大精霊、ご満悦になる
氷の鏡、想像以上にやばい代物だよ。
ショボい魔法で大精霊の腕を吹き飛ばしてるんだもの。しかも、フィオニキスは全く反応出来てないみたいだ。
『ふ、ふざけた魔導具を!』
『魔導具ではない、新魔法じゃ!ふふん、反応出来ておらんかったからのう? 負け惜しみにしか聞こえんわ!』
悔しそうにフィオニキスが吠えてるけどソラウは鼻で嗤うだけだ。
確かにさっきのはソラウが頭を狙えば一撃だったもんね。大精霊と言えども頭が潰れたら死ぬと思う。……死ぬよね? 首なしでも動いたりしないよね? いや、精霊ならありえる? あ、その前に精霊界にいっちゃうか。
『では本番じゃ!』
ソラウが笑い、更に手をかざすと宙の至る所に氷の鏡が展開されていく。その数はどう見ても十や二十ではきかない。
『我が新しく作ったのは氷の鏡だけではない。当たった物を弾く氷の反鏡も作っておる』
宙に展開された物を見ても全く違いがわからない。いや、今のソラウの発言が嘘ということも……
『てい』
私と同じように疑問を持ったらしい精霊さんが適当な氷の鏡に向けて魔法を放った。
放たれた魔法は幾つもの氷の鏡を通り加速し、おそらくは氷の反鏡に当たり、違う方向へと向きを変え、更に氷の鏡を通り加速、威力を増していっていた。
『……』
「……」
すでに幾つもの氷の鏡と氷の反鏡を通過した精霊さんが放った魔法は私にはもう視認出来ないほどの速度に達していた。
多分、たまに私の肌がひりつくような感じがするのは私の近くを通ってるんだと思う。確実に防御が間に合わなかったら当たった場所が吹き飛ぶレベルの威力だよね?
『これで嘘じゃないとわかってもらえたと思うが、いや、想像以上にコスパがいい魔法じゃ』
ソラウはご満悦な様子だけどまずはこの飛び回る見えない魔法をどうにかしてほしい! 当たったらやばいどころじゃない。現に私の横にいた精霊さんに直撃して一瞬で精霊界に戻されてた。しかも魔法は精霊さんを消しとばして貫通して更に反射して加速してる。たまにフィズに当たってるけど意に介した様子なく欠伸してる。変なとこで強いよね。
『さて、フィオニキス。遊びは終わりじゃ!』
更にソラウが夥しい数の氷の鏡か氷の反鏡かわからないのを展開していく。
そう、隙間をなくし、檻のように。
『で喰らうのじゃ!』
ソラウの楽しそうな声と共にソラウの掌に集まっていたソラウの魔法が放たれたのだった。




