エルフ、眠気吹き飛ぶ
『わたしに勝つなんて百年早いのよ!』
十分ほどたったのかな
目の前には植物に縛られたり、木で押しつぶされたのかペラペラになっている精霊さん達の姿と腰に手を当てて鼻息荒く宣言しているイーリンスの姿があった。
『むねん』
『もりではかてないよー』
『おとなげないー』
捕まった精霊さん達が不満を口にしているわけだけどイーリンスはそれを無視。軽く手を振るうと精霊さん達を縛っている植物の締め付けが強くなったのか精霊さん達が悲鳴を上げる。
『『『ぎゃぁぁぁぁぁ!』』』
『何か言ったかしら?』
『いってないでーす!』
底冷えしそうな声音のイーリンスに尋ねられたからか精霊さん達は声を揃えて前言を軽々と撤回してた。
イーリンスも容赦が全くないなぁ。
「それでイーリンスはなんで姿を現したの?」
今までまったく姿を見せなかったのに今日はソラウの呼びかけにあっさりと応じて出てきた。
あの感じだってソラウは何回かイーリンスとこのログハウスで会ったことがあるみたいだった。
『そうよ! そっちが本題よ! 話を逸らさないで!』
ハッと思い出したのかイーリンスが私へと向き直ってきた。
いや、会話しようとしてたところを精霊さん達が君への報復にログハウスを攻撃しようとしたのが問題だった気がするのだけど、なんだか私が悪いみたいな言われ方だよね。
『わたしが作ったベッドを占有しておいて新しいベッドを買いに行こうとするなんて許さないわ!』
「だってイーリンスがベッド傾けるからじゃない」
別に私だって好きで森から出ようと思ってるわけじゃないんだよ。
寝てたらベッド傾けて無理やり起こしてくるのが嫌なんだ。
むしろ本来なら引きこもっていたいくらいだよ。
『ずっと寝てたら不健康でしょ!』
「静かにしてるんだからいいじゃない」
うるさいのが嫌いな割にはやたらと細かいなぁ。
私は寝てたら静かにしてるんだし寝かしといたほうがどちらにもいい関係になれると思うんだけど。
なんだか考えてると眠くなってきた。ベッドを買いに行くのは今度でいいかもしれない。
うん、そうしよう。今日は寝よう。
「じゃ、私は寝るので邪魔しないで下さいよ?」
『いるぜーぼくたちをたすけてー』
ログハウスに戻り寝ようとした私の耳に精霊さん達の助けを求める声が入ってきます。
「それは自業自得なので今日一日は反省しときましょう。なに、寝たらすぐですよ?」
『『『ひどいー』』』
だって助けたらイーリンスが怒りそうじゃない?
それにイーリンスだって何日も放置はしないでしょうし。
そう判断した私は欠伸をしながらログハウスへと歩みを進めようとして、
『待ちなさい』
イーリンスに腕を掴まれ歩みを止めざる得なかった。
「眠いんですけど?」
『あなた、事故とはいえ、わたしの契約者になって更にはダンジョンマスターにもなってるんだからダラけた生活なんて許さないわよ⁉︎』
ちょっと待って。
なんだか眠気が飛ぶような聞き捨てならない言葉が出てきた気がするよ?




