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大精霊、被害者ぶる

 

「なんだこれ?」


 私は服を突き破って現れた次々に色が変わる魔力・・の羽らしき物を見て首を傾げる。

 なんかこの羽が出て来てから肩甲骨あたりにあった違和感がなくなったみたいだけどいきなりこんなのが出てくるなんて思わなかったよ!


『あれ、魔力の羽だよね?』

『奇遇じゃな。我も同じように魔力の羽みたいなのが見えるんじゃ』

『……エンシェントエルフって羽あったっけ?』

『確か、魔力量が異常な個体が魔力で体が自壊せんように作り変えたとかいう記録があった気がするんじゃが、作り変わったあとは個体差が多すぎるからのう。じゃが見る限りあれら実体のある羽ではなく魔力が可視化された羽のようじゃな。能力は全くわからんが』

『エンシェントエルフの魔力可視化とか怖すぎるんだけど……』

『我だって怖いわ』


 なんか羽根は私の思う通りに動いてる。あとなんか周りの魔力をひたすらに吸収してるのかな?

 飛び交う魔法が精霊樹剣に触れた時と同様に羽に触れた瞬間、分解されて吸収されてる。さらには分解吸収された魔力は体を巡って何かしらの強化に使われてまた体に違和感が生じるというサイクルを繰り返してる。


「ま、羽が生えただけだし? 魔力だし消せるよね……」


 こんな羽がある状態じゃ仰向けで寝れない気がする。それはかなり大事だ。

 魔力だし、最悪使い切ればなんとかなると信じたい。


「とりあえず、騒動をさっさと終わらせようか」

『我は関係ないぞ? 無害ぞ?』


 私が羽のことを後回しにして精霊樹剣を手にしたまま、空に浮かぶ大精霊二人へと目を向ける。

 するとソラウは即座に周辺に展開していた氷の鏡(アイスミラー)を消し、両手を上げ、引き攣ったような笑みを浮かべながら私の方へと向かって来ていた。

 何、笑顔で背後から攻撃する気?


『ちょ、ソラウちゃん⁉︎ さっきまでやばい魔法一緒に使ってたじゃん⁉︎』


 こちらに向かってこようとしてたソラウをフィオニキスが焦ったような声を上げながら肩を掴んでた。


『やかましい! あんなバカみたいな魔力で殴られたら流石に我でも吹き飛ぶし弱体化間違いなしじゃろが!』

『それ僕も同じなんだけど⁉︎』

『お主は主犯! しかも加害者側じゃ! 我はやり返した側、いうならば被害者じゃからな。悪いのはどう考えても貴様だけじゃ!』

『酷くない⁉︎ あきらかにソラウちゃんもそれなりに暴れたよね⁉︎ 城半壊してるんだけど⁉︎』


「うるさい」


 ギャアギャアと喚き散らしてる大精霊二人に苛立った私は精霊樹剣を無造作に横へと振り下ろす。

 それだけで精霊樹剣から発せられた魔力が床を切り裂き、衝撃波が壁を粉砕する。

 うん、過剰な攻撃力だよね。


『……あれ、やばいよね?』

『弱体化待ったなしじゃなぁ』


 なんかソラウが黄昏てた。

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