精霊、発進させる
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします
『ちょうこうどこーてぃんぐ!』
しばらく魔力を放ちながら踊り続けていた精霊さん達が大きく声を上げる。
すると精霊さん達から放出されていた魔力が石像へと流れ込んでいく。
魔力が石像へと注がれていくたびに、石像が徐々に金属的な輝きを帯び始めていた。
それも虹色に輝く鉱石のようなものに。
「あれってなんだったかなぁ」
魔力を帯びて虹色に輝く鉱石。
確か学校で学んだ気がするんだけどいまいち思い出せない。
『さすがに位の低い小精霊といえどあれだけ数で魔力を注ぎ込めば凄いことになりましたね』
『うむ、オリハルコンの石像、いやオリハルコンじゃから石像と言うのはおかしな話かのぅ』
あ、それそれ。
確かオリハルコンだよ。
世界で一番硬い鉱石だったかな。
本で読んだのはイラストでしかなかったから本物は見たことがないけど、読んだ話では小石くらいの大きさのオリハルコンを巡って国が戦争してたって話もあったね。
精霊さん達が作った石像、オリハルコンの像だからオリハルコン像? ならどれくらいの価値がでるんだろう?お金の価値というのもよくわからない私には想像もつかない。私は別に欲しくないけど。
という事はあのオリハルコン像って世界で一番硬いわけなんだけど……
「あれってさ、兵器っていうくらいなんだから動くよね?」
『こうそくいどうできるよ!』
『そらとふべるよ!』
『まほううてるよ!』
「そ、そうですか」
軽く聞いてみたけどやっぱりヤバい。
高速移動はまだわかる。でも空飛んで魔法を撃てる像ってのはおかしすぎる!
『この世界には動く石像やら空を飛ぶ石像の魔獣、ガーゴイルなどがいた記憶があるのじゃが?』
「いや、私はそんなの見たことないんだけどね。でもあんな輝いてはいないと思うよ?」
そもそも世界最硬のオリハルコンの魔獣なんていたらそれだけで国が滅びちゃうんじゃないかな?
いや、よく考えたら精霊さん達ですら暴れたら止める手段なんてないわけだけど、歩く凶器と化しているあのオリハルコン像が暴れたら誰も手をつけられないんじゃない。
『よし、からみてぃはっしん!』
『しうんてーん』
『なぎたおせー』
物騒な発言をしている精霊さん達は我先にといった様子でカラミティへと突進していき中に入っていく。
そしてかなりの数の精霊さん達が中に入るとオリハルコン像、カラミティが閉じていた両方の瞳をゆっくりと開き、瞳を禍々しい赤色に輝かせながら背中の四対の翼が音もなく動き出すとカラミティは宙へと舞い上がったのだった。




