エルフ、繋げる
「そりゃ!」
私の掛け声と共に投じられた魔力球は風の刃を振り回しながら落下する城へと向け飛んでいく。
飛んでいくのも城サイズの巨大な魔力の球体だから下から見てると魔力球に隠れて城が見えなくなってる。
そして魔力球と城がぶつかった瞬間、何かが弾けるような大きな音と衝撃が上から私を襲ってきた。
「ぎゃわん⁉︎」
意図してない衝撃がいきなり来た物だから私は転がるように吹き飛ばされた。
慌てて起き上がって周りを見ると放たれた衝撃波で周りは大惨事だった。
森の一部は吹き飛ばされてるし、私の城の方もなんか老朽化が一気に進んだような感じになってる。
え、私、魔力放っただけだよね?
『イルゼ、お前……』
『なにしてるの……』
ソラウや精霊さん達に話しかけられて私は転がった拍子についた土埃を払いながら立ち上がる。
「何が?」
『あれを見てみよ』
「あれ?」
ソラウが指を指すのは落下してくる城と私の魔法がぶつかった辺りだったんだけど……
指の先から私はそっと眼を逸らした。
「あれ、城と魔法は?」
『お主、現実逃避をするではないわ!
ソラウが凄い力で私の顔を掴んで無理やりに視線を向けるようにしてきた。おのれ大精霊! 無駄に力が強いな⁉︎
『あれは明らかにやりすぎじゃ!』
「私にはあれが何かわからない!」
だって私が魔法を放った先には巨大で真っ黒な穴が空いてるんだもん!
「落ちてきてた城は?」
『そんなもんはあれに飲み込まれたわ!』
あ、飲み込まれたんだ。壊したわけでもなく? つまり世界の危機は回避できたわけだよね?
つまり私、救世主!
『……何考えとるかわからんがな、いい加減に自重という言葉を覚えんか!』
「え、唯のエルフに何言ってんの?」
なぜか脳裏にアンとトロワが高速で残像が見えるくらいの速さで顔を横に振っている姿が思い浮かんだけどなぜだろう?
『……もうよいわ。それよりも問題なのはお主が抉った空間の繋がり先じゃ』
「あれ別のとこに繋がっ……」
言葉を続けようとしたらソラウ曰く、別空間への入り口から爆音と共に真っ白な火柱が飛び出してきた。
「別世界に繋がってるの」
『まあ、別世界と言えば別世界じゃな』
『あれもしかして、』
『なつかしいかんじが』
『せいれいかいじゃない?』
「えっ⁉︎」
精霊界⁉︎
それって簡単に繋がる物なの⁉︎
『だれだぁぁぁぁ! 他所の世界に城なんて叩き込んで宣戦布告してきた馬鹿野郎はぁぁぁ!』
私が開けたらしい精霊界へと繋がる穴から炎の精霊らしい奴が怒りながら姿を現した。




