68、寵愛と右腕と左腕と、色とりどりの光。
本日2話目。
とにかく、いまのあたしは、あの魔王城でジュドーと戦う前より、大分強くなってたりする。
すごく大きな変更もしたし、その他にもいろいろと振り直した。
少なくとも一対一の決闘限定なら、間違いなくあのときより強くなっていると断言できる。
……あとは、寵愛? うーん。
確かに負けて軍門に降ったから、一応はあたしの主人……ううん。やっぱり同志であるジュドーといろいろお話したり、朝昼晩と一緒にごはんを食べたり、午後三時にはお茶したり、談笑したり、たまーに、ついって感じで手が出たみたいな感じのジュドーに頭をなでて褒めてもらったりするのは、正直に言えば好きだけど、寵愛っていうのとはちょっと違うし……。
そもそも、ジュドーの左腕のあたしだけじゃなくて、右腕のデスニアちゃんも大体いつも一緒だし。
あたしなんかより、デスニアちゃんのほうが、もっとずっとジュドーにべったりだし。
だってデスニアちゃんといえば、ドォン! って自分の部屋の壁パラパラぁって壊して、無理やりジュドーの部屋と繋いじゃって。
「こ、これでこの我と同棲……ど、同室じゃな! じゅ、ジュドさま……!」
って、すーっごく大胆なことをやっておきながら、あのとき耳まで真っ赤になってたし。
それに比べれば、いまあたしが魔王城で住んでる部屋だって、デスニアちゃんと違ってちゃんと扉一枚で分けられてるからジュドーと同室じゃないし。
……まあ扉に鍵がついてないから、何故か出入り自由なんだけど。
ちなみに、それについて前魔王だったデスニアちゃんに「ねーねー? なんでー?」て聞いてみたら。
「ん? 何を言っておる? あたりまえじゃろう? 元々あそこは王配――い、いやっ! そそ、そんなものっ! そそ側近たるものっ! 主人のもとへと逸早く馳せ参じるために、きき決まっておろうっ! おろうっ!」
って、やたらあわあわして、耳どころか、実はぷにぷにして柔らかい黒い角の付け根まで赤ーく染めてあのとき言ってたっけ。
んー。なーんかどこかしっくりこないけど……ま、いっかー。
あたしのお部屋って、基本はお世話してくれる戦闘メイドさんたち。
つまり、紫の三つ編みが可愛いラベンダさんやピンクのツインテールが可愛いチェリちゃんとか、たまーに、またぷにぷにの角の付け根触りたいなぁ……なデスニアちゃんとか女の子しか訪ねてこないし。
ちなみに、唯一訪ねてくる男の人。お隣のジュドーの場合は。
「紳士たるもの、貴公子たるもの……! 万が一にもこの俺が婚儀も結んでいない婦女子のラッキースケベなあられもない姿に出くわすなど、二度とあってはならない……!」
とかよくわからないこと言って、あたしの部屋を訪ねるときには。
……うーん? コンコンコンコンコンコンコン、さすがにちょーっと長すぎないー? しつこーくないー?
ってくらいに、あたしが「いいよー?」って言っても、それからさらに何度もすーっごくいーっぱいノックして二、三度しつこいくらいに確かめてからじゃないと、ぜーったい入ってこないし。
――まあ、前にあたしが「んー? まだ着替え終わってないけど、ジュドーなら、まーいいかー」って半分下着姿なのに扉開けさせちゃって、「うひぉおあああぁぁっっ!?」って、ジュドーっぽくない悲鳴を上げさせちゃったせいだけど。
……と、そんなとりとめのないことを考えながら、あたしは荒くなった息を整えていた。
適度に力を抜いて。あえて張り詰めていた集中をわざと一度切らして。
「こおおおおおぉぉぉぉぉぉ……!」
――敵の、英雄の放とうとする、いままでとは違う必殺の一撃に備える。
あたしの眼前に立つ、天技将帝キルシュアーツの手にする華美に装飾された儀礼的な業物の剣を四大属性を象徴する色とりどりの光が覆っていた。
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