エルフ、思いつく
「おのれファルゼめ」
『いや、君にも責任があるからね?』
私が憎々しげにファルゼの体を睨みつけてるとフィオニキスは私に対して呆れたような視線を向けてきていた。
いや、そんな視線を私に向けてくるのはおかしいよね?
私は攻撃されなければやり返さない温厚なエルフ。つまりは私が悪いと罵る前に私に敵意を向けてきた奴が悪いんだよ。
「だから周り回ってフィオニキスが悪いんだよ」
『ねぇ、責任転嫁って言葉知ってる?』
「そんな言葉遊びより現実的な問題をなんとかしましょう」
問題なのはこんなデカ物が地上に落下するということだ。そして再び浮かすことは不可能ときてる。
「そうなると取れる手段は少ないよね」
この城を壊すか、逃げるくらい?
城を壊すにしてもかなり粉々に潰さないと地上へでる被害は大きいはず。
仮に逃げたとしても世界中が寒くなるのでは逃げる意味はない。それに寒いのは困る。私は寒いのは嫌いだし。
「結果、この城を叩き壊すしかないわけなんだよね」
私はこれから行わなければならない重労働を思って深々とため息をついた。
私、働きたくないんだけどなぁ。ファルゼが来てから私、ずっと動いてるよね? 私は戦闘なんてしたくないし、だらけて寝たいだけなのに。どこかでやり方を間違えたんだろうか?
いや、今はそんな事を考えてる場合じゃない。ここで頑張らないと私のだらける生活基盤が破壊されかねないわけだし。
「中から城を破壊してったらいいか」
『それはお勧めしないなぁ』
破壊する事を決定した私な意思にフィオニキスが水を差す。何、大精霊は発言を遮らないと気に入らない方なんですか?
『いや、そんなジト目で見ないでよ! 助言だよ助言!』
私が剣呑な気配を纏い出した事に気付いたフィオニキスが慌てたように弁解をしてきた。
『この城、中身は空間魔法でかなり拡張してあるんだ。だから外から見るよりかなり大きく作られてる。そんな空間を無理やり壊したりなんかしたら……』
「したら?」
『少なくとも中にいるの生き物は空間魔法の反発で跡形もなく消し飛ぶ。外側にはどんな被害が出るかわからないよ。だからと言って外側からこの城ごと消し飛ばしてもやっぱり内包する空間魔法がどう作用するか予想もつかないよ』
「なるほど」
つまりどうすればいいんだろう?
中からも外からも壊したら周辺に被害が出たり犠牲者が出る。かといってそのままにしてたら私のお家が吹き飛んで寒くなる。
あれ、その前に私精霊樹剣で外から内へ突き破って入ったけど無事だったんだけど?
一部分だけだったから大丈夫だったのかな? いや、ソラウの奴は私のお家で突っ込んで来てたな。外側から。
なにかしらの魔法を使ってるのかもしれないから確認したらいいか。
「とりあえずはここから出てソラウや精霊さん達にどうやったか聞こ……」
聞こうと言葉を続けようとして私の脳裏にとても、とてもいい考えが思いついたのだった。




