エルフ、盾にする
更新再開
「やな予感するから早く」
『かげきー』
『でもまだからみてぃとかはしゅうりちゅうだし』
『せいれいほうでもつかう?』
精霊さん達がワイワイと相談している間にも嫌な予感が胸の内に広がる。うん、絶対に面倒ごとが起こる!
「ソラウきて」
『な、なんじゃいきなり⁉︎』
繋がりへと魔力を流し、契約しているソラウを側へと無理矢理喚び出す。
突然喚び出された事でソラウはかなり驚いてるけど私もソラウを見てすごく驚いた。
だって血塗れだし。魔獣でも狩ってた?
「やな予感がする。守って」
『いや、お主のほうが我より丈夫じゃろ?』
ただのエルフがそんな丈夫なわけないのに何言ってるの?
いや、それよりもだよ!
ソラウとやりとりしている間になんか音が聞こえた。
多分、黒いのから何か出たのかも。
『あ、』
『なんかうったね』
『とんできてる』
私の予想を裏切る事なく何かが放たれたらしい。そんな言葉を精霊さん達から聞いた瞬間、私は無意識にソラウの首根っこを掴んで盾にするように私の前に持ってきて掲げる。
「ソラウバリア!」
『はぁぁぁ⁉︎ 何我を盾にしようとしとるんじゃ⁉︎』
ソラウがなんか抗議の声を上げてバタバタとあばれてるけど無視し、逃さず盾としての役割を果たしてもらう。
更には魔力をソラウへと流し込んで強化する。
『なんなんじゃ⁉︎ お主は何を想定しておるんじゃ⁉︎』
突然魔力を流し込まれたことに驚いたソラウが少しばかり顔色を悪くして尋ねてくる。
「やな予感がするから一応念のためだよ?」
『念のためなら我を掴まなくても良くない⁉︎』
「逃げるじゃん」
『なんかきた!』
逃げようとしていたソラウを逃さないよう必死に掴んでいたいると精霊さんの大声が。ついでに轟音が酷くなってる気がする。
「あれ何?」
『鉄球かのう?』
飛んできているのはデッカい鉄球だ。しかも大量のトゲトゲ付き。それが唸りを上げながら回転しつつこっちに飛んできてる。
「ねえ、ソラウ」
『……なんじゃ?』
「あれ、かなりの距離なのに結構大きく見えるよね?」
『奇遇じゃな、我も同じことを考えておった』
そう、まだかなりの距離があるはずなのに私の目に映る鉄球は明らかにでかい。
『我は逃げようと思うんじゃが……』
ふざけた事を言ってくる契約精霊を掴む腕にさらに力をこめておく。
「何一人で逃げようとしてるの?」
『お主も逃げればいいだけのことじゃろうが⁉︎』
「逃げれる気がしない」
『直感的発言じゃし、全く信用できんのじゃが⁉︎』
「なら素直に盾になってよ」
『我大精霊だぶぅぅ⁉︎』
言葉を遮るようにトゲトゲ鉄球が盾役のソラウへと直撃。ソラウは私の方を振り返るように見てたからトゲトゲ鉄球が飛んできていた事はわかっていたみたいだけど飛んでくる凄まじい速度が凄まじい事には気づかなかったみたいだ。無防備な状態に直撃してた。そしてその威力はソラウを掴んでいた私の腕が吹っ飛ばれそうになるくらいに強い。盾がなければ私の腕が吹き飛んでたかもしれない。
『ごふっ、な、なんて物で武器を作っとるんじゃ!』
いつも着こなしているドレスが際どい感じに破れたソラウだけど右手が無くなってる⁉︎ 大精霊の体を傷つけるってどんな威力なんだよ。
「ただの鉄球じゃなかったの?」
『トゲトゲ付いとるわ! しかもあれはぶつかった魔力を吸収する鉱石、魔吸石じゃ!』
「ああ、だからソラウの体に傷がついたわけね」
精霊の体は魔力で作られてるらしいからおそらくは鉄球が直撃した右手が吸収されたんだろうね。
精霊の天敵じゃない。
『またくるよ!』
『くさりついてる!』
警告のような精霊さんの声が周りに響く。
盾で弾いたはずの鉄球が鎖で操られるかのように金属音を響かせ、周りにいる精霊さん達を精霊界に送り返しながら再び私達へと襲いかかってきた。




