エルフ、作る
「本当にあった……」
フィズが役に立たないので仕方なく、自分で泉へと潜る羽目となった私は手にした輝く球体を髪から水を滴らせながら眺め、呟いた。
うん、確かに初めの荷物の中に入ってたやつみたい。
でもあの時はこんな輝きを放っていなかったし、魔力も感じなかった。というかただの球だったし。
『わたしの言った通りだったでしょ?』
私の肩の上から覗き込むようにしていたイーリンスが満面の笑みを浮かべて私を見てた。
「これだけ魔力があったら分かりそうな気がするけど……」
それに一回、泉の水はレオンさん達が中に入って汚れたから全部水は抜いた事があったけどその時には見当たらなかったはず。
『ぼくたちもみてないねー』
『きらきらしたのがあったらきづくよー』
イーリンスの植物から解放された精霊さん達へと視線を向けると「知らない」と口を揃えて言ってるし。
よくわからない謎だけが残った。
「それでこれがダンジョンコアなの?」
『そうよ、って本当に知らなかったのね』
家追い出されて持たされたのがただの球体で使い道がなかったら、そりゃガラクタだと思ってもおかしくないですよね?
『今は魔力が満ちてるみたいだから物くらいなら作れるんじゃないかしら』
「ふーん」
手にしている球体、ダンジョンコアからは確かに凄い魔力を感じる。
というかこれ、もしかしたら精霊樹から発してる魔力を吸ってるんじゃないかな?
もし、このダンジョンコアに魔力を貯める能力みたいな物があるのなら精霊樹から溢れる魔力を貯めるだけでとんでもない量になりそうだし。
さて、どうやって作るのだろう?
そんな事を頭で考えているとマップが頭に浮かんできた時と同じように幾つもの項目が頭の中に浮かんできた。
これは作れる物のリスト?
頭に浮かぶのは色々な物でなぜかわからないけど作れるという確信が湧いている。
頭に浮かぶ項目で何が作れるかを確認していると私はある項目に気付き、口元を綻ばせた。
『何かいいの見つけたの?』
鋭い。やっぱり精霊は考えが読めるのかもしれない。
ま、今は別に何も失礼なことも考えてないから読まれていても全く問題ないわけなんだけどね。
「今まさに私に必要な物がね」
そう、今の私にはこれが必要だ。
むしろ私にはこれがないと生きていけないとも言える。
「作成」
頭に浮かぶキーワードが口から自然と出た。すると手にしているダンジョンコアが光を放ち、ダンジョンコアから溢れた光が私の目の前で徐々に形を取り始める。
「やった! 成功した!」
『あ、あなたって人は!』
イーリンスが呆れたような声を出してくるけど今の私には関係ない。なにせ待望の物が作り出せたんだから!
そう、私がダンジョンコアの力で初めて作り出した物、それは、
超快眠!寝具セットだった。
よし、これでよく眠れるようになるぞ!




