エルフ、酔う
なんだか今ならなんでもできる気がする。
体の中を巡る漲る魔力のせいかなんだか万能感まである気がする。いや、身体がふわふわする。
うん、いける気がする!
『なんかいつになく好戦的な気配がするのう……』
『ねえ、あれ魔力酔いしてない⁉︎ 高密度の魔力に酔ってるよね⁉︎』
「酔ったらいよ!」
『『口調が怪しい!』』
なんか大精霊がうるさい。周りの風景もなんか歪んでるみたいだけどなんでだろう?
いや、それよりもこの万能感を試したい。
「じゃ、いくろ?」
『ねえ、酔ってるよね⁉︎』
全身に漲る魔力を足へと集中させて床を踏み抜いて駆ける。視界がなんか揺れるけど今までよりも明らかに身体が軽い。
なぜか二人いるフィオニキスに向かって精霊樹剣を振るう。
ただ無造作に振るうだけで前の空間が歪んで周囲を破壊していく。
『ソラウちゃん! これおかしいよ! なんで振るだけで空間が捻れてるの⁉︎』
『魔力がよくわからん混ざり方をしてよくわからん現象が発生しとるだけじゃ!』
『よくわからんばかりじゃない⁉︎』
あれ、いつのまにかソラウも二人になってる?
つまり敵は四人?
なんかゆらゆらしてるけどなんでだ?
「ま、全部ぶっ飛ばせばいいか」
『いつになく単純な思考じゃな⁉︎』
だって頭が動かないし?
もう、さっさとぶっ飛ばしたほうが早い。
方針を決めたら即動く。
魔力漲る体を動かして精霊樹剣を振り回しながら駆ける。当然、魔力も纏った精霊樹剣を振り回すから周りも壊れるけど気にしない。ついでに魔力による竜巻まで発生してるからすでにフィオニキスの城はどんどん壊れてる感じだ。
『ひぃぃぃ!』
『はかいのごんげだ』
『ここはきけんちたいだぁ』
『あーれー』
精霊さん達は悲鳴を上げて逃げ回ってた。
逃げれない精霊さんは魔力の竜巻に巻き込まれてとんでもない速さで天高くまで飛ばされてた。
「きゅーきゅぅ!」
昼寝をしていたはずのフィズもどうやら竜巻に巻き込まれて飛ばされているみたいだ。さすがにそれなりに重いからか即座には飛んで行かないけど徐々に高く上がって行ってる気がする。しばらく見てるとついに見えない高さまで飛んでいった。
ついでに城もガンガン削っていってるね。
『こ、これ以上城が壊れたら空中でバラバラになっちゃう!』
『この規模の魔力の塊である城が空中で爆散。地上に落下などしたら禁呪クラスの被害が地上に出るじゃろうな』
『そんな規模の被害を特に目的なく出したら……』
『間違いなく精霊王からの説教じゃな。あとは百年くらいの封印刑じゃな』
『それはいや!』
『我は無関係じゃからな!』
大精霊がなんか揉めてる。
その間にも城はガンガン壊れていってるけど……
「ま、いっか」
大精霊は無視して私は再び、精霊樹剣を振り回すことを選択したのだった。




