大精霊、直撃する
「きゅ⁉︎」
突然、私のそばに呼び出されたことにフィズは驚いたような声を上げていた。
見れば口の周りに色々とベタベタとしたものが付いてるから食事中だったのかもしれない。それは悪いことをしたと思わなくもないけれどもこちらは生命に危機だから許してほしい。
「フィズ、あれ吹き飛ばして」
『あれ⁉︎』
「きゅ!」
あれ呼ばわりしたフィオニキスが喚いているけどフィズは素早く了承。
フィオニキスの方へと身体を向けて大きく口を開ける。
それを見たフィオニキスが仮面のせいで表情は分からないけど慌てたようにフィズの射線から逃れるように動いた。
その瞬間、フィズの口から閃光が吐き出された。閃光は寸分狂わずにさっきまでフィオニキスが宙に浮かんでいた場所を貫き、爆音と共に背後の壁を根こそぎ破壊尽くしていた。あまりの火力に閃光に触れた場所は蒸発したように穴が空いてるし。以前とは火力が格段に違うね。
『え、エンシェントドラゴンは火力がエグすぎないかい?』
「きゅ!」
躱したはずのフィオニキスだけど心なしか声が震えてるね。
そりゃフィズのあんな魔法、直撃したらいくら大精霊といえども無事では済まないだろうしね。
多分、ソラウでも消し飛ぶ。私なんて言わなくてもわかるだろうけど吹き飛ぶ。
そんな恐怖を感じるような攻撃力がフィズの口から連射される。
フィオニキスが避けるたびに城が瓦礫の山と化していってる。
『よしぼくたちもやるぞー』
『はかいかつどうだ』
『わーい』
フィオニキスがフィズに手一杯になっている間に精霊さん達が城中に飛び回り始め、そこいら中で破壊音が響き始めた。
『く、精霊まで動き出したし! 仕方ない、禁呪発動!』
フィオニキスがフィズの攻撃を避ける合間に掌に集めた魔力を城へと放つ。攻撃をするという意思は見られなかったから床に転がったまま見ていただけだったけど、黒い魔力が雨のように城に降り注いでるみたいだ。私の体にも降り注いでるけど体には何の異常も見られない。これ何の意味があるの?
しばらく黒い魔力の雨が降っていたけど唐突に雨は止み、そして止むと同時に城のあちこちから大精霊と勘違いしそうなくらいに大きな魔力が発生した。
「え、なに⁉︎」
『なにごと⁉︎』
『でっかい!』
突然現れた魔力の塊に城が怯えるように震え、私と精霊さん達が驚きを露わにする。
『禁呪、死者の宴発動完了。今までみたいに行かない、ぷべらぁ⁉︎』
闇の大精霊が不敵に言ってきたけど、みんなが動きを止めている間にもフィズだけは我関せずで攻撃を続けてたものだから直撃して吹き飛ばしてた。笑いながら吹き飛ぶってめちゃくちゃ不気味だな。




