エルフ、分解する
「精霊さん、これ止めれない?」
即死級の魔法が吹き荒れる空間を指さしながら精霊さんへと尋ねる。
『え、ぼくたちにしねと?』
『ふつうにきえるよ?』
精霊さん達が呆れたような眼で私を見てくる。いや、同じ精霊なんだから頑張って止められてくれてもよくない?
フィズなら止めれるかもしれないけど寝てるしやる気がないからね。だって魔法喰らっても無視して寝てるし。
いざという時は喚び寄せて盾にでも使おう。
で、精霊さん達が無理となるとこの大精霊同士の戦いを止める術がない。いや、あるにはあるんだけど、すごく疲れる。しかもかなり分が悪いというか精霊さん達を信用するかどうかの話になってくる。
でもこのまま勘を頼りに攻撃を避け続けるにも限界があるよね? いつか当たる自信が私にはある。
だったら多少疲れてもさっさと終わらせたほうがいいという話だ。
飛んでくる魔法を勘で避けながら、精霊樹剣を片手で構える。
『なにするき?』
『いやなよかんしかしない』
「失礼な、何か起きたら精霊さん達のせいだよ?」
『『せきにんてんか⁉︎』』
なぜか驚く精霊さん。
そりゃ、精霊樹剣で起きた出来事は作った精霊さんのせいと言っても間違いないわけだし? 私は精霊樹剣を使っただけなわけだし⁉︎
そして今回の作戦は精霊さんが更に改造した精霊樹剣を信じないと始まらないわけだしね?
「魔力注入!」
手にしている精霊樹剣へと私の魔力を一気に注ぎ込む。
城を壊すのに魔力をそれなりに使ったと思ってたけど体感的にまだかなりの魔力が残ってる感じがする。だからそれを一気に注いでいく。
魔力を注ぐたびに精霊樹剣の刃が前と同じようにカタカタと揺れるけど、以前とは違いやばい感じはしない。鉄球を切る時よりも更に魔力を入れたけど問題ないみたいだ。
「んーこれくらいかな」
大体感覚的に八割くらいは注いでみた。ちょっとした倦怠感を感じるだけで、それでも精霊樹剣からは嫌な感じはしない。
いや、それよりも刃が真っ黒になって周りを吸い込んでるような感じがするんだけど……
『それぼくたちにむけないでね』
『それできられたらきえちゃいそう』
『むしろぶんかいされる』
「え?」
『のぉぉぉ!』
『やいばこっちにむけないでぇぇぇ!』
『はねきえたぁぁぁぁ!』
精霊さん達がボソボソなんか言ってたから振り返ったら叫ばれた。
あ、精霊樹剣の刃に当たった精霊さんの羽が吸い込まれたみたいに消えた!
「おお、まさに精霊殺し」
『かるくいってるけどやばいやつだからね!』
『それせいれいをぶんかいしてるんだよ!』
『ふつうそんなのできないんだから!』
口々に精霊さん達が怒る怒る。
いや、作ったの精霊さん達じゃん? 私はただ使ってるだけなのに怒られるっておかしくない?
まあ、魔力込めたら何かしらのやばい力が発生するとは思ってたけど精霊さんを消し飛ばせる力がでるとは思ってなかったよ。
あ、どうも飛んでくる魔法も分解してるみたいだ。
「ちなみなこれで大精霊とか切ったらどうなるかな?」
魔法も分解できるわけだし、精霊さんも切れるわけだしね。大精霊すら切れると言ってもいいはずだよ。
『よくてじゃくたいか?』
『わるければきえちゃうじゃないかな?』
「ソラウ達なら死なないよね? 大精霊だし?」
『『らっかんてきだ!』』
とりあえず面倒な事を終わらせるべく、私は精霊樹剣を構えるのだった。




