖を置いていっていますぜ!?じゃあどうやって歩いているんですぜ!?……え?あ、分かりました、交代しやす!』

続いて聞こえたのはパーシーバーの苦しそうな声だった。

『「シャドウ」、大変よ……ロウも「乱詛帝」の呪いを受け継いでいたみたい……もう意識は残っていないわ……どうにか魂だけは守れたけれど、体を……奪われちゃった……』

『どうしてロウが呪われたんだ!?』

『血よ……血……。ロウの血縁上の父は……「乱詛帝」だったんだわ……。

あの人でなしは……己の血にも呪いをかけていたのよ……己がもしも……殺されても……精霊獣を従える……血を引き継いだ者の体を奪って……復活できるように……まるで病が潜伏する時のように……静かに……時が来るまで……!』

『「赤斧帝」に「乱詛帝」が揃っているとはこれまたご大層な歓迎だ』

『ごめん……ロウを……助けて……、わたしの、大事な……大事な……』

『「シャドウ」に任せろ』

『…………』

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