エルフ、思いつく
『待ちなさい! そんなの使うなんて許さないわよ!』
私がダンジョンコアの力によって作り出した超快眠寝具セットを精霊さん達と共にログハウスの中に運び込もうとしているとイーリンスが入り口の前に立ち塞がってきた。
さすがにダンジョンコアという事がわかった球体はそのままにしておくと危険という事なので球体から指輪へと形を変えておいた。
なんかおぷしょん、とやらで形を変更する事ができたので変えておいた。
今は私の指に収まってる。
「だってログハウスの中にあるベッドで寝たらイーリンスが起こすじゃない!」
『そーだそーだ』
『おーぼうだー』
楽しいからか知らないけど精霊さん達も便乗してくる。いや、君達は日頃文句を言ってくるイーリンスに言い返したいだけなんだろうけどね。
『何言ってるの! このログハウスはわたしが作り上げた完璧な物よ! そこに余計なものを持ち込むなんて許さないわ!』
この堅物め。
ベッドの一つくらい見逃してくれたらいいのに。
それに完璧とかいう割には家具もそんなになかった気がするけどイーリンスはなんか細かそうだからなぁ。あんまり物を置かないタイプなのかもしれない。
部屋が散らかり放題のソラウとは大違いだ。彼女の部屋はよくわからない物がそこいら中に転がってるからログハウスの中では危険地帯扱いされてる。
でもイーリンスは本気だ。なにせ彼女の怒り具合が私にも見てわかるくらいに周りの植物が蠢いてる。
下手な事をすれば私も精霊さん達同様に植物で吊し上げを食らいかねない。
そこで不意に私は思いついた。
超快眠寝具セットはダンジョンコアの力で作れた。
どれくらいの物まで作れるかわからないけどダンジョンコアは魔力さえあればものを作ることができる。
だったら建物も作ることができるんじゃない?
ランダム召喚というギャンブルでしかないような召喚でもイーリンスのログハウスは呼び出せたわけだしね。
ダンジョンコアなら魔力さえあればいけるんじゃないの?
幸いな事に魔力の元となる精霊樹が近くにあるからダンジョンコアには常に魔力が注ぎ込まれている状態みたいだし。
別にログハウスにこだわる必要ってないよね?
せっかくダンジョンコアなんて物があるんだから有効活用して私のぐーたら生活をサポートしてもらわないと!
『なによ、急ににやにやと、笑い始めて』
これからのぐーたら生活に想いを馳せてたらついつい頬が緩んじゃったみたい。
「じゃぁ、ログハウスにベッドを入れるのはやめるよ」
『ふふん、あなたにもこのログハウスの完璧さがわかったようね』
いや、それはよくわからないけどイーリンスは満足気な笑みを浮かべてるからあえてログハウスについてはなにも言わない。
「だから新しく作ってみようと思うの」
『え?』
イーリンスの間抜けな顔を見た私は笑みを深めて指に収まる指輪の魔力を引き出すようにして私のイメージを頭に浮かべてみた。
すると指輪は先程ベッドを作り上げた時とは比べ物にならない程の輝きを放ち、周りを光で包み込んだのだった。




