エルフ、避ける
目には見えないけど確実にやばいものが私の側を通過する。いや、多分したと思う。横にいた精霊さんが吹き飛んでたし。
『ぎゃぁぁぁぁ!』
『にげばがないよぉ!』
『あたったらやばいぃぃ!』
精霊さん達は慌てふためいて動きまくってるけどなんか余計に被弾してる気がする。
だから私は動かないんだけどさ。という反応できないし。周りに風で結界を張っておいても強化されたソラウの魔法を私はかなり遅れてでしか感知できない。だから避けようと頑張っても無駄だから頑張らない!
『ソラウちゃんのくせに!』
『お主には容赦せんからな!』
悪態をつくフィオニキスにソラウは容赦なく魔法を乱射していく。
フィオニキスが躱しても氷の鏡、もしくは氷の反鏡が拾い上げてまたフィオニキスを狙う。
たまに精霊さんに直撃して精霊界送りにしてる。フィズはというとなんか飽きたのか寝始めてる。魔法が直撃してたりしてるけど全く意に介した様子がないよ。たまに尻尾で煩わしそうに弾いてる。
どんだけすごいんだドラゴン。
『くぅ、闇の手!』
『はん、出しよった根暗魔法が!』
フィオニキスが再び闇の手を大量に発動させ、周囲を一瞬にして暗闇へと染める。それに対してソラウは忌々しそうな表情を浮かべながらもフィオニキスに負けないくらいの魔法を宙に発動させて迎撃を開始。青い色の閃光が闇を切り裂くように奔った。いや、実際に切り裂いてる。
『強化された我の魔法が根暗魔法なんかに負けるわけなかろう!』
いや、あの闇の手は結構面倒な魔法だと思うんだけど? 魔法も効きにくいし。
『闇の手は質より量なんだよ!』
ソラウの魔法が切り裂く量より更に大量の闇の手が繰り出されてる。
もう目の前の空間では蒼と黒の魔法がひたすらにぶつかり合ってる。
真ん中にいたら私は死ぬね。
そんなわけで私は気配を消しながらまだ精霊界送りにされてない精霊さんと共に部屋の隅の方へと移動する。
『いるぜなんであたらないの!』
『ぼくたちちょくげきしたりしてるのに⁉︎』
「勘?」
なんか嫌な感じがする時にだけ手足を動かしたら何故か避けれるんだよね。
今も嫌な予感がしたから首を傾げると横を魔法が通り過ぎた。
「ね?」
『いや、おかしいから!』
『なんでかんでよけれる⁉︎』
『やっぱりこのばにいるえるふがいちばんおかしい』
今、この場で暴れている大精霊よりおかしいと言われるのはなぜ?




