エルフ、掴んで振り回す
死者の宴、効果としてはサロメディスが使ってたスケルトンを作る魔法に似てるけど、あっちは骨でこっちは死体なんだよね。
「死体を動かすのは禁止されてるんじゃないの?」
そしてタチが悪いのはどちらかというと死体の方なんだよね。
何故だがわからないんだけど魔力というのは身体に残る性質があって死体に残る魔力というのは骨の数倍くらいあるらしい。
つまり、戦わすのならば骨を操るよりも死体を操った方が強いらしい。
だから死体を操って動かす魔法は禁呪だってソラウが言ってた。
『闇の大精霊的には禁止じゃないんだなぁ!』
フィズに吹き飛ばされたフィオニキスが戻って来ながら叫ぶ。
そんなフィオニキスにフィズは容赦なく攻撃を仕掛ける。再び、竜魔法がフィオニキスに襲いかかるけどフィオニキスは今度は避けず、竜魔法とフィオニキスの間に突然出現した黒い球体が攻撃を受け止める。いや、受け止めたというか吸収した⁉︎
「きゅ⁉︎」
自分の攻撃が止められた事に驚いたフィズだけど、フィズの体が硬直している僅かな間に黒い球体が動き、フィズへとぶつかり、今度はフィズが吹き飛ばされた。しかも私が寝転がっている場所に向かって。
「ちょ、フィズ⁉︎」
「きゅー!」
静止してもらうために声を掛けたけどフィズも急には止まれない。
砲弾のような勢いのままフィズは転がる私のお腹へと直撃。体が再び嫌な音を鳴り響かせて私の口から血が噴き出た。
度重なるダメージに私の体が悲鳴を上げてる。もう寝たい。
ただ、このまま寝ると永眠しそうな感じだから流石に痛む体を無理やり動かしてエルフの秘薬を飲んでおく。
私にぶつかってきたフィズはフラフラしながらも立ち上がってる。ダメージを受けたのは私だけみたいだ。
「あれもタチが悪いぃぃ!」
体が動くようになったら即座に起き上がり、フィオニキスを睨む。
というかフィオニキスの周りにいつの間にか浮かぶ黒い三つの球体、あれがやばい。
なんか魔力を発してる。
『ずっと僕のターン!』
フィオニキスが私を指差すと三つの黒い球体が即座に動く。
禍々しい魔力を纏ったまま凄い速さで突っ込んでくる。
やな感じがする。なんか魔力とかで受け止めてもやばいと勘が告げてる。でも避けようとした先には大量のアンデットが。逃げ場がない。
だから同じように逃げようとしていたフィズの尻尾を掴み、勢いよく振り回す。
『くきゅぅぅぅぅ⁉︎』
飛んできた球体が振り回されたフィズのお腹へと直撃。直撃した球体が魔力爆発を引き起こす。さすがドラゴン、私なら直撃したら吹き飛びそうな魔力爆発だけどフィズは呻いてるだけだ。
『きゅう! きゅう!』
「フィズは無事だからいいじゃん!」
フィズが爆発など気にしないと言わんばかりに私に怒ってくる。球体がぶつかったお腹も全く傷がない。恐るべしドラゴン。
「フィズってさ」
『きゅ?』
「最強の武器だよね?」
『きゅ⁉︎』
フィズがギョッとしたような表情を浮かべてた。




